「50代で性格はそう簡単に変わらない」定年後の仕事選びで無理をしてはいけない理由
All About 2026年10月27日 00:00:00
『定年後のお金の悩み、解決します』(荻原 博子著)では、定年後に年金+αのお金で暮らすための資産の守り方や活かし方、健康寿命を延ばして、お金を賢く使う生活の仕方についてお伝えしています。
今回は本書から一部抜粋し、50代以降の仕事選びで、自分の性格や強みをどう生かしていけばいいのかについて紹介します。
50代から「性格を変える」のは得策ではない
個人で独立して本気で稼ごうと思うなら、やはり強いメンタルが必要です。何度断られても、何度ダメ出しをされても、次にまた融資のために頭を下げにいく、そのくらいの押しの強さがなければ前に進めません。人の性格は、ある程度の年齢になるとそう簡単には変わりません。50代になればなおさらです。人に頭を下げるのがどうしても苦手な人は、やはり一生苦手ですし、それを無理に変えようとすると、自分そのものを否定するようで苦しくなるだけです。
ですから、まず自分には変わらない部分、変えられない部分があるという前提に立った方がいいのではないかと思います。
例えば、人にお願いするのが苦手で、営業のような仕事が向いていないと感じる人が、無理に愛想よく振る舞おうとすると大きなエネルギーを消耗します。もちろん多少の努力は必要ですが、その努力を、性格を変えることに使うより、自分の強みを磨く方向に使った方が、結果として評価は高くなるでしょう。人当たりはぶっきらぼうでも、仕事が正確で速い人は、やはり信頼されます。
性格については、サソリとカエルの有名な寓話があります。
サソリは川を渡りたいと思いましたが、泳ぐことができません。そこで、カエルに背中に乗せて川を渡ってほしいと頼みます。カエルは、「そんなことをしたら君は刺すに違いない」と渋りますが、サソリは「そんなことをしたら自分も溺れてしまうからするはずがない」と説得します。まあそれもそうだと思ったカエルはサソリを背に乗せて川を渡ります。けれども、泳いでいる最中に、サソリはなんとカエルを刺してしまい、一緒にブクブクと沈んでいくのです。
溺れながら「自分も死ぬのになぜ刺したのか」と問うカエルに、サソリは「まあ、これが自分の性なんだからしょうがない」と答えるのです。
これは極端な例ですが、性質というものはそれほど根が深いものだ、ということなのです。自分の「性」を無理に押さえつけようとすると、どこかで無理が出ます。ですから大切なのは、自分の変えられない部分をきちんと見極めることです。変えられる部分はなりたい自分になれるように少し整えながら、変えられない部分はそれを活かす方向に持っていくということです。
強気になれないなら、強気でなくても成り立つ仕事を選ぶのがいいですし、人と密に接するのが苦手なら、一人で深く取り組める仕事を探せばいいでしょう。そうやって、自分の性質と折り合いをつけながら道を選ぶことが、結果として仕事が長続きすることにつながります。
無理に別人になろうとすると、どこかで心が折れてしまいかねませんが、自分の性質を理解し、その上でどう活かすかを考えれば、道は必ず見えてきます。結局、自分を知ることが一番の出発点なのです。
著者:荻原 博子(経済ジャーナリスト)
1954年、長野県生まれ。明治大学文学部卒業。家計経済のパイオニアとして活躍。著書に『年金だけでも暮らせます』(PHP新書)『投資なんか、おやめなさい』(新潮新書)など。
情報提供元: All About