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誰かとスマホや携帯電話で話したあとに「●●さんって、電話とナマの声が全然違いますよね」などと、ホメられているのかケナされているのか、はたまたただ思ったことを述べているだけなのか分からない感想をぶつけられたことがある人は、きっと多いことでしょう。
でも実はその感想、あながち間違えではありません。実はスマホや携帯電話の声は、自分自身の生の声ではないものが相手に届いているんです!
家電(イエデン)と呼ばれるいわゆる固定電話は「音声符号化」によりアナログ音声をデジタル音声にしたデータで届けるため、デジタル化による劣化はあるものの、ほぼ生の声と同じ音声を届けることができます。しかし携帯電話等は、無線により通信を行うため音声符号化よりデータが軽量になる「ハイブリッド符号化」が行われます。
この「ハイブリッド符号化」というのは、人が発した言葉を聞き取り、その声を分析して符号化。音声データを軽くするため、できるだけ元の音声に近い音源をデータ上から探し出し、聞き取る側に届けるというもの。つまり実際には、自分の声ではなく、限りなく自分の声に似た、合成された声が相手に届けられているのです。
ちなみにKDDIによれば、音のもととなるデータは2000種類ほどあり、その音源の組み合わせから、約43億通りの音声データをつくることができるとのこと。2019年6月現在で、世界の人口は約77億人。この広い世界に、自分とまったく同じ声で通話している人が存在するかもしれない……そう考えると、デジタルな世の中にあって、少しだけロマンを感じられる気がするのは私だけでしょうか。