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リューベックはバルト海に面する北ドイツの都市で、中世にはハンザ同盟の盟主として栄えました。ハンザ同盟とは北ドイツの商業都市を中心に結成された経済同盟で、商業の自由と安全確保、貿易の促進を目的とするものでした。リューベックはその中心的な存在で「ハンザの女王」と称され、中世後期の商業と経済の発展に大いに寄与しました。この同盟は都市同士の協力による国際組織の一形態として、後の国際協力の先駆けとなったもの。ヨーロッパの歴史を理解する上でも非常に重要といわれています。
リューベックへはハンブルクから鉄道で向かうのが一般的。ハンブルク中央駅からリューベック中央駅まで急行列車で約45分と日帰り旅行も可能な距離です。
首都ベルリンから向かう場合は、特急ICEでハンブルク中央駅まで移動(約2時間)。ハンブルク中央駅で乗り換え、リューベック中央駅へ向かいます。
リューベック中央駅から旧市街までは徒歩で約10分ほど。広い空の下を流れる美しい川を渡りながら進むと、リューベックのシンボル「ホルステン門」が迎えてくれますよ。
リューベックは「ハンザ同盟都市リューベック」として、トラヴェ川とトラヴェ運河に囲まれた旧市街全域が世界遺産に登録されています。中世の面影を残す美しい街並みには歴史的な名所が充実!また、レンガ作りの家々はどれも素敵な佇まいで散策が楽しい街です。
ホルステン門はリューベック旧市街の入り口に建つ城門で、リューベックの象徴的な建造物の一つです。1400年代に建設された門で、レンガ造りとふたつの塔が特徴的。また、遠くから写真を撮ると門が全体的に少し傾いて見えます。門の両端の内部は博物館にて模型などが展示されており、街やハンザの歴史について解説されていますよ。
リューベック市庁舎は1200年代に建設が始まったとされる建物。かつてはハンザ同盟の重要な意思決定がなされた場所です。内部見学をする際にはガイドツアーに参加する必要がありますが、外観を見て回るだけでも充分に満足できる歴史を感じさせられる建物です。広場から見た外観の様子は、大きい空に重厚な建物が映えて何度もカメラのシャッターを押したくなるほどですよ。
マリエン教会は1200年代~1300年代にかけて建設されたゴシック様式が見事な教会です。レンガ造りの教会としては最大級ともいわれ、塔も圧巻の美しさを誇ります。内部にあるパイプオルガンは音楽家のバッハがその音色に惚れ込み何度も足を運んだものといわれています。また、ステンドグラスも数多く、魅力的なものばかりです。
シッファーゲゼルシャフトは1500年代に建てられた船員組合の家で、ハンザ都市特有の建築様式が特徴的です。思わず写真に撮りたくなる外観ですが、内部はレストランになっており船の中のようなインテリアが中世の雰囲気を今に伝えます。
聖霊養老院は世界最古の社会福祉施設の一つで、1200年代に完成したものです。裕福な商人たちが資金を出し合い築いた、貧しい人々を救済するための施設でした。レンガ造りの建物は尖塔が特徴的で、入口を入ってすぐのエリアは一般公開もされています。ホールには美しいステンドグラスやフレスコ画が並び、また当時の部屋の様子なども覗くことができます。
リューベックには「ガング」と呼ばれる通り抜けできる小道があります。住宅が集合しており、可愛らしい外観の家屋が並びます。旧市街の至る所に素敵な小道や住居があるので、カメラ片手にそぞろ歩きが楽しくなりますね。
リューベックはノーベル賞受賞者を何人も輩出している街です。作家のトーマス・マンとギュンター・グラスがノーベル文学賞、そして政治家のヴィリー・ブラントがノーベル平和賞を受賞しています。
トーマス・マンとその兄で作家のハインリッヒ・マンが過ごした祖父母の家は記念館となっています。トーマス・マンがノーベル賞を受賞した作品「ブッデンブローク家の人々」から「ブッデンブロークハウス」と名付けられ、マン兄弟の生涯と業績が紹介されています。
リューベックの名物といえば「マジパン」で、砂糖とアーモンド粉末を混ぜ合わせて作られたお菓子です。日本ではケーキのデコレーションに使われる事が多いですが、ドイツではそのまま食べるのが一般的。またクリスマスシーズンに食べられる洋菓子シュトーレンの中に入っていることもあります。
マジパンの有名店「ニーダーエッガー」は1806年に創業された老舗で、ショップにはカフェやミュージアムも併設されています。そのキュートなお菓子はお土産にもピッタリですよ♪
中世の面影を残す美しい街並みが魅力のリューベック。旧市街を歩いているとタイムスリップしたような不思議な感覚を味わうことができます。その歴史と美しさに触れながら、のんびりと街歩きを楽しんでみませんか?
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余暇プランナー
ボサノバやサンバなどブラジル音楽を歌う傍ら、趣味の旅行、美術、落語を中心に、好きなことについて綴っているライター。海外在住は3か国、海外旅行は20か国以上と海外渡航の経験が多いですが、国内旅行も、おうち時間も好き。旅先や日常で出会う「愉快なこと」を皆さんと共有できたらうれしいです。
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