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日刊ゲンダイDIGITALによると、木村拓哉(46)主演の連続ドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)で、ライバル店『gaku』のオーナー・江藤を演じる俳優の手塚とおる(57)が話す“エセ関西弁”について、ネット上がにわかザワついているという。そのおおよその流れは以下のとおり。
第1話の江藤が初登場するシーンでは、
「もちろん、東京ナンバーワンになったあかつきには、特別ボーナスも考えまっせ」「星を取った店は2度と星を落とせんという宿命を背負うことも忘れんように」
「調査員の情報は入ってるやろうね?」
……ほか、ぼぼすべてのセリフの語尾が関西弁仕様だった。ところが第1話終了後から“エセ関西弁”に関する違和感がネット上で指摘され、第2話以降は関西弁調のセリフが激減。
さらに、第3話では、
「あの関西弁はエセですけどね。相手との距離を縮めるために使っているだけで、ホントは埼玉出身らしいです」
……と、沢村一樹(52)が演じる京野による弁明のセリフも。
第4話では、これまでの“エセ関西弁”批判を逆手に取った(?)
「ウニ出とるやないかい!」
……という名セリフが生まれ、ネット上でも再び話題に。
にもかかわらず、第6話では、
「火入れも中途半端、単なる焼き魚じゃないか!」
……と、江藤の決めセリフがまた標準語に戻っていた。
たしかに、イマドキ「〜でっせ」だとか「〜まっせ」だとか「〜でんがな」だとか「〜まんねん」みたいな語尾で〆る関西弁をナチュラルに使いこなす関西人は、明石家さんまを筆頭とする関西系のお笑い芸人を除けば、めっきり少なくなってきた。手塚が演じるライバル店のオーナーが「金勘定にあざとい大阪商人」的な設定ゆえ、よりキャッチーなキャラづくりを試みたんだろうが、その“わかりやすい悪役”の象徴として、いささかリアリティに欠けた関西弁がチョイスされたことに“ネイティブ”が、ついムッとしてしまう心情も理解できなくはない。
が、ドラマとは、派生語である「ドラマティック」という言葉が示すように、そもそもが「大きな嘘はついてもいいけど小さな嘘をついてはいけない」とのセオリーに支えられた過剰な世界こそが“常態”なのだ。
今回の“エセ関西弁”問題に、実際どれくらいの数の抗議が寄せられたのかは不明ではあるものの、はたして「相手との距離を縮めるために使っているだけで、ホントは埼玉出身」といった、どう考えても不自然な「弁明」を付け加えねばならないほどの逆風だったのか?なぜ手塚の「ほぼ完璧なイントネーション」を関西(人)に対するリスペクトと捉えることができないのか?私なんかは、ヤフコメやツイッターあたりで頻繁に見かける、中途半端な関西弁を乱用した心ないツッコミや罵詈雑言のほうが、断然イラッとしますけどね……。