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Y美さんのケース
机の上で、夫と愛人が激しく愛し合っている場面に遭遇してしまったのです…
男女の出会いが多様化するなか、「職場恋愛」や「職場結婚」をする人もまだまだ多い様子。K太郎さんとY美さんも職場恋愛から職場結婚に発展したカップルでした。
Y美さんは、東京にある一流大学を卒業後、広告制作会社に入社しました。同じ職場に中途採用として入社してきた4歳年下のK太郎さんと知り合い、2年間の職場恋愛をしたのちに30歳で結婚しました。
結婚のきっかけはY美さんの大阪への人事異動でした。「会社から辞令がでた日は私の誕生日。ディナーの席でプロポーズされました。『東京と大阪。しばらく離れて暮らすことになるけれど、結婚しよう』と」。
結婚を機にさらに仕事を頑張ったY美さんは2年後に昇進、東京に戻れることになったといいます。ところが、なんと東京でのポジションはK太郎さんの上司にあたるもの。会社からは「私情を挟まず、頑張ってほしい」と言われ、引き受けたのでした。
東京では、リーダーとして部下に指示を出し、業務の評価もする立場になったY美さん。「職場では夫婦であることは関係ない。K太郎もほかの部下と同じように接しなければ」と意識していたと言います。
そうやってY美さんはK太郎さんに厳しく接していたつもりだったものの、まわりにはそれが「夫の仕事だからって、特別に肩入れしている」とささやかれることもたびたび。自分の妻が上司になったことで、K太郎さんはすっかり職場でも浮いた存在になってしまったのでした。
そんなK太郎さんが癒しを求めたのは、派遣社員としてK太郎さんの下についたM子さんでした。「リーダーとしてソツなく働く頼もしい妻とは真逆で、何をしてもミスをするM子がちょっとしたことで自分を頼ってくれるのが新鮮でうれしかった」とK太郎さん。K太郎さんとM子が男女の関係になるまでには、さほど時間はかかりませんでした。
Y美さんは残業と出張の連続、K太郎さんは不倫に夢中になっていて家をあけることが増え、夫婦関係はすっかり冷え切ってしまったかのように見えた半年後、突然、事態は急転しました。
ある晩、遅くに出先から帰社したY美さんは、自分の机の上で激しく愛し合っているK太郎さんとM子さんに遭遇してしまったのでした。Y美さんは、それまで夫の不倫にまったく気づいていなかったこともあり、すっかり気が動転。連日の激務による疲労と夫の不倫のショックから体調不良になり、そのまま休職することになってしまいました。
K太郎さんのほうは、誰よりも仕事を頑張っていた妻を自分が病気においやってしまったことについて深く反省し、M子さんとはキッパリ別れることを決めたとのこと。派遣社員のM子さんも契約満了にともない、おとなしく会社を去っていきました。不倫のことは、会社の人たちにバレることもなく、フェードアウトした形になったのです。
それから一年後、休職からそのまま退職したY美さんから私のもとに、「元気な女の子が生まれました」という報告があったときは心から驚きました。「結局、私にとってほかの何よりも大事だったのは家族だったんです。自分でもビックリですが、夫の不倫がターニングポイントになって、私たち夫婦は幸せになれました」。