「40代だから40個まで」は危険! 特に子どもは注意。中毒症状も……「銀杏は年の数まで」実際の上限数
All About 2026年10月30日 00:00:00
Q. 「年の数以上食べるな」と言われる銀杏の上限数は?
Q. 「秋になると焼き銀杏や揚げ銀杏が楽しみなのですが、昔から『銀杏は年の数以上食べるな』と言われていますよね。40代なら40個くらいまでは気にしなくていいということでしょうか? 加熱すれば毒は消えると聞いたこともあります。子どもも大好きなのですが、年の数までにとどめた方がいいですか?」A. 「年の数」は食べ過ぎです。中毒症状を避けるために、適量を守って
「銀杏は年の数まで」という言い伝えは、残念ながら安全な目安とはいえません。実は大人の銀杏の適量は「6~7粒程度」とされています。思っているよりも上限はかなり低いのです。40代や50代の方が年齢と同じ数を食べてしまったら、明らかに食べ過ぎで危険です。加えて注意したいのが、「加熱すれば大丈夫」という思い込み。生の銀杏にはメチルピリドキシンという毒性成分が含まれていますが、この毒性は加熱しても消えません。揚げ銀杏はお酒のおつまみとして人気ですが、食べ過ぎには注意が必要です。
メチルピリドキシンはビタミンB6とよく似た構造を持ち、体内でビタミンB6の働きを阻害すると考えられています。その結果、ビタミンB6欠乏症のような状態になり、嘔吐や下痢、呼吸困難、けいれんなどの中毒症状を引き起こすことがあります。
日本国内でも、戦後のデータで銀杏中毒の死亡率は「約13%」(170例中22例が死亡)という報告も残されています。この数値は栄養状態がよくない時代のもので、近年の死亡例の報告はありませんので、過度に心配する必要はありません。しかし子どもは大人よりも代謝機能が未熟なため、わずか1~2個で中毒を起こしてしまった例もあります。
銀杏中毒は小児に多いと言われており、年齢にもよりますが、子どもの適量は1~2個までが目安です。茶碗蒸しに入っている1個は目安の範囲内ですが、大人と同じ感覚で何個も与えるのは避けましょう。銀杏を安全に楽しむためのポイントは以下の通りです。
・大人も6~7粒程度でやめておく
・子どもは年齢に応じて1~2個までにとどめる
・加熱しても毒性は消えないため、揚げ銀杏や串焼きも食べ過ぎない
銀杏は1個約3g・約6kcalと、7粒食べても約42kcal程度です。カリウムなどの栄養も含む秋の味覚なので、量にさえ注意すればおいしく栄養をとることができます。栄養素や中毒とは別の注意点としては、自宅で揚げると破裂し、やけどをしてしまう例もありますので、十分に注意してください。食べる数を少し意識しながら、旬の味を楽しみましょう。
平井 千里プロフィール
メタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。 情報提供元: All About