- 週間ランキング
「夫の浮気に向き合わなかった後悔」~Y美さんのケース
夫の浮気に目をつぶり、育児に専念してきたつもりが…
結婚生活が長くなると「忙しいから」「面倒くさいから」「ま、いっか」などと、パートナーのケアがおざなりになるもの。ところが、そのせいで離婚の危機を招くケースも少なくありません。
背が高く、学生の頃はサッカー部のエースだったというT也さんは、誰もが認めるイケメン。「私から『付き合ってください』と告白しました」とY美さん。ほかに付き合っている女性がいたにもかかわらず、「もちろんOK!」というT也さんの軽いノリで二人の交際はスタートしました。
途中、何度もT也さんの浮気がもとでケンカをしたものの、二人は5年後に結婚。Y美さんは、「友達は心配してくれたけれど、彼の浮気癖も結婚したら治ると思っていました」と言います。
ところが、結婚後1年で出産のためにY美さんが実家に戻っている間にT也さんの浮気癖が再発。それをきっかけに、独身時代と同じように浮気をくり返すようになったのでした。
「T也からは『ゴメン。でも、もう終わったことだよ』と謝られました。私も育児で手一杯だったこともあり、正直な話、夫の浮気問題で振り回されるのは面倒くさかったんです」とY美さん。
そうやって夫の浮気に目をつぶり、結婚生活を守ることと育児に専念した結果、Y美さんは夫の浮気相手からの嫌がらせを受けるようになったと言います。
「浮気相手と思われる女性からの無言電話や、嫌がらせメール、白紙のファックスなど次々と攻撃されてきたんです。さすがに私のほうも、精神的におかしくなるかと思いましたね」
それでもY美さんは、頭では「夫と真剣に向き合わなくては」とわかってはいたものの、現実の生活になると「でも、なんだか面倒くさいな」「生活費さえもらえていれば、このままでも困ることはないか」と、思っていたそうです。
夫婦関係に決定的な亀裂が生じたのは、T也さんが新興宗教にはまったことがきっかけだったと言います。「浮気相手の女性にそそのかされて、彼女が崇拝する新興宗教に夫が入信してしまったんです」とY美さんは振り返ります。自分に無関心な妻がいる自宅より、新たな信者を大歓迎してくれる宗教団体のほうが楽しいと感じたとしても不思議はなかったのかもしれません。ほどなくして、“お布施”と称して多額の寄付をするほど宗教に入れこみはじめ、自宅には帰らなくなったT也さん。「なぜか“T也さんの友人”だという人たちが、入れ替わり立ち替わり自宅を訪ねてきては、私のことをしつこく勧誘するようになったんです」。
はじめは無視を決め込んでいたY美さんも、早朝・深夜の電話や突然の訪問で入信を迫られ、挙句の果てには子どものことを指さしながら「今のままではこの子はロクな大人に育たない」などということまで言われたと言います。「このままでは私自身の身が持たない」と命の危機を感じたY美さんは、離婚を決意。離婚調停を経て、1年後には離婚することができたのでした。
「子どものためにも、あのまま夫婦生活を我慢し続けなくてよかったと思う反面、もっと夫と向き合う時間をつくって、面倒くさがらずに浮気をとめていたら、こんな結果にはならなかったのかもしれませんよね」と溜息をつくY美さんの姿が印象的でした。
ちなみに、その後、T也さんと浮気相手の女性とは、お金のトラブルがもとで破局。多額の借金を背負うことになったT也さんは、「お布施ができない人間に、真の信者を名乗る資格はない」と宗教団体からも追放されたことで、ようやく目が覚めたとか。「もう女と宗教はこりごりだ」とぼやきながら、現在もアルバイトをしながら就活中の日々を送っています。