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Twitterの投稿が原因で炎上、更迭など職務上の処分を受ける事例が最近多い。今回は、そのような事態が起こるメカニズムを解説しよう。
■「少年院に入るような少年は…」
2019年2月、関西の少年院に務める男性法務官が
「少年院に入るような少年はあまり勉強していない分、変に染まっていないので洗脳、、、じゃなくて教育しやすい」
といった差別的な認識の投稿をし、ほかにも特定の国に対するヘイトスピーチを投稿したことで炎上。
男性は投稿の中で「私は法務教官をしていますが」と立場を明かしていた。法務官として、明らかに信頼を裏切る行為と言えるだろう。投稿を見たユーザーが法務省に連絡し、発覚。法務省はこれを「国家公務員の信用失墜行為に当たる」と問題視し、近く処分するとしている。
また同年3月には、ヘイトスピーチや著名人への人格攻撃などを繰り返していた匿名アカウントが、世田谷年金事務所所長であると発覚し炎上。実名アカウントだったInstagramの投稿を誤ってTwitterに連動させたことが原因とみられる。日本年金機構は所長を異動、更迭し、処分を検討するとしている。この他にも、類似の事件が続いている。
■教員のSNS利用を禁止する学校も
なぜこのような投稿は炎上し、更迭などの職務上の処分につながったのか。
少年院の法務教官は国家公務員である上、少年たちを指導・教育する立場だ。模範的な振る舞いが求められるのは言うまでもない。年金事務所職員は公務員でこそないが、日本年金機構は社会保険庁を廃止して発足した特殊法人であり、役職員は刑法などでも“みなし公務員”として扱われる。どちらも、信頼や責任を求められ、問題を起こしたときは強く糾弾される立場だ。
学校によっては、就業規則で教員のSNS利用を原則禁止とするところもあるほどだ。個人情報が漏洩すると、場合によっては当人だけでなく学校全体に悪影響を及ぼしかねないからだ。とはいえ、プライベートのSNS利用までは禁止できないので、あくまで守秘義務などに抵触したり炎上につながったりする投稿はすべきではないということになるだろう。
今回の事例は、匿名利用ながらも身分が明らかになって処分につながった。後者はいわゆる“誤爆”が原因なのである意味気の毒とも言えるが、そもそもそのような立場である以上、たとえ匿名でもそのような投稿をすべきでなかった。
前者で言うと、「私は法務教官をしていますが」と自ら立場を明らかにするのは論外だ。立場を正しく認識できていなかったと言わざるを得ない。
■ヘイトスピーチは絶対にNG
最近では、ヘイトスピーチ、国や人種等を差別する投稿、女性関連の投稿が炎上しやすい。たとえ匿名でも、そのアカウントが残した“痕跡”から個人が特定される例は少なくない。問題ある投稿は、たとえ匿名でも絶対に慎むべきだろう。
そもそも、Twitterは規約で攻撃的な投稿やヘイトスピーチを禁じている。発覚すれば、コンテンツの削除やアカウント凍結もあり得るという。
このように、SNSが実生活に悪影響を与える事例は少なくない。公務員でなくても、勤務先に連絡され、処分につながった例もあるので、くれぐれも投稿の内容には注意してほしい。