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■「いい物」を持っているのに売れない
これまで50代〜70代の方と話をする機会が多かったのですが、みなさん私が思っている以上に「いい物」を持っています。ここでいう「いい物」とは高く売れる物という意味です。シニア層はバブル期に高価な買い物をしています。たとえば、ジュエリー。当時100万円くらいしたらしい指輪を持っている60代の女性がいました。あとは、89万円という値札がついたままのコートを持っている80代の女性。
そういうのを見ると「バブルってすごかったんだな…」と思うのですが、一方で値段の高さが原因で売却に踏み切れないというジレンマもあります。「使わないなら売ればいいじゃないですか」と言うと「だって高かったのよ」と。
「いくらで売れるの?」と聞かれて調べてみたら、コートの相場は2万円。それを伝えると「だったら売らない」と。
もう絶対に使わないのですが、買ったときの値段を考えると、売れなくなるのです。もはや、「買値の呪縛」。まずは、これを断ち切らないとフリマ出品は難しいでしょう。
■私の母はこうして“悟った”
では、どうすれば買値の呪縛から逃れられるのか、着物を売れなかった私の母は、義母のお葬式で喪服を着たとき、「もうこの喪服は着ないだろうね」と感じたそう。両親を含め親4人はすでに他界。私の父の葬儀では、喪服を着るかどうかもわかりません。そういうことを考えると、「喪服だけではなく着物も使わない」と理解したようなのです。
大切なのは、「もう使わない」と本人が気づき、納得することです。納得できないなら、そのまま持ち続ければいいだけ。そもそも人は説得では動きません。納得しないと始まらないのだから、焦らずに時間をかけてもいいと私は思っています。実際、私の母のもとにはまだ眠っている着物があります。
■50代以上が気をつけたいこと
50代以上のユーザーがフリマを使う際の注意点を3つ挙げましょう。
1.個人情報は絶対に書かない
メルカリで匿名配送が使えることからもわかる通り、個人情報の保護は社会全体の動きです。でも、ついつい自分の名前をメッセージに書いてしまう方もいます。私も、「孫のために買いました。ありがとうございます」という一文の後に本人の名前が書いてあるメッセージを受け取ったことがあります。さすがに住所までは書いていませんでしたが…。匿名配送のシステムでは、個人情報を書かなくても、必要な情報は相手にちゃんと伝わっています。住所や名前、メールアドレス、電話番号などは絶対に書いてはいけません。
2.丁寧すぎない
言葉遣いがとても丁寧というか、丁寧すぎる方がいます。「〜でございます」程度ならいいのでしょうけれど「存じます」「できない場合にはご容赦ください」というのは、ちょっと堅い印象です。フリマのユーザーは若者も多いので、もっと気軽な感じで問題ありません。
3.深く考え込まない
性格にもよるのですが、シニアはかなり慎重派の方も多いと感じます。ちょっとした汚れでも、「ここ、汚れてるから売ったら失礼ですよね」とおっしゃった方もいるほどです。商品に傷や汚れがあっても、ちゃんと写真で掲載したり商品説明欄で書いたりすればいいのです。それを理解したうえで買いたいという人が出てくるので、心配する必要はありません。あまり考え込むと売る商品がなくなってしまいます。
■スマホに慣れてなくとも大丈夫
シニアがフリマと上手に付き合うコツは、作業をいかに簡単にするかだと考えています。スマホに慣れていないとストレスになることもありますが、以下に挙げるポイントを踏まえれば安心です。
ポイント1:音声入力を使う
シニアの場合、出品作業で一番ネックになるのは文字入力でしょう。私もそうなのですが、文字入力はけっこう手こずります。そこで使いたいのが、音声入力の機能。スマホに向かってしゃべるだけで勝手に文章が入力されるので、タップが苦手でも安心です。
商品名や商品説明欄で自動的にキーが出てきて、マイクのマークをタッチすると、音声入力ができます。
性能が良く、ほぼミスなく入力可能です。
ポイント2:集荷依頼を利用する
発送作業もけっこう面倒。コンビニまで行かないといけないのか…と思ってしまいます。でも、「らくらくメルカリ便」を使えば、ヤマト運輸が集荷に来てくれます。1つの荷物に30円かかりますが、ドライバーが玄関まで来てくれるので、とても楽。出品者は荷物の梱包さえ終わらせていればOKです。
ここで紹介した注意点を踏まえ、ぜひフリマを活用してほしいと思います。