“いつも”のように「NNP(ネット・ニュース・パトロール)」のため、Yahoo!ニュースのトップページをスクロールしていると……とある一つの女性向け恋愛系WEBメディアが配信する『愛情が漏れ出てしまってます。男性が「本気の女性」だけに見せるサイン』『本音を何気なく口にしています。男性が本命女性に言いがちなこと』なるタイトルの二つの記事が、ほぼ同時に目にとまった。

 

さらに、その恋愛系WEBメディア内を検索してみると……今度は『心の底から愛してる! 男性が「本気で惚れた女性」にする愛情表現』だとか『そういう意味だったんだ?! 男が「脈アリ女子だけにする」意外な言動』……みたいなタイトルの記事がアップされていた。とりあえずは、それらの内容をシャッフルして一部抜粋してみるので、ご覧になっていただきたい。

 

・連絡をマメにくれる
・遅刻やドタキャンをしない
・過去にした話を覚えている
・デートに誘ってくる
・「休みの日は何してるの?」と聞いてくる
・「正直彼氏はいるの?」と聞いてくる
・真剣に話を聞いてくれる
・忙しくても会うための時間を作る
・気遣いのLINEを頻繁にくれる
・話す時はいつも笑顔
・他の男性がいると態度が変わる
・何かと二人っきりになりたがる

 

……etc.と、とりたてて目新しくもない、アチラコチラですでにリフレインされまくっているようなことばかりが書いてあった。はたして、このメディアを取り仕切る編集長(的なヒト)は、怒らないのだろうか?

 

「似たような原稿ばっか書いてんじゃねえよ!」


「もっと違った視点のアドバイスを考えろよ!」

 

……と。仮に、私が編集長(的な立場)だったら、下手すりゃ「全ボツ」を喰らわしてしまいかねない……。が、しばし時間をおいて冷静になってみると……もしかしたら「コレはコレでアリなんじゃないか?」といった、新たな考えが頭を擡(もた)げてもきた。

 

とどのつまりが、只今「片想いか両想いかが判別できない意中の男性」とデリケートな関係を続行中な、常に心が揺れ動いている健気な乙女たちは、たとえば私が『めざましテレビ』(フジテレビ系)の星座占いを毎朝欠かさずチェックするような気分で、この手の「本命女子にしか〜」系の記事を、日々くまなくチェックしているのではなかろうか。

 

もちろんのこと、「星座占い」に “斬新な視点”なんて着眼は一切必要ない。むしろ「毎日の似たようなアドバイス」といったマンネリ感がただようくらいで、ちょうどいい。それと同じで、恋に悩む彼女たちは

 

「ああ……今日は、記事に書いてあったとおり彼から気配りっぽいLINEが届いたから、うれしいな!」

 

……などと一喜一憂できることに、こうした記事(群)の存在意義を見いだしているのかもしれない。

 

そう解釈すれば、

 

「似たような内容の原稿に、似てはいるけど微妙にニュアンスが異なったタイトルをつける作業」

 

……も、なかなかに練度の高い、ある種の「職人技」とも思えるようになってきた。とても勉強になりました! 私も男子ではあるものの「恋に悩む者の一人」として(笑)、今後はネット上に氾濫する「本命にしか〜」系記事と、ルーティンに対峙していきたい。

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情報提供元: citrus
記事名:「 ネット上に蔓延る「本命女子向けの恋愛記事」の存在意義を考える