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なるほど……たしかに、どれも “試してみる”に越したことはない、真っ当なアドバイスばかりである。が、いささか「真っ当すぎる」のではないか? それなりに長く付き合ってきたパートナーと別れてしまったら……しかも “コッチ”がフラれてしまったケースだと、その “直後”にこれらを実践できるほど、我々人間のメンタルはタフじゃない……と、私はこれまでの散々に味わい尽くしてきた数々の苦い経験を振り返りながら、反論したい。
今回の『ウレぴあ総研』さんによる提唱は、あくまで「別れて」から最低でも3ヶ月以上は経過した、傷口がようやくカサブタになりかけているぐらいの人たちに向けた “マニュアル”であって、おそらくまだ傷口がドロドロな状態の人たちには、ほぼ機能しない。そして、この手の記事につい飛びついてしまうのは、むしろ「フラれたてホヤホヤ」な層なのではなかろうか?
仮に、私が一週間前に彼女からフラれてしまったとしたら……スマホの中にあるその元カノの情報を全削除なんておっかなくてできないし、元カノのSNSは(別れる前より)くまなくチェックしてしまう。次の出会いに焦らず、「次はどういう付き合いがしたいか」について考えながら、自分磨きをする……なんて絶対無理! かろうじてできることは……可能なかぎり(公私問わず)「人と会う」予定をスケジュールにブチ込んで、遮二無二「合コン」だとか「お見合いパーティ」だとか「マッチングアプリ」だとか……と、新しい “彼女探し”の場へとアクセスするだろう。
たまーに居酒屋やバーなどで、べろんべろんに泥酔しながら……ときには泣きながら、 “フラれたヒト”がひたすら友人(らしき)相手にその愚痴を何度もリフレインしているシーンに出くわすが、はたから見ていると滑稽以外の何物でもなく、つい苦笑が漏れてしまったりもするのだけれど、私は「フラれたてホヤホヤ」のときは、案外コレが「正解」なのではないか……と思う。
「次の付き合い」のシミュレーションや自分磨きなんか一切しなくていい。とにかく、周囲の迷惑なんぞ顧(かえり)みず、プライドなんぞも捨て置き、会う人会う人に片っ端からおのれの未練タラタラな情けない姿をとことんまでさらけ出すのが、「失恋」の傷を癒す一番の特効薬なのだ。
そりゃあ、そういう鬱陶(うっとお)しいさまを連日見せられ、結果としてあなたから離れていく者だっているかもしれない。しかし、 “この程度”のことで離れていってしまうような輩(やから)は……少なくとも私にとって「友」ではないので、それはそれでかまわない。
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