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『現代ビジネス』に「口臭が原因で転落したエリートサラリーマンの悲劇」なる、我々初老世代にとってはちょっとドキッとさせられるタイトルの記事があった。
中堅生命保険会社に勤める、営業成績は優秀で、30代のころには社長賞を何度ももらい、自他ともに認める「エース」だった田中さん(仮名・50歳)が、40代後半になると徐々に成績は「右肩下がり」となって、その理由を慰労会の席で同期社員に問い正してみると……なんと! その内容は、
……といったもので、大きなショックを受けた田中さんは、その後、会社に営業からの異動願いを提出し、今は長期間休職中……とのエピソードをフックとし、そこから「口臭」の医学的要因からチェック法、予防法までを詳細に紹介した、6(WEB)ページにもおよぶ“大作”である。
その医学的要因やチェック法や予防法を切実に知りたい、なんとなくお口の匂いが気になるお年ごろな御仁はゼヒとも↑をクリックして読んでもらいたいのだが、「たかが口臭で仕事までが左右されてしまうとは…さすがにそれはないっしょ!?」なんて、事を軽んじているアナタ! 冒頭のエピソードは大袈裟に盛った逸話なんかじゃ全然ない(に違いない)!!「きっつい口臭」は、下手すりゃ仕事をも失いかねない立派な“ウィークポイント”となりうる!!! 極論「加齢臭の5割近くは口臭によるもの」とすら、私は考えている(※単なるゴメスのイメージ。科学的裏付けや数字的根拠は一切ない)。
過去にこんなことがあった。私が準レギュラー出演していた某バラエティ番組で、私の横にたまたま座ったタレントさんの口が異様に臭かった。人柄自体はとてもいいヒトで、言っていることもちゃんとしていたのだけれど、私は2時間強の収録時間中、そのあまりの臭気に頭がクラクラしてしまい、後半は口呼吸のみを心がけていたモニターに映る自分の表情は虚ろで、まるでいけない薬物中毒者のようだった。収録後、私のあからさまな様子のおかしさを心配したAPさんに「ゴメスさん、今日はどうしたんですか?」と訊ねられ、私はつい正直にこう答えてしまった。「じつは○○サンの口臭が…」と。そして、そのヒトが番組に呼ばれることは二度となかった……。もし万一、私のチンコロ(=告げ口)が“上の最終判断材料”となったのなら、本当にそのヒトには悪いことをしてしまった……と今でも時たま心が痛む、ほろ苦い想い出だったりする。
だから、私も自身の口臭には人一倍デリケイトで、とりあえず私は(この予防法が正しいかどうかは知らないが)人と会うときは、その直前までガムを噛む。ひたすら噛みまくって、とにかく口内に唾液を多く分泌させ、挨拶のタイミングと同時にゴクンと飲み込む。相手がそこそこ親しい間柄なら、会ってからも噛み続けていることだってある。そりゃあ、失礼な行為だとは重々承知している。が、口臭をただよわせるほうがもっと失礼だと、少なくとも私は思うのだ。
ちなみに、記事中に引用されている『江崎グリコ』による「仕事ができる人・優秀だと思う人のニオイは?」というアンケート調査で、1位となったのは「無臭」であったらしい。この“結果”を謙虚に受け止め、一刻も早く禁煙ができるよう、私も日々の精進につとめたい。
それにしても、最近の『現代ビジネス』って、切り口がスキャンダル系に偏らず独特で、しかも記事の一本一本がとても丁寧につくられていて、どれも読みごたえがある。『文春オンライン』や『デイリー新潮』に勝るとも劣らない勢い……なのでは? 『太陽より熱い!「1億2000万度」とは、どんな世界なのか?』って記事も、タイトルからしていかにも面白そうだし、実際にも面白かった。