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わかめはサッと使えて、比較的安価なのもうれしい、お助け食材ですよね。
そんな身近なわかめには、どのような栄養や効能が期待できるのでしょうか?
今回の記事では「わかめの栄養」について、管理栄養士が解説します。
わかめには、β-カロテンや食物繊維をはじめ、カルシウム、マグネシウム、ヨウ素など、さまざまな栄養素が含まれています。
成長期の子どもから、健康面が気になる大人まで、幅広い年代で取り入れたい食べ物です。
一般的によく食べられる「カットわかめ(水戻し・茹で)」の栄養成分値は、下記のとおりです。
※乾燥させたカットわかめは、水戻しすると約12倍に増えます。
これらの栄養素に期待される効能について、詳しく解説します。
β-カロテンには抗酸化作用があり、いわゆるアンチエイジングが期待できます。
ストレスや紫外線、喫煙などにより体内に活性酸素が過剰に発生すると、細胞を傷つけ肌の老化を引き起こすことが知られています。
抗酸化作用により活性酸素を除去できるため、肌の老化を防ぎ、美肌づくりを助けるというわけです。
食物繊維は糖や脂質の吸収を妨げたり、吸着して排出したりする働きがあり、血糖値や血中コレステロール値の低下に役立ちます。
生活習慣病対策を行いたい方は、わかめなどの海藻類を積極的に取り入れましょう。
カルシウムは骨の材料となるため、成長期の子どもの骨を作るだけでなく、大人の骨粗しょう症予防にも大切です。
カルシウム不足により、骨折などのケガや骨粗しょう症のリスクになることが知られています。
マグネシウムは骨に多く含まれ、カルシウムと同じように、骨の健康づくりに欠かせません。
ほかにも、血圧低下に関わる作用があることも知られてきており、血圧が気になる方は積極的に取り入れたい栄養素です。
ヨウ素は甲状腺ホルモンがつくられる際に必要なミネラルです。
甲状腺ホルモンは、成長や発達のために欠かせない働きがあります。
ヨウ素は海藻に多く含まれ、日本人は不足の心配が少ないのですが、世界的には不足のリスクがある栄養素として知られています。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
乾燥状態のカットわかめはとても便利ですが、生のわかめに比べると栄養成分が少なくなっています。
これは湯通しなどの加工が行われるため、水溶性の栄養素が流れ出てしまうのが理由のひとつです。
実際に、100gあたりの栄養成分値を比較してみましょう。
生わかめは生の状態の栄養成分値しか掲載されておらず、実際には茹でるなどの加熱をして食べるため、厳密な比較とはいえません。
しかし、やはりカルシウム、マグネシウム、ヨウ素、β-カロテンのいずれも生わかめの方が優れていることがわかります。
手軽なカットわかめでも栄養補給できるだけの含有量ではありますが、わかめの旬である春の時期は、栄養豊富な生わかめを取り入れてみるのもよいでしょう。
わかめを取り入れる際は、これから紹介する注意点に気をつけましょう。
わかめは食物繊維が多いため、食べすぎにより消化不良を起こし、腹痛や下痢などのお腹の調子に関わることがあります。
食べる量の目安をお伝えするのは難しいのですが、1日乾燥状態で1〜6g程度(水戻しして12〜70g)を目安にしてもよいでしょう。
これは、バランスのよい食事の見本である食事バランスガイドを参考にした量です。
わかめ以外の野菜なども、バランスよく取り入れるようにしましょう。
カットわかめは塩蔵加工されているため、そのまま料理にふり入れて使うと、塩分の摂りすぎにつながることがあります。
塩分の過剰摂取により、高血圧やむくみの原因などになることがあります。
水にさらすことで塩分が抜けるため、水戻しをしてから使うようにしましょう。
もしくは、味付けの塩分の量を調節してくださいね。
※参照:農林水産省 厚生労働省「食事バランスガイド」
わかめを効果的に食べたいときに、おすすめの食べ方を紹介します。
ダイエット効果を期待する場合は、わかめをサラダにして食べるのがおすすめです。
シャキシャキとして噛みごたえがあり、満腹感を得られやすく、食べすぎを防いでくれます。
カットわかめはすでに加熱加工がされているため、水戻ししたらそのまま食べられます。
生わかめは加熱の必要があるため、湯通しをして食べましょう。
レタスやキャベツ、水菜などのサラダ野菜と組み合わせるとよいですね。
美肌づくりを目的にするなら、油と一緒にとりましょう。
わかめに含まれるβ-カロテンは、油と一緒に取ることで吸収率が高まります。
ドレッシングは油が含まれたものを使ったり、ごま油でさっと炒めて炒め物にしたりするとよいでしょう。
わかめに含まれるカルシウムを効率的に摂るなら、ビタミンDを含むものと組み合わせてみましょう。
ビタミンDは、しいたけやまいたけなどのきのこ類、鮭などの魚介類に含まれています。
わかめときのこの味噌汁にしたり、鮭の料理とわかめのサラダを組み合わせたりするとよいでしょう。
今回の記事では「わかめの栄養」について、管理栄養士が解説しました。
わかめは美肌づくりや健康づくりをしたいときに役立つさまざまな栄養素が含まれています。
おすすめの食べ方を参考に、ぜひ取り入れてみてくださいね。
最後は栄養豊富なわかめを使ったおすすめレシピ3つをご紹介します。
春が旬の生わかめと春キャベツを使った旬の味を楽しめるサラダです。
ごま油がβ-カロテンの吸収を助けてくれます。
春キャベツとわかめのナムルサラダ
春キャベツ、生わかめ、○にんにくチューブ、○塩、○こしょう、○砂糖、○ごま油、いりごま(白)
調理時間:10分
生の白菜とわかめを使い、シャキシャキとした食感を楽しめるレシピです。
噛みごたえがあるため、ダイエット中にもおすすめです。
白菜とわかめのさっぱりサラダ
白菜、カットわかめ、○しょうゆ、○レモン汁、○オリーブオイル、○砂糖、塩
調理時間:10分
わかめを炊き込みご飯に入れると、よい香りと風味を楽しめるご飯になります。
水に流れ出てしまいやすい水溶性栄養素も、炊き込みごはんならムダなく摂れます。
たけのことわかめの炊き込みご飯
たけのこ(水煮)、カットわかめ、米、○白だし(2倍濃縮)、○酒
調理時間:40分