米国のリベラル系オンラインメディア『HUFFPOST』の日本版が、『少年ジャンプ編集者は「少年の心」が必要? 企業説明会の真偽について集英社が回答』なるタイトルの記事を配信していた。



 



事の発端は、11月3日に、とある人物が投稿した以下のようなツイートであった。



 




私の大学に集英社の人事が来た時「女性はジャンプ漫画の編集にはなれませんか?」て質問したら「前例が無い訳ではありませんが週刊少年ジャンプの編集には『少年の心』が分かる人でないと……」て返されたの絶対許せない 嘘松ではなく令和1年、都内私立K大学にて行われた企業説明会での出来事です(原文ママ)




 



ネット上では、この企業説明会が本当に実施されたのかの真偽も含めて一部で論議が起こり、そこでHUFFPOST日本版の編集部が「実際に企業説明会でこうした発言があったのか?」「週刊少年ジャンプの編集者採用は、男女の性差を考慮しているのか?」の2点に関して集英社広報部に取材を申し込んだところ、11月5日に書面で回答。「少年の心が大切」という発言があったことは認めたものの、女性でも週刊少年ジャンプの編集者になれるかどうかについては、



 




「過去に前例がないわけではありません。『少年ジャンプ+』に女性が配属されていますし、『ヤングジャンプ』などで女性の編集者が配属されたこともあります。女性ファッション誌の編集部であれば、性別関係なく女性のおしゃれ心を理解できることが必要ですし、少年マンガであれば少年の心がわかることが大切でしょう」




 



……と、明確な回答を得られなかった……らしい。



 



「明確な回答は得られなかった」とはいえ、暗に「週刊少年ジャンプ編集部は女性部員を欲していないこと」を匂わせているのは、文面からも容易に推測できる。そして、その週刊少年ジャンプの“方針”に対して男女性差の問題を持ち込み、糾弾するのはちょっと違うのでは……と私は考える。



 



これって、極論すると、キャバクラに「男性のキャストを採用しろ」って言っているのと同じじゃないですか。そりゃあ「相手が男性だからこそ男性にしか理解できない男ゴコロのツボを押さえることができる」みたいな発想だって、あるのかもしれない。だが、そういう発想に到って「実際に男性キャストを採用してみる」といった冒険に出るか、当たり前の話、客は女性とお話をするためにお金を払っているのだから「やっぱりキャストは女性のみで…」と踏みとどまるかは、営利団体であるかぎり経営サイドの自由でしょ?



 



ましてや、週刊少年ジャンプ編集部は“男所帯”で尋常じゃない実績と結果を何十年も残し続けている“最強部隊”である。そんな老舗のチームが、組織図を大胆にいじることに躊躇するのも無理はない。あえて「少女の心」がわかる女性目線の“血”を取り入れ、心機一転を図ってみるのも、それはそれで意義のある実験的な試みではあるけれど、その最終的な決定権は……編集部、集英社に委ねるべきだろう。



 



仮に、あなたが女性で、どうしても週刊少年ジャンプ編集部に入りたいのなら、外からネット上を“燃やす”のではなく、とりあえずは集英社に入社するなり就職試験を受けるなりして、「私はコレコレこういう理由で、生半可な男性より少年心がわかっています」と、または「これからはジャンプも少女心を積極的に注入すべきです」と、強くかつ地道に直訴するのがスジなのではなかろうか。


情報提供元: citrus
記事名:「 少年ジャンプ編集者には「少年の心」が必要ゆえに「女性」は不要。これって男女性差?