- 週間ランキング
みずみずしくて甘いスイカは夏の風物詩のひとつ。スイカは水分がたっぷりなイメージはありますが、水分以外にはどのような栄養素が含まれるのでしょうか?今回はスイカに含まれる栄養素や期待される効能、また種や皮の栄養についても管理栄養士が解説します。
スイカは約9割が水分と、水分が豊富で夏の水分補給に役立ちます。水分だけのイメージがあるかもしれませんが、水分以外にも夏に摂りたいビタミンCやβ-カロテンなどの栄養素も含まれます。
ただし水分が豊富な分、ほかの果物に比べると栄養価が劣るものもあります。スイカだけでなくさまざまな食べ物を組み合わせる方が、栄養バランスの偏りが少なく済むでしょう。
次からは、スイカの栄養や他の果物との比較について詳しく解説します。
※参照:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※スイカは農林水産省では野菜と分類されますが、日本食品標準成分表では果物として分類されるため、ここでは果物としてご紹介します。
スイカに含まれる栄養素にはどのような効能が期待されるのでしょうか。
カリウムは余分なナトリウムを排出する働きがあります。ナトリウムの摂りすぎによるむくみは、カリウムを摂ることで解消に繋がります。
むくみがちの方は意識してカリウムを取り入れましょう。
β-カロテンは抗酸化作用があり、細胞の老化の原因となる活性酸素の働きを抑え、取り除く働きがあります。
活性酸素は紫外線などのストレスによっても増えることが知られているため、夏は抗酸化作用のあるβ-カロテンやビタミンCなどの栄養素が含まれる食べ物を積極的にとりましょう。
ビタミンCはコラーゲン生成に欠かせない栄養素です。また抗酸化作用により細胞を老化から守る働きや、日焼けにより生成されるメラニン色素の生成を抑える働きも期待されています。
紫外線の強い時期は、ビタミンCが不足しないよう取り入れたいものです。
※参照:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
スイカはさまざまな栄養素が含まれるとは言え、水分が多い分、ほかの果物に比べると劣る部分もあります。
実際にどの程度含有量に差があるのか比較してみましょう。
これらの果物と比べると、確かに劣る部分もありますが、意外にもさまざまな栄養素が補給できることがわかります。とくにβ-カロテンはみかんの次に多く、いちごやりんごの46~55倍もの量です。
カロリーが比較的少なめであるため、カロリーが気になるときにも取り入れやすいでしょう。
スイカの種や皮は食べられるのか、また栄養はあるのか気になりますよね。それぞれの栄養や食べ方をご紹介します。
スイカの種は生のままでは食べられませんが、煎ることで食べられるようになります。中国ではローストしたスイカの種を噛み、中の白い部分だけを食べるのが一般的だそうです。
スイカの種に含まれる栄養素は日本食品標準成分表に掲載されており、カリウム、鉄、亜鉛、ビタミンB6、葉酸などが含まれています。
スイカがたくさん手に入ったときは、種をフライパンで煎って塩を振って食べてみるのも良いでしょう。
スイカの皮の栄養素については、日本食品標準成分表2020年版には掲載されていません。
ですが食物繊維やカリウムなどが含まれていることは推測でき、栄養素の補給に役立つでしょう。
スイカの皮は、漬物や浅漬けにして食べることができます。濃い緑の硬い部分をピーラーなどで除き、塩やしょうゆなどに漬け込むだけでOKです。シャキシャキとした食感を楽しめますので、ぜひ試してみてくださいね。
スイカは妊娠中の栄養補給にも役立ちますので、妊婦でもスイカを食べてOKです。
妊娠中はビタミンAの過剰摂取に気をつける必要がありますが、スイカは心配ありません。
スイカなどの野菜や果物に含まれるビタミンA(β-カロテン)は過剰摂取しても赤ちゃんへの影響は心配ないとされているため、安心して食べられます。
妊娠初期はつわり中の栄養補給に、妊娠中期から後期は体重増加が気になるときの間食にもぴったりです。またスイカに含まれるカリウムは、妊娠後期に気になりやすいむくみ対策にも役立ちます。
ただし食べ過ぎはカロリーの摂りすぎに繋がりますので、1日200g程度(妊娠中期以降は300g程度)を目安にしましょう。
※参照:厚生労働省「妊産婦のための食事バランスガイド」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
スイカは水分がたっぷり摂れるのはもちろん、夏に摂りたいさまざまな栄養素が補給できる果物です。みずみずしくてジューシーな甘いスイカを、ぜひ夏はたくさん取り入れてくださいね。