日本国民の7~15%が罹患(※1)しているアトピー性皮膚炎。そんな“国民病”とも呼ぶべき症状について考えるオンラインワークショップが、2022年10月初旬に行われた。

開催したのは日本イーライリリー株式会社。日本最大級のアトピー性皮膚炎患者さん向けのアプリ「アトピヨ」を運営するアトピヨ合同会社の協力のもと、目標設定ツール「マンダラチャート」を使ってオンラインでの開催となった。

(※1)日本医療研究開発機構:https://www.amed.go.jp/news/seika/kenkyu/20210519-02.html

「マンダラチャート」でアトピー性皮膚炎と向き合う
この日のために集まったのは北海道・東北エリア在住の5名。
いずれもアトピー性皮膚炎に悩んでいる当事者で、本ワークショップを通して本当になりたい自分や送りたい生活について考え、そのためにできること、すべきことを自分自身で設計するという試みだ。

イベントの鍵となる「マンダラチャート」とは、3×3の9マスの枠で構成されるフレームワーク。
9つのマスの真ん中に目標、周辺のマスに関連する小目標を入れて、目標を達成するために何が必要なのかを可視化していく、有名アスリートなども活用している目標設定ツールだ。

これを活用していくことで、漠然としていた目標や、目標へ向かって行うべき行動をより明確にすることをサポートしてくれる。

仲間や医師との意見交換により、明確な目標を設定!
みなさん、事前に作成したマンダラチャートを元に参加者同士で活発にディスカッション。

皮膚疾患について多数の著書を執筆されている、医療法人社団廣仁会札幌皮膚科クリニック院長の安部正敏先生も加わり、より良い治療の提案や生活方法などのアドバイスも行われた。

<参加者のひとり、チホコさんの場合>
悩み:かゆみで化粧ができない。また、睡眠中に目が覚めるほどかゆみがひどく、熟睡したいという気持ちが強い。

ゆかさん(参加者):女性として化粧は必要で、とても共感する。化粧をしたくてもアトピーが邪魔してできない。チホコさんは治療目標が明確なので私も参考にしたい。

安倍先生のアドバイス:かゆみがつらく、中途覚醒されるという方は自身の患者さんにも多い悩み。
チホコさんのようにストレートに「熟睡したい」と欲求を言ってもらえるとこちらも対応しやすい。患者さんには遠慮なく相談してほしい。

ディスカッションや先生のアドバイスを受けて(チホコさん)
今回のワークショップで、自分だけでなくアトピーで悩んでいる人がたくさんいるということが分かった。
自分だけで悩むのではなく、前向きに治療に取り組みたい。

ワークショップには、化粧品パッケージや広告、ファッション誌など様々な分野で活躍、ファッショナブルな作風でその人の顔の特長を温かく表現するポートレート(似顔絵)が人気の、イラストレーター ニシイズミユカさんも参加。

患者さん作成のマンダラチャートからオリジナルのポートレートを書き起こし、マンダラチャートを華やかかつ素敵に仕上げると、参加者からは笑顔がこぼれた。

厚生労働省によると、51.3万人と推計されている日本におけるアトピー性皮膚炎患者。完治が難しいと言われるものの、安倍先生いわく「近年は新しい治療が増え、格段に進歩した」そう。
「一般的によく知られるステロイドの塗り薬以外に注射や飲み薬、ステロイドではない塗り薬など、アトピー性皮膚炎の新しい治療薬が出てきています」と話し、アトピー性皮膚炎治療の未来は明るいことを示し、ワークショップを締めくくった。
情報提供元: 美容最新ニュース
記事名:「 「マンダラチャート」を活用!アトピー性皮膚炎における治療と目標を考えるワークショップを開催