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『AERA dot.』が、中2から約11年間、200人以上の男性にお小遣いをもらってきた、今は某企業の営業職に就きながらも、「(収入的な)安定のために」と、まだ現役でパパ活を続けている25歳の女性のインタビュー記事を配信していた。
清潔感のあるシャツにパンツスタイル、肩まで伸びた茶色の髪── 一見は、明るく好感の持てる雰囲気の女性らしい。だが、あくまでも「女の子は選ばれる側」で、しかも彼女の場合は体の関係を持たないパターンのパパ活ゆえ、「相手は自分と過ごす時間にお金を払ってくれる」との自覚を持って、「選ばれる」ために会話からキャラ設定まで……あらゆる配慮を払っていた、いわば“プロ中のプロフェッショナル”である。
そんな彼女が今年の春から正社員として働く道を選び、新卒で配属されたのが「営業」。ところが、そこには「パパ活のベテラン」ならではの、以下のような落とし穴があったという。
「若手の女性社員は接待要員として得意先との飲み会によく連れて行かれるんですが、お金ももらっていないのにどうしてニコニコしておしゃべりをしなきゃいけないんだろうと思ってしまうんです。(中略)時給1000円くらいで愛想良くしなきゃいけないコンビニ店員や飲食店のウエイトレスも、私にはもうできないですよね」
「それに、パパ活では嫌な人をブロックできるし、こっちにも選ぶ権利があります。でも職場の人たちは1年、2年どころか、下手すると一生の付き合いになるかもしれない。嫌なことがあったとしても、相手が上司なら笑顔で接し続けなきゃいけない。それは理不尽だと思ってしまうんですよね…」
「飲み物に薬を盛られて意識を失ったり、食事代もお手当も払わずに逃げられたり、男の人の汚い面をたくさん見てきたので、もう男の人という存在自体が嫌いになっています。お金をもらわないと喋りたくないぐらい…。好意を向けられるのも気持ち悪いし、このままじゃ、まともな恋愛ができないかも」
う〜ん……こりゃあ、かなりの重症ですな。「色恋絡みの金儲けは“お得意さま”となる男(ホストなら女)という“イキモノ”自体を嫌いになってこそ一人前」といった側面もなくはないが、いったん、そうやって道を極めてしまったヒトが、普通の社会生活を無理なく受け入れて、普通に恋愛できるようになるまでは、かなり長期のリハビリが必要なのではなかろうか。
水商売や風俗の世界にどっぷり浸かってこの境地に達してしまったヒトなら「お店を辞めること」によって、多少はマインドの切り替えスイッチが働くのかもしれない。しかし「パパ活」という、一般的には“職業”として成立していないグレーゾーンの“活動”だからこそ、余計にタチが悪い。
別にフェミニストを気取るわけではないのだけれど、私はこうも「パパ活」なる言葉が全国レベルで流通し、こういったかたちで少なからず一部の女性に後遺症を残す諸悪の根元は、100%「パパになってお金を払っちゃう男側」にあると思っている。若い子としゃべりたいなら、合コンやってナンパしろよ。それができなきゃ、ちゃんとキャバクラなりフーゾクに行けよ……と。
そもそも、愛人・援交……と、女性がフリーランスの完全独立採算制によって“男に貢がせる”システムめいたものは昔からあった。なのに何故、また名を変えて「パパ活」なのか? 私は、パパ活の特質が“対価の定額の曖昧さ”にあるため、なんでもお金で解決してしまう傾向が強く、しかも恋愛にゲーム性、勝ち負けを求めがちなバブル世代がオジサンになったことが遠因にあるのでは……とにらんでいるのだが、いかがだろう?