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8月23日に放送された『めざましテレビ』(フジテレビ系)のワンコーナー『ココ調(ここしら)』が、「なぜ隠さない? 美容整形女子! 公表するワケを大調査!」と銘打った、なかなかにデリケイトなテーマの特集を組んでいた。
『ココ調』の調べによると、みずからの美容整形をSNSなどで公開する人は、今月だけで3000件以上もいたという。私はたまたまこのオンエアーをオンタイムで観ていたのだけれど、番組スタッフが渋谷の駅前で「[ココ調]プチ整形をしたことがある女性 探しています」と表示した手持ちの看板を持っていると、若い女子が続々と寄ってきていた。多少の編集作業はあるにせよ、ここまで協力的な“経験者”たちが、ぼーっと突っ立っているだけでわんさか集まるなら、さぞかし取材もはかどったに違いない。そんな彼女らが美容整形を公表する理由は、以下のようなものであった。
「有村藍里さんも整形公表をし始め、世間の整形に対する偏見が減ってきたから、隠す必要がなくなった」
「SNSの影響だと思う。インスタの自撮りをあげることや写真を撮られることが多くなったので、あの娘(顔が)変わったな、整形したなとコソコソ言われるより、オープンにしたほうが周りの好感度も高い」
「自分の経験を活かして整形の情報交換をするため」
「周りにも美容整形をしている人が増え、恥ずかしさが少なくなった」
「今まではほぼ同じ顔だった一卵性双生児の妹がいるため、(整形したことが)バレてしまうから」
ちなみに、『ココ調』による、都内男女120人を対象として『「美容整形の公表」あり? なし?』を問うたアンケート調査では、じつに75%が「あり」と答えた……らしい。
年代別だと、「あり」と答えた人が、10〜20代は92%、30〜40代は68%、50代〜が54%……と、年輩ほど美容整形に対する偏見が強い傾向こそいささか見られるものの、この日本においても、美容整形が確実に社会認知されつつあるのは、どうやら間違いなさそうだ。なんせ、イマドキの“公開派”はSNSどころか、朝の全国ネット番組でのカミングアウトですら、厭わないのだから……。おそらく「生まれついての優れた容姿の持ち主であること」が、(少なくとも日本では)“憧れ”へと直結する側面が否めない女優やアイドルより、むしろ一般人のほうが「美容整形の吹聴」は、心理的に容易いのだろう。ある意味、前出の有村藍里は芸能界だと特殊中の特殊な存在なのかもしれない。
いずれにしろ美容整形業界にとっては“追い風”と言える、近年のこうした風潮に関して、医師側は
「専門的な方が発信している情報ではないということは、すごく注意が必要かなと思います。
手術方法など(素人の)情報量が多い分取捨選択が難しくなっており、トラブルの原因にもなりうる。
やはり、専門的なクリニックに行って、ドクターの意見を聞くのが大事かなと思います」
……と『ココ調』内で、一応の警鐘を鳴らしていたが、
「せっかく美容整形で自身のコンプレックスを払拭しようと試みたのに、それを隠すことで、また新たな心の闇をかかえるくらいなら、いっそ公開したほうがマシ」
……といった発想には、私も同意する。が、この番組を観た直後に、さる美容整形外科業界で働く女性から、こんな実情も耳にした。
「美容整形を公開する人は、たしかに増えてきているけど、それはあくまで目の二重整形、目頭(目尻)切開、ボトックス注射…など、プチ整形にかぎっての話。鼻や胸にシリコンを入れたり、顎を削ったり…の大がかりな施術をした人は、今でもカミングアウトを躊躇するケースが多いですね」
「改善」ではなく「改革」には、まだまだ抵抗があるということか? まるで政治のごとく……である。