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ウイスキーを炭酸水で割った「ハイボール」。
低カロリー・低糖質といわれるため「ダイエット中に飲んでも安心」というイメージがあるかもしれません。
実際のところ、ハイボールはどのくらいのカロリーと糖質を含んでいるのでしょうか。
また、ハイボールがダイエット向きなのであれば、コークハイやジンジャーハイなど、ハイボールと似たお酒はどうなのでしょうか。
そこで今回の記事では、「ハイボールに含まれるカロリー・糖質の量」について管理栄養士がくわしく解説します。
ダイエット中に気をつけたいポイントも紹介するので参考にしてみてくださいね。
ハイボールは、ウイスキーを炭酸水で割ったカクテルです。
ウイスキーの代わりにジンや焼酎を炭酸水で割ったドリンクも、「ジンハイボール」「焼酎ハイボール」などという名前で親しまれています。
また、ジンジャーエールやコーラなど、炭酸水ではない割り材でウイスキーを割ったカクテルも、ハイボールのひとつとして扱われることがあります。
好みにもよりますが、ハイボールのウイスキーと炭酸水は、1:3~1:4の比率で作られることが多いようです。
ここでは、ウイスキー:炭酸水=1:4の比率で作ったハイボールのカロリーを紹介します。
ハイボール100mLあたりに含まれるカロリーは45kcalです。
炭酸水は0kcalであるため、ハイボールのカロリーは、ウイスキーのカロリーが影響しています。
これをジョッキ1杯、レギュラー缶1本、ロング缶1本に換算すると、それぞれのカロリーは以下のようになります。
お店でハイボールを注文すると、ジョッキで提供されることが多いですよね。
一般的なハイボールジョッキは、375mLのドリンクが入るくらいのサイズです。
しかし、ハイボールジョッキに氷を入れると、ハイボール自体の量は150mL~200mLほどになります。
そのため、ジョッキ1杯のハイボールを150mLと想定すると、カロリーは68kcalとなるでしょう。
また、おうちで手軽に楽しめる缶タイプのハイボールは、レギュラーサイズ(350mL)だと158kcal、ロングサイズ(500mL)だと225kcalになります。
先ほども説明したように、ハイボールのカロリーはウイスキーの量が増えるほど高くなります。
実際のところ、ウイスキーと炭酸水の比率によって、ハイボールのカロリーはどのくらい変化するのでしょうか。
100mLあたりで比較してみました。
ウイスキーと炭酸水を1:5の比率で作ると100mLあたり37kcal、1:3の比率で作ると100mLあたり56kcalになります。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
続いて、ハイボールの糖質に注目してみましょう。
ハイボール100mLあたりの糖質量は0.0g。これは、ハイボールのウイスキーと炭酸水のどちらにも糖質が含まれていないためです。
そもそもウイスキーは「蒸留酒」に分類されるお酒です。
蒸留酒は作られる途中(「蒸留」の段階)で、原料由来の糖質が取り除かれます。
そのため、蒸留酒であるウイスキーには糖質が含まれないというわけです。
「糖質が含まれないのであれば、カロリーもないのでは?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ハイボールのカロリーのヒミツは、ウイスキーのアルコールにあります。
カロリーを持つ成分といえば、炭水化物や脂質、たんぱく質などが思いつきますが、実はアルコールにもカロリーが含まれています。
アルコールは1gあたり7kcalとなるため、アルコール度数が高ければ高いほど、高カロリーになります。
糖質ゼロであるハイボールは、ダイエット向きといわれることもありますが、飲みすぎるとカロリーの摂りすぎにつながるおそれも。
ダイエット中の方は、飲む量や頻度が多くなりすぎないよう意識するとよいでしょう。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ハイボールはほかのお酒と比べると、カロリーや糖質はどの程度なのでしょうか。
今回は、ビール、ワイン、日本酒、レモンサワー100mLあたりのカロリーと糖質の量を比較してみました。
ハイボールは、カロリー、糖質ともにほかのお酒よりも少ないといえるでしょう。
この中でもっともアルコール度数の高い日本酒(アルコール度数15度)のカロリーは100mLあたり102kcalです。
また、アルコール度数12度のワインのカロリーは白ワイン100mLあたり75kcal、赤ワイン100mLあたり68kcalです。
基本的に、アルコール度数が高いお酒ほどカロリーは高くなります。
また、日本酒には100gあたり3.7g、ビールには100gあたり3.1gの糖質が含まれます。
これは日本酒やビールは、ウイスキーと異なり「醸造酒」に分類されるためです。
醸造酒の製造過程には蒸留の工程がないため、原料の糖質は取り除かれず、糖質の高いお酒になります。
なお、レモンサワーのベースは焼酎(蒸留酒)ですが、商品によって甘味料が含まれているため、カロリーや糖質は比較的高くなります。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ハイボールは苦手だけど、「コークハイ」や「ジンジャーハイ」は好きという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、ウイスキーではなくジンや焼酎を使った「ジンハイボール」「焼酎ハイボール」も人気を集めています。
そこで今回は、ジンハイボール、焼酎ハイボール、コークハイ、ジンジャーハイ(いずれもお酒:割り材=1:4の比率)の100mLあたりのカロリーと糖質の量を、ハイボールと比較してみました。
ジンと焼酎は、ウイスキーとおなじ蒸留酒であるため、ジンハイボールや焼酎ハイボールの糖質は0.0gになります。
また、割り材の炭酸水をコーラに代えたコークハイ100mLあたりのカロリーは83kcal、糖質は9.4gです。
ジンジャーエールを使ったジンジャーハイだと、100mLあたり74kcal、糖質は7.2gとなります。
コーラやジンジャーエールなどのジュースには糖類がたくさん含まれているため、割り材に使った場合、カロリーや糖質はグッとあがってしまいます。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
家で手軽にハイボールを飲みたいときに重宝するのが、ハイボール缶です。
ここでは、6つの商品のカロリーについて紹介します。
商品によって、使われているウイスキーの種類(ジムビーム・ホワイトホース・角・トリス)やアルコール度数が異なるため、カロリーに若干の差があります。
しかし、一般的なハイボール缶の場合、そこまでカロリーに大きなちがいはなく、どれも100mLあたり40kcal~50kcalです。
「角ハイボール<濃いめ>」や「トリスハイボール<おいしい濃いめ>」など、濃いタイプのハイボール缶は、ウイスキーの割合が多い商品です。
そのため、アルコール度数が高くなり、カロリーも100mLあたり60kcalほどに。通常のハイボール缶よりも、100mLあたり10kcal~20kcalほどカロリーが高くなります。
※参照:サントリー「商品情報」,キリン「商品・品質情報(お酒)」
ハイボールは比較的低カロリー・低糖質なお酒であることがわかりました。
しかし、飲み方によっては、ダイエットの進みを悪くしてしまいます。
そこでここでは、ハイボールをダイエット中に飲むときの注意点をいくつか紹介します。
ジンジャーエールやコーラなどのジュースでウイスキーを割ると、甘みが加わって飲みやすくなりますが、カロリーはグッとあがってしまいます。
1杯、2杯……と飲み続けると、思っている以上のカロリーに。
カロリーが気になる方は、ウイスキーを炭酸水で割ったベーシックなハイボールを選ぶと安心です。
ハイボールを自分で作る場合、ウイスキーの量が増えるほどカロリーが高くなります。
目分量で作ると、思いのほかウイスキーを注ぐ量が多くなりやすいので気をつけましょう。
ウイスキーの入れすぎを防ぐには、専用の器具や計量スプーンなどではかってからグラスに注ぐのがおすすめです。
たとえば、大さじ2杯(30mL)のウイスキーを、120mLの炭酸水で割れば、ウイスキーと炭酸水の比率が1:4のハイボールになります。
ウイスキーの1日あたりの目安量は、女性で30mL(男性は60mL)といわれています。
女性は男性よりも体格や肝臓が小さいため、男性よりも適量が少ないとされています。
たとえば、ジョッキ1杯にハイボールが150mL入ると考えると、ウイスキー:炭酸水=1:4の比率で作るハイボールであれば、女性1日あたりの目安量はジョッキ1杯です。
ほかのお酒も一緒に飲む場合には、その分ハイボールの量も減らして調整しましょう。
ダイエット中であっても、目安量を超えてお酒を飲む日もあるかと思います。
その際は、翌日の食事で調整しましょう。
お酒を控えて肝臓を休ませたり、脂質を抑えた食事で摂りすぎたカロリーの調整をしたりできると安心です。
※参照:公益社団法人アルコール健康医学協会「飲酒の基礎知識」
今回の記事では、「ハイボールに含まれるカロリー・糖質の量」について管理栄養士が解説しました。
ハイボールは、ウイスキーの濃さや、どの割り材を使うかによって、カロリーや糖質の量が変わってきます。
今回紹介したさまざまなハイボールのカロリーや、ほかのお酒との比較を参考にしながら、ダイエット中の飲み方を意識してみてくださいね。