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イングランド西部のエイヴォン川河口に位置する港湾都市ブリストル(Bristol)。 古くから交易都市として栄え、ヨーロッパ中の船が集まる貿易港とうたわれたこともあります。一時衰退した時代もありますが、高度な製造技術を持っていたことから飛行機や自動車などの機械工業の街として活気を取り戻していきます。第二次世界大戦時にドイツ軍の爆撃による被害を受けたものの、再開発が進んだ現在、ブリストル大聖堂をはじめとする歴史的建造物とアートやエンターテインメントが一挙に楽しめる街となりました。
ロンドン中心部からブリストルまでは、鉄道で1時間半ほどの距離 です。温泉の町として栄えたバースには約15分、ウェールズ地方の首都であるカーディフにも約1時間でアクセスできるので、滞在地としても適しています。
街の中心地から離れた エイヴォン渓谷にかかるクリフトン吊り橋(Clifton Suspension Bridge)。 エイヴォン川の水面から約76mの高さにあるその美しい姿は、ブリストルのシンボル的な存在として観光客が絶えない観光スポットです。
クリフトン吊り橋は、ロンドンとブリストルを結んでいるグレート・ウェスタン鉄道の主任技師として有名なイサムバード・キングダム・ブルネルにより設計されました。橋の西側にあるビジターセンターで、橋が完成した1864年までの歴史に関する展示やグッズ販売が行われています。
橋は歩行者と自転車であれば無料で渡れ、 北側にある円筒形の展望台(Clifton Observatory)からの景色は特に絶景 。イルミネーションの点灯によりロマンティックな印象となる夜もおすすめです。
ブリストル大聖堂(Bristol Cathedral)は、イギリスを代表するホール教会の1つ です。12世紀に建てられたアウグスティヌス修道院の解散後、1542年にイギリス国教会のブリストル新教区の大聖堂となりました。ドラマや映画の撮影に使われたこともあり、リチャード・バートン主演のスリラー映画『メデューサ・タッチ』、日本では2016年に公開された『シャーロック 忌まわしき花嫁』が有名です。
ブリストル大聖堂は 14世紀に再建したゴシック様式が大部分を占めていますが、ロマネスク様式やノルマン様式も混在 しているのが特徴。特に身廊と聖歌隊席と側廊のアーチ型の天井がすべて同じ高さとなっている点から、ヨーロッパで最も優れたホール教会の1つに挙げられています。多數の木が天へと伸びるような重厚感のある内部は、ステンドグラスや木彫り装飾が施されたパイプオルガンなど細部に至るまで見どころにあふれた教会です。
https://4travel.jp/os_shisetsu/10338872
聖メアリー・レッドクリフ教会(St. Mary Redcliffe Church)は、メインターミナルであるテンプルミーズ駅(Temple Meads)から街の中心部へと向かう道の途中にあります。 高さ90mの尖塔が印象的な教会で、イギリス国内では最大の教区教会 です。
1115年にゴシック様式で建てられたこの教会には、 1574年に訪れたエリザベス1世が「イングランドで最も美しく、魅力的な教区教会」と賞賛した というエピソードがあります。それを裏付けるかのように外壁には隙間なく緻密な彫刻が施されており、入る前から目を奪われるでしょう。内部の美しさも突出しており、「ボス」と呼ばれる突起装飾が天井をつたう金色の梁のつなぎ目にあり、色鮮やかなステンドグラスやパイプオルガンと相まって優美で気品に満ちた空間を演出しています。
https://4travel.jp/os_shisetsu/10338871
SSグレートブリテン号(SS Great Britain)は、19世紀に世界初の大西洋横断に成功したマストを6本備えた鉄製の蒸気船 です。クリフトン吊り橋の設計を行ったブルネルによって建造され、現在は造船所やドックとともに博物館として見学できるようになっています。
SSグレートブリテン号は、 ヴィクトリア女王の時代の造船所を探索したり、船のデッキや内部を乗客になった気分で見学してみたりなど、老若男女問わず楽しめる体験型の展示 となっています。勇気があれば、マストに登れる 「ゴー・アロフト!」 というアトラクションに挑戦してみてください。ヘルメットや落下防止のハーネス等を装着して縄梯子に足をかけていき、地上25m以上の高さからブリストルの街を一望できるポイントへ辿り着けます。また、併設しているハーバーサイドキッチンでは軽食が食べられるので、エイヴォン川沿いの港の風景を見ながら休憩するのもおすすめです。
https://www.ssgreatbritain.org/
ブリストルの郊外にある ティンツフィールド(Tyntesfield)は、広い庭園とチャペルを備えたゴシックリバイバル様式の邸宅 。スペインや南米との貿易で富を築いたウィリアム・ギブスにより建てられ、現在はイギリスの景観や歴史的建築物の保護を行う慈善団体であるナショナル・トラストの管理下にあります。
ゴシック様式の回廊を通って入った内部は、何千冊もの本がある図書室や絵画で埋め尽くされた階段ホールなど荘厳な雰囲気が漂う部屋ばかり。 家具や調度品に至るまで歴史的に価値があるため、世界の美術館や博物館にも引けを取りません。パリにあるサント・シャペル教会をモデルにしたチャペルも華やかです。芝生やローズガーデンなどを備えた210ヘクタール以上の庭園も含め、ヴィクトリア朝のゴシック建築の中では最高峰のカントリーハウスでしょう。
https://www.nationaltrust.org.uk/visit/bath-bristol/tyntesfield
日本では知名度が低いブリストルですが、 ストリートアーティストで有名なバンクシーの生まれ故郷 でもあります。今回紹介した観光スポットの近くにも作品があるので、興味がある人は立ち寄ってみましょう。
イギリス国内での周遊の拠点やロンドンから日帰りで行ける場所をお探しの方は、ぜひブリストルを検討してみてください。
https://www.veltra.com/jp/europe/uk/?sid=1554
出典・参考
余暇プランナー
1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。
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