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平日から、なにかのビッグイベントや祝い事があった日まで……昼夜問わず年がら年中、あらゆる世代と人種を混沌として呑み込む、もはや“日本最大の観光名所”の一つと呼んでも過言ではない「渋谷スクランブル交差点」を有する渋谷区が今年6月、ハロウィンや年末年始などの特別時期にかぎって、渋谷駅周辺の路上や公園での飲酒を禁止する条例を施行した。さらには、渋谷駅周辺の小売店およそ40店が渋谷区の要請を受け、ハロウィンでの騒乱が予想される10月26日と31日の夜間に酒類の販売を自粛する方針も決めたという。
(酒の販売自粛は)売り上げの面では手痛い損失となりかねないにもかかわらず、多くの小売店側がその対応を受け入れた理由を、ネット版の『日経ビジネス』は、「より大きなリスクが存在するから」だと報じる。
未成年者飲酒禁止法では、飲酒した未成年本人は処罰されず、酒を販売した店舗とその従業員が罪に問われることになる。客に年齢確認を求めるかどうかはただでさえ判断が難しい。ハロウィンで仮装している場合は、それがさらに困難になってしまう。
たしかに、去年のように軽トラックを横転させた、酔いの勢いにまかせて好き放題に暴れまわるヤカラ(輩)系の抑止には、いささかの効果も見込めるのかもしれない。しかし、ハロウィン期間中にスクランブル交差点を中心とする渋谷の方々で発生するミニトラブルや小競り合いが、路上禁酒や酒類販売自粛くらいで、はたして劇的に解消されるかどうかは甚だ疑問だったりする。
たとえば、10月27日(日)の午後4時ごろ、私はたまたま用事があって渋谷の駅に向かって歩いていた。すると、コインロッカーの前で4人の女子高生が、おそらくどこの女子トイレも満員だったのだろう……まるで、いつ男子が入ってくるかわからない教室で体操着に早着替えするかのごとくの要領で、ハロウィン用コスチュームに武装し始めていた。
明らかに通行人の妨げとなっていたため、ホンの数秒ほどジッと見ていると、「おっさん、ジロジロ見てんじゃねーよ!」と恫喝された。我々おっさんは、JKが立っている半径5メートル内では、息をするだけでも犯罪と見なされてしまう危険性も十分にありうるので、その場は無言でやりすごし、すごすごと退散したわけだが、よくよく考えれば理不尽な話ではないか。ちゃんと家から着替えてこいよ、と。
数年ほど前、渋谷のパチンコ屋で年に一度クラスの爆連をしたのが運の尽き(?)で、ハロウィン真っ盛りの夜にどうしてもスクランブル交差点を渡らねば家路へと着けなくなったとき、半乳&半ケツ状態のラムちゃんみたいな格好をしたギャルに中年のサラリーマン風男性が、やはり「おっさん、ジロジロ見てんじゃねーよ!」と凄まれているシーンを目撃したことがある。これはもっと理不尽極まりない。
だって、アンタらは大なり小なり衆人に自身の非日常的な仮装を見てもらいたいって願望があるからこそ、周囲との差別化を図り、こうも奇抜なファッションでキメているのではないのか? そのためにわざわざ露出度が激しい破廉恥なコスチュームを身に纏い、公共の場を練り歩いているんだろ!? 自分の都合だけで鑑賞される対象を選別するのは、虫が良すぎなのではないか。あと一つ、批判を承知でつけ加えさせていただくなら、そんな太ももを晒した半裸に近い格好をしていたら、痴漢めいた被害に合うのも、ある程度は覚悟すべきではないのか。まさに自業自得ってヤツである。
ちなみに、私は過去、二度だけのっぴきならない事情から、都内某所で開催されたハロウィンパーティに足を運んだことがあるのだけれど、一度は「ビジネスパーソンのコスプレ」ってことで全身スーツに銀縁メガネ姿で、一度は我が草野球チームの阪神タイガースとほぼ同じデザインのユニフォーム姿で参加した。前者は私の普段のカジュアルすぎる服装を知っている人にしか伝わらない、わかりづらいもので、後者は草野球に出かける際、(原則として)私はユニフォーム姿のままで電車にも乗っちゃうヒトゆえ、いつもどおり……まったくコスプレになっていませんでしたとさ(笑)。以上!