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玄米は健康づくりやダイエットにぴったりの主食です。
しかし「実際のカロリーはどのくらい?」「白米に比べると低い?」など、気になる方もいらっしゃるでしょう。
今回の記事では「玄米のカロリー・糖質の量」について、管理栄養士が解説します。
白米との比較やダイエットへの効果もお伝えするので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
玄米100g(炊いた状態のご飯)あたりのカロリーは152kcal、糖質の量は32.0gです。
玄米の量によってカロリーや糖質がどう変わるか、下記にまとめています。
玄米のカロリーは、おにぎり1個152kcal、中盛1杯228kcal、大盛1杯380kcal、1合479kcalとなります。
また、糖質は、おにぎり1個32.0g、中盛1杯48.0g、大盛1杯80.0g、1合100.8gです。
なお、玄米1合は生米の状態で150gです。
水加減や水分の蒸発によって炊き上がりの量が変わりますが、炊飯後は2.1倍の315gほどの量になります。
玄米は白米に比べるとカロリーや糖質は少ないイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。
炊いた状態のご飯100gあたりを比較してみると、白米に比べ玄米は4kcal低く、糖質は2.6g少なくなっています。
玄米はダイエットによいイメージがあるため、白米より大幅にカロリーが低いイメージを持つかもしれませんが、意外と変わりないことがわかります。
そもそも玄米とは、精米される過程で取り除かれる、糠や胚芽が残った状態のお米です。
糠や胚芽以外は普通のお米と変わらないため、カロリーが大幅に低くなるわけではないのです。
ダイエットにおすすめできる理由はありますが、白米とほぼ同等のカロリーであるため、食べすぎには気を付けましょう。
玄米と白米のカロリーはほとんど変わりがないのに、なぜ玄米がダイエットによいといわれるのでしょうか?
理由を3つご紹介します。
玄米のGI値は白米に比べると低いため、太りにくい食べ物であるといえます。GI値は白米77に対し、玄米は55です。
GI(グリセミック・インデックス)とは、血糖値の上がりやすさを示したものです。
GI値の高い食べ物をとり急激に血糖値が上がると、インスリンというホルモンがたくさん分泌され、余った血糖が体脂肪に変換されてしまいます。
反対にGI値が低いものは血糖値が上がりづらく、インスリン分泌を節約でき、体脂肪をため込みにくくしてくれます。
玄米のような精製されていない穀類は食物繊維が豊富で、GI値の低い傾向があります。
ダイエット中は太りにくいGI値の低いものの方がよいため、白米より玄米がダイエット向きというわけです。
玄米は糠や胚芽が残っていることから、白米に比べるとしっかりよく噛んで食べられる特徴があります。
よく食べ噛んで食べることで、満腹感を得られやすく、食べすぎを防いでダイエットに役立ってくれます。
主食の量を減らせるだけでなく、おかずの食べすぎも防ぐことで、カロリーカットが期待できるでしょう。
玄米に含まれる食物繊維は、余分な糖や脂質を吸着して排出する働きがあります。
また消化に時間がかかるため満腹感が持続しやすく、つらい空腹感を我慢しすぎずにダイエットを続けやすくなります。
ダイエットによい効果が期待できる玄米ですが、食べすぎには注意が必要です。
食べすぎにより下記の成分を摂りすぎる恐れがあります。
玄米には「無機ヒ素」という物質が含まれます。
無機ヒ素の長期的な大量摂取により、がんの原因になることや皮膚の健康に影響することが知られているため、注意が必要です。
特に玄米は無機ヒ素の含有量が多いことが知られており、白米に比べると約1.6倍となっています。
バランスのよい食事を心がけていれば、食べ物からの無機ヒ素の摂取について、健康への心配はないとされていますが、極端に玄米ばかりをたくさん食べるのは控えた方がよいでしょう。
玄米には「フィチン酸」という成分が含まれており、鉄や亜鉛の吸収を妨げることが知られています。
玄米には鉄が含まれていますが、貧血によいからとたくさん食べてしまうと、かえって鉄の吸収率を下げてしまう恐れもあるのです。
貧血が気になる場合は玄米ばかり食べるのは避け、鉄が含まれる肉類や魚類などもバランスよく食べるようにしましょう。
玄米は食物繊維が豊富で、消化に時間がかかることから、食べすぎによりお腹の調子に影響することがあります。
下痢や腹痛などの原因になることもあるため、適量を心がけ、自分に合った量をとるようにしましょう。
玄米を取り入れる際に、残留農薬の危険性を心配する方もいるかもしれません。
確かに、白米に比べると玄米の残留農薬は多いことが知られています。
しかし、農産物には農薬の残留基準が定められており、人が口にしても健康に影響のない量が使用されることとなっています。
そのため、安心して玄米を取り入れてOKです。
もし、どうしても農薬が気になる方は、無農薬や有機栽培の玄米などを取り入れてもよいでしょう。
※参照:農林水産省「食品中のヒ素に関するQ&A」,厚生労働省「残留農薬」
玄米の適量は特に決まった目安があるわけではありませんが、1食あたりの量は下記がひとつの目安になります。
・成人男性:235~265g
・成人女性:165~235g
これはバランスのよい食事の選び方を示す「食事バランスガイド」を参考にした量です。
実際は、体格や年齢、活動量によって適量は異なります。
「ダイエット中は、もっとご飯を減らした方がよいのでは?」と思うかもしれませんが、ご飯をしっかり食べ、間食を減らす方が健康的にダイエットできます。
ぜひ自分に合った量を探してみてくださいね。
※参照:農林水産省 厚生労働省「食事バランスガイド」
今回の記事では「玄米のカロリー・糖質の量」について、管理栄養士が解説しました。
玄米のカロリーは100gあたり152kcalと、白米と大きく変わりはありません。
しかし、GI値が低い、満腹感を得られやすいなどのメリットがあるため、ダイエット中の主食としておすすめできます。
食べすぎに注意しながら、上手に健康づくりやダイエットに役立ててくださいね。