「休日はアートに浸りたいけれど、美術館だけで終わらせるのはもったいない」そんな方にこそ歩いてほしいのが清澄白河です。東京都現代美術館を中心に、個性豊かなギャラリーが路地裏や倉庫の中に点在し、自家焙煎コーヒーの香りが漂う街。緑あふれる庭園、リノベーションされた建物、静かなギャラリー空間を巡りながら、半日かけてじっくりとアートと向き合う時間を過ごしてみませんか。

大きな美術館での鑑賞と、小さなギャラリーでの静かな出会い、その合間にコーヒーで一息つく時間。この3つが無理なく半日の中に収まるのが、清澄白河という街の懐の深さです。今回は清澄白河駅から歩いて回れる、アートさんぽのモデルコースをご紹介します。


アートも、コーヒーも!清澄白河さんぽが心地いい3つの理由


  1. 東京都現代美術館を中心に、個性的なギャラリーが徒歩圏に集まっており、ひとつの街の中でジャンルの異なるアートに次々と出会えます。

  2. 近年「コーヒーの街」として知られるようになり、自家焙煎カフェの香りに包まれながら、休憩を挟みつつ気持ちよく歩けます。

  3. 長屋や倉庫をリノベーションした建物が多く、看板建築や路地の風景を眺めるだけでも、街を歩くこと自体がアート体験のように感じられます。


清澄白河アートさんぽ、半日モデルコース


午前:清澄庭園で、静けさに包まれながら散策スタート


清澄白河駅から歩いてすぐ、まず訪れたいのが清澄庭園です。大きな池を中心にめぐる回遊式庭園で、四季折々の緑や水辺に集まる野鳥の姿を眺めながら、ゆったりとした時間の中で歩けます。


庭園内に配された大小さまざまな石は、諸国から集められた名石と言われており、歩を進めるたびに景色が移り変わる作りになっています。都会の喧騒からふっと離れられるこの場所は、これから始まるアートさんぽに向けて気持ちを整えてくれる、静かな導入のスポットです。ベンチに腰掛けて水面を眺めているだけでも、心がすっと落ち着いていくのを感じられるはずです。


https://www.tokyo-park.or.jp/park/kiyosumi/


午前:路地裏にひっそりと佇む「HARMAS GALLERY」


清澄庭園から住宅街を抜けた先、隅田川の方向に向かう路地裏にひっそりと構えているのがHARMAS GALLERYです。


フランス語の方言で「荒れ地」を意味する言葉を冠したこのギャラリーは、荒涼とした現実の世界において残っていくべき作品を制作し、美術に対して真摯な態度で挑む作家を紹介することをコンセプトにしています。国内作家の個展を中心に、静かな空間でじっくりと作品と向き合える貴重な場所です。


観光地化されていない住宅地の中にぽつんとあるからこそ、清澄白河の暮らしの延長線上にアートがある雰囲気を肌で感じられます。看板も控えめなので、地図を頼りにゆっくり探し歩くのも、この街ならではの楽しみ方かもしれません。


https://harmas.fabre-design.com/


昼前:東京都現代美術館でコンテンポラリーアートに浸る


清澄白河駅から徒歩9分ほど、緑豊かな木場公園に隣接する東京都現代美術館は、このコースの中心となるスポットです。


1995年に開館し、2019年に全面リニューアルを果たしたこの美術館は、日本最大級の現代美術専門館。絵画、彫刻、写真、建築、デザインなど幅広いジャンルの企画展やコレクション展が年に複数回開催されており、訪れるたびに新しい発見があります。常設されている彫刻作品も見応えがあり、企画展を見る時間がなくても十分にアートの空気を味わえます。


館内にはカフェとレストランが併設されているため、展示をじっくり鑑賞したあとに慌てて外へ出る必要がありません。天井に映る水のゆらぎが美しい「水と石のプロムナード」や中庭など、建物自体も作品のように設計されており、展示室の外でも十分に楽しめるのがこの美術館ならではの魅力です。


コレクション展だけを見るなら1時間ほど、企画展まで含めてじっくり回るなら2時間以上かかることも珍しくありません。半日コースの中でも、ここでの滞在時間はゆったりめに確保しておくのがおすすめです。館内の美術図書室も、休憩がてら立ち寄ってみると新しい発見があるかもしれません。


https://www.mot-art-museum.jp/


昼過ぎ:美術館そばの「ANDO GALLERY」と、駅の近くで出会う「ondo gallery」


東京都現代美術館から歩いてすぐの距離に、まず立ち寄りたいギャラリーがあります。


2008年に開廊したANDO GALLERYは、蔦の絡まる倉庫を改装したギャラリースペースで、白を基調としたホワイトキューブの空間が印象的です。幅や奥行きにも偏りのない文字通りの白い空間には、国内外の若手現代美術作家による絵画や彫刻、映像作品などが並び、作品と静かに向き合うにはぴったりの場所です。アート・建築・デザインのプロデュースを手がけるオーナーが、作品の「形態」だけでなく「主題」も大切にしながら作家を紹介しています。


美術館から清澄白河駅の方向へ戻る道すがら立ち寄りたいのが、築60年ほどの古民家をリノベーションしたondo galleryです。月に2回ほどのペースでイラストレーターや作家による企画展示を開催しており、併設のアートストアでは作家が手がけたグッズやプロダクトも購入できます。暮らしの温度感を感じさせる空間で、気軽にアートに触れられるのが魅力です。


美術館鑑賞の余韻に浸りながら、規模も雰囲気も異なる2つのギャラリーを巡ることで、現代アートの幅広さを一度に感じられます。


午後:隅田川に近い、地元に根ざした「Satoko Oe Contemporary」


江戸時代につくられた小名木川のすぐそばにあるのがSatoko Oe Contemporaryです。


街の人々や社会の記憶に残る場所として存在することを目指し、現代美術を中心にさまざまな作家と協働してきたギャラリーで、通りから中の様子が見える路面店であることも特徴のひとつです。特別な場所として構えすぎず、ふらりと立ち寄れる地元の店のような空気感が漂っています。


大きな美術館を見たあとに、こうした小規模で親密な距離感のギャラリーに立ち寄ることで、清澄白河という街とアートの関係がより立体的に見えてくるはずです。


https://satokooe.com/


午後:清澄白河駅近くの「gallery stoop」でヴィンテージ家具と現代アートに出会う


清澄白河駅から歩いて2分ほど、戦後復興期に建てられた木造家屋を使ったgallery stoopは、散策の締めくくりに立ち寄りたいスポットです。


フランス、イタリア、オランダ、スペインをはじめ、ヨーロッパから南米、アジア、アフリカまで、国境や年代にとらわれずに集められたヴィンテージ家具やオブジェが、現代アート作品とともに静かに佇む空間です。型にとらわれず、新たな価値をさまざまな語り口で提案していくことを目指しているというこのギャラリーは、2025年春にリニューアルオープンし、以前よりも広々とした空間になりました。同じ清澄白河にある系列店舗では、海外のデザインウィークで注目を集めた作家の新作展なども開催されています。


家具や道具ひとつひとつの背景にある物語にゆっくりと触れながら、半日かけて歩いてきた道のりの最後にひと息つくと、旅の余韻がより深く感じられるでしょう。


アートさんぽの合間に立ち寄りたい、清澄白河のカフェ


歩いて巡るアートさんぽだからこそ、合間のコーヒータイムも大切にしたいところです。清澄白河には自家焙煎にこだわるカフェが多く、それぞれに個性があるので、鑑賞のペースに合わせて立ち寄る場所を選ぶ楽しみもあります。


ARiSE COFFEE ROASTERS


清澄白河コーヒーシーンの草分け的存在として知られるのがARiSE COFFEE ROASTERSです。近くの焙煎所で仕上げた豆を使ったコーヒーを、気取らない雰囲気の中で手ごろな価格で味わえます。地元の常連客と旅行者が自然に混ざり合う、街の交流の場のような温かい存在で、豆本来の果実味を生かした味わいに定評があります。


https://arisecoffee.jp/


Blue Bottle Coffee 清澄白河フラッグシップカフェ


日本におけるコーヒーチェーン上陸1号店として知られるBlue Bottle Coffee 清澄白河フラッグシップカフェも外せません。何度かのリニューアルを経て店内の座席数も増え、以前に比べて落ち着いて過ごせるようになりました。広々とした店内でゆったりとくつろぎながら、アート鑑賞の余韻に浸れる貴重な時間です。


https://store.bluebottlecoffee.jp/pages/kiyosumi


清澄白河アートさんぽを快適に楽しむコツ


  • 東京都現代美術館の企画展は会期や混雑状況が変動するため、訪れる前に公式サイトで最新情報を確認しましょう。

  • ギャラリーの多くは入場無料ですが、休廊日が設定されている場合があるため、事前のチェックがおすすめです。

  • 徒歩での移動が多いコースなので、歩きやすい靴で出かけましょう。

  • カフェは週末に混み合うことがあるため、時間に余裕を持って立ち寄るのがおすすめです。

  • すべてを回ろうとせず、気になったギャラリーでは思い切って長く滞在するくらいの気持ちで歩くと、より充実した時間になります。


おわりに:アートとコーヒーが溶け合う、清澄白河でゆっくりとした時間を


庭園の静けさから始まり、路地裏のギャラリー巡り、現代美術館でのじっくりとした鑑賞、そしてコーヒーの香りに包まれるひととき。清澄白河は、アートを軸にしながらも肩肘張らずに時間を過ごせる街です。


すべてのスポットを効率よく回ることよりも、気になる場所で足を止め、自分のペースで街の空気を味わうことこそが、このアートさんぽの醍醐味です。次の休日は、この半日コースを片手に、自分だけの清澄白河アートさんぽを楽しんでみてください。


YOKKA編集部

余暇プランナー

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【東京】清澄白河アートさんぽ|東京都現代美術館とギャラリー・カフェを巡る半日コース

情報提供元: YOKKA
記事名:「 【東京】清澄白河アートさんぽ|東京都現代美術館とギャラリー・カフェを巡る半日コース