食品の消費税率が8%であることもあり、現金で支払う時に何かと重宝するのが「1円玉」です。支払い時、お財布の中にある1円玉でぴったり支払うことができるとうれしいものです。

そんな1円玉ですが、2026年10月10日に終了したオークション・第130回入札誌「銀座」にて、昭和46年の1円玉が8000円(手数料込みで9320円)で落札されました。

たかだか9320円と言ってしまえばそれまでですが、普段使っている1円玉が9320円になると思えば、ばかにはできません。いったいなぜ手数料込みで額面の9320倍に相当する金額での落札となったのでしょうか? その理由は、「未使用」「鑑定されたもの」であるからと言えます。

美しさをいかに保っているかが高値となるポイント

今回落札された1円玉は、とてもきれいな状態を保っています。いわゆる「未使用品」に相当します。昭和46年の1円玉はおよそ9億枚発行されているため、珍しいものではありませんが、すでに発行から50年以上が経過しているため、未使用となれば話は別です。今回も未使用であることが価格を押し上げているのです。

高値がついた理由はそれだけではありません。コインの鑑定機関であるPCGS(Professional Coin Grading Service)により、「MS64」の評価がつけられており、スラブ(鑑定されたコインを収める保護用の硬いプラスチックケース)に入っています。

スラブに入っていることで、直接手で触れることがないため、美しさを保つことができます。こうしたスラブ入りであることも評価を押し上げています。「64」は完全未使用に近い状態を示す評価のため、マニアにとっては十分に収集対象となり得るのです。

鑑定評価が高くなるほど高値になる

コインの鑑定は、通常70段階で評価されます。現行貨幣で一般的に収集対象になるのは、完全未使用~未使用レベルです。数字評価でいえば、62~70あたりの評価のものです。

評価の数字が上がればコインの評価ランクが上がります。通常貨幣の場合、70がつくことはまずないでしょうから、あっても68とか67だと考えられます。ましてや発行から時間がたった古い現行貨幣となると、67以上がつくことはあまりないかもしれません。

今回の落札品は64評価ですが、これがもし65や66の評価のものであれば、さらに高値が期待できます。1円玉にもかかわらず数万円の価値になることは十分あり得るのです。

なお、鑑定料金(鑑定依頼を代理するコイン商により異なる)を考慮すると割に合わないケースもあります。そのため、現行貨幣について言えば、少なくとも未使用以上の状態でないと鑑定に出す意味はないかもしれません(エラー貨幣の場合は未使用レベルではなくとも高値になる可能性があります)。

鑑定は本物である証明にもなります。以前商売をしていた人などで、ロールで1円玉や100円玉が手元に残っている場合は、古い現行貨幣でも完全未使用品が残っている可能性もあります。そのような場合はロールをくずす前にコイン商に相談し、明らかに未使用のものである場合は鑑定に出すことも検討されるとよいでしょう。額面の何千、何万倍になるかもしれませんよ。

<参考>
第130回入札誌「銀座」 Lot番号:497 1円アルミ貨 昭和46年 PCGS(MS64)

伊藤 亮太プロフィール

慶應義塾大学大学院商学研究科修了。一般社団法人資産運用総合研究所代表理事。ファイナンシャルプランナーとして、家計・保険等の相談、執筆、講演、大学講師を主軸に活動。大学院時代の専門は社会保障で、経済・金融に関する解説も得意。コイン収集マニアの一面も。
情報提供元: All About
記事名:「 現行の1円玉が「9320円」で落札された理由!鑑定に出せば何万倍にも化けるかもしれないレアな1円玉とは 」