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カレー、肉じゃが、フライドポテト……子どもから大人まで大好きなじゃがいも。
でも、カロリーが高く糖質が多いイメージがあり「栄養はあまりないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
太らない取り入れ方や注意点を知り、上手にじゃがいもを取り入れましょう。
今回の記事では「じゃがいもの栄養」について、管理栄養士が解説します。
じゃがいもは「栄養がない」というイメージは誤りです。
食物繊維、カリウム、ビタミンCなどさまざまな栄養素を豊富に含みます。
具体的にどのくらい優れているのか、ほかの芋類と100gあたり(皮なし)の栄養成分値を比較してみましょう。
じゃがいもの食物繊維は8.9gとずば抜けて優秀であり、長芋の8.9倍、さつまいもの約4倍の量です。
カリウムは芋類の中では少ないようにみえますが、トマトの約2倍、ピーマンの約2.2倍の含有量と、ほかの野菜より多くなっています。
またビタミンCも里芋や長芋の約4.7倍であり、トップクラスの含有量であることがわかります。
さらに、じゃがいものビタミンCは、でんぷんに守られているため熱に強いのが特徴です。
じゃがいものカロリーは高いイメージがありますが、100gあたり59kcalと、意外にも芋類と比較すると高いほうではありません。
たしかに野菜に比べると高い傾向があり、たくさん食べれば太る可能性がありますが、適量を心がければ心配は少なくなります。
のちほど太らない取り入れ方のポイントも紹介しますので、カロリーが気になる方はぜひ参考にしてください。
じゃがいもはさまざまな栄養素を含むことがわかりましたが、具体的にどのような効能が期待されるのでしょうか?
ビタミンCは抗酸化作用があり、肌の健康や免疫機能の維持に役立ちます。
抗酸化作用とは、老化や免疫機能低下の原因を作る「活性酸素」の働きを抑えたり取り除いたりする作用を指します。
紫外線が気になる春から秋、また風邪などの感染症が流行しやすい冬の時期など、1年中意識してとりたい栄養素です。
便秘が気になる方が積極的に取り入れたいのが食物繊維です。
食物繊維は便の材料となり、腸を刺激してぜん動運動を活発にしてくれます。さらに善玉菌が増えるのを助けてくれるなど、整腸作用に役立つ栄養成分です。
野菜不足の方は食物繊維が不足しやすいため、芋類や野菜を意識して取り入れましょう。
カリウムはむくみや高血圧の対策に欠かせない栄養素です。
カリウムは余分なナトリウムを排出する作用があり、塩分のとりすぎが原因となるむくみや高血圧に対し、有効な働きをします。
不快なむくみの解消や、高血圧の予防に積極的に摂りましょう。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
じゃがいもは、カロリーの摂りすぎに注意する必要があります。
太らないために、取り入れ方のコツを知っておきましょう。
じゃがいもを取り入れる場合は、1日100g(1個)くらいを目安にするとよいでしょう。
これは、バランスのよい食事の例をしめす食事バランスガイドの副菜1皿分(1皿=約70g)、または食品交換表の1単位(1単位=110g)の数字を参考にしています。
もし、さつまいもや里芋、長芋などの芋類を食べるときは、じゃがいもの量を減らすようにして調整しましょう。
調理法は煮る・蒸すがおすすめです。
じゃがいもの煮物やふかし芋など、シンプルな調理のほうがカロリーを抑えやすくなります。
フライドポテトやポテトサラダ、コロッケなどは油を多く使うのでカロリーが高くなりがちです。
ダイエット中はできるだけ避けましょう。
とはいっても、フライドポテトやポテトサラダを食べたい方も多いのではないでしょうか。
カロリーカットしたいときは以下を実践してみましょう。
・フライドポテト、コロッケ:油で揚げずにオーブンで焼く
・ポテトサラダ:マヨネーズの半量をヨーグルトに置き換える
大さじ1杯分の油を減らすと、約100kcalカットが可能です。
ダイエットは小さな積み重ねが大切ですので、このような油を減らす工夫をしてみましょう。
※参照:農林水産省 厚生労働省「食事バランスガイド」,日本糖尿病学会「糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版」,文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
じゃがいもを取り入れる際、ほかに気を付けるべきことはあるのでしょうか?いくつか注意点をお伝えします。
じゃがいもをたくさん食べたからといって、野菜の代わりにはなりにくいため注意しましょう。
「野菜は1日350gを目標」とされていますが、じゃがいもは芋類であるためこの中に含まれていません。
じゃがいもは農産物では「野菜」の分類ですが、日本食品標準成分表では「いも及びでん粉類」に分類されます。
芋類は炭水化物が多いため、主食に近いものとして分類されているのです。
じゃがいもは健康づくりに役立つ食べ物ではありますが、ほかのトマトやほうれん草などの野菜もバランスよく取り入れましょう。
じゃがいもの皮には食物繊維が含まれ、より食物繊維を摂りたい場合は皮ごと食べるのがおすすめです。
しかし、じゃがいもの皮が緑色に変色していたり、芽が出ていたりする部分には、天然毒素であるソラニンやチャコニンが多く含まれています。
皮ごと食べる場合は皮に緑色の部分がないか、また芽が出ていないかを確認してください。
もしそのような部分があった場合は皮ごと食べるのは避け、十分に取り除いてから食べるようにしましょう。
※参照:農林水産省「ジャガイモによる食中毒を予防するために」
今回の記事では、「じゃがいもの栄養」について管理栄養士が解説しました。
じゃがいもの栄養はほかの芋類や野菜に比べ豊富に含まれているものもあり、毎日の栄養補給に役立つ食べ物です。
たくさん食べてしまうとカロリーオーバーになってしまうため、ヘルシーな調理法で1日1個までを目安に取り入れましょう。
最後に、じゃがいもを使った栄養補給に役立つレシピをご紹介します。
豚肉には、糖質の代謝を助けるビタミンB1が含まれます。糖質を含むじゃがいもとの組み合わせはばっちりです。
豚こま団子とじゃがいものトマト煮
豚こま切れ肉、じゃがいも、○トマト水煮缶、○洋風スープの素、○白ワイン(または酒)、○にんにくチューブ、●酒、●塩、●薄力粉、塩・こしょう、ドライパセリ(あれば)
調理時間:25分
脂質が少なめである鶏ささみをあわせれば、ボリュームもあるヘルシーなおかずになります。焼くときの油の量を控えると、さらにカロリーカットできます。
ささみとじゃがいもの青のりピカタ
ささみ、じゃがいも、○塩・こしょう、○酒、薄力粉、●卵、●パルメザンチーズ、●青のり、●塩・こしょう、オリーブオイル
調理時間:20分
じゃがいもにあまり含まれないβ-カロテンを、にんじんが補ってくれます。作り置きにもおすすめのレシピです。
じゃがいもきんぴら
じゃがいも、にんじん、○しょうゆ、○酒、○みりん、○砂糖、白いりごま、ごま油
調理時間:20分