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甘酸っぱくてジューシーな味わいが人気の高いみかん。甘さがあることから「ダイエット中には食べない方がよいのでは?」と思う方も多いのではないでしょうか。結論からいうと、ダイエット中だからといってみかんをむやみに避ける必要はありません。しかし、ちょっとした工夫をしながら食事に取り入れることがポイントです。そこで今回はダイエット中におけるみかんの食べ方のコツを、管理栄養士が解説します。
みかんは甘みがあるため、カロリー(エネルギー量)や糖質の量が多いイメージがあるようです。実際にみかんにはどのくらいの量のカロリーと糖質が含まれているのか、ほかの果物と比較しながら解説します。
みかんは1個(100g)の食べられる部分の重さは、およそ80g(廃棄率20%、廃棄部位:果皮)であり、可食部80gあたりのカロリー(エネルギー量)は約39kcalです。食べる機会の多いほかの果物と比較してみると、それぞれ一食分あたりのカロリーは以下のようになります。
一度に食べる量には個人差があるので、参考程度にはなってしまいますが、こうして比べてみると「みかんは甘いからカロリーが高い」ということは決してありません。
一般的に、果物にはブドウ糖や果糖などといった糖質が多く含まれています。そのため、果物を食べすぎると糖質の摂りすぎにつながり、中性脂肪が上昇したり、太ってしまったりするおそれがあります。
では、みかんにはどのくらいの糖質の量が含まれているのでしょうか。100gあたりの糖質の量について、ほかの果物と比較してみましょう。
果物の中では比較的糖質の量は少ないことがわかります。そのため「みかんには糖質が多く含まれる」というわけではなさそうです。体重が気になる、糖質の量が気になるという方であっても、わざわざ避ける必要はありません。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
カロリーや糖質が高くないとはいえ、みかんの食べすぎはおすすめできません。食べる量が増えれば増えるほど、カロリーや糖質の摂りすぎから、体脂肪の蓄積につながることが考えられるからです。
ほかにも、肌が黄色くなる「柑皮症」の症状や、腹痛・下痢の症状があらわれるおそれも。みかんの食べすぎによる身体への影響については、以下の記事で具体的に紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
みかんを食べ過ぎるとどうなるの?身体への影響と1日の目安量を管理栄養士が解説
旬の季節になると、ついついたくさん買ってしまうみかん。「親戚やご近所の方から箱ごともらう」ということもあるかもしれません。腐る前に食べきってしまいたいみかんですが、食べ過ぎると身体によくないのでしょうか?そこで今回は、みかんの食べ過ぎによって起こりやすくなる身体への影響と、1日の目安量を解説します。
ダイエット中にみかんを食べるときには、食べる量や食べ方に気を付けると安心です。ダイエット中の食事にみかんを取り入れるコツをいくつか紹介します。
厚生労働省と農林水産省が策定した「食事バランスガイド」では、1日の果物摂取量の目安を約200gとしています。これをみかんに当てはめると、大きさにもよりますが「およそ2個」となります。
パパッと皮をむくだけで手軽に食べられるため、ついつい3個・4個……と手が伸びてしまいがちですが、ダイエット中には量をしっかりと意識しながら食べるようにしましょう。
また、ほかの果物も一緒に食べるときには、あわせて200g程度となるように量を調整することもポイントです。
缶詰のみかんはツルッとした食感で甘みも強く、とても食べやすいですよね。しかし缶詰の場合、シロップで漬けてある分カロリーも高くなってしまいます。
たとえば、缶詰のみかん100gあたりのカロリーは、果肉のみで63kcal。シロップもあわせて食べると、シロップ大さじ1(15g)あたり9kcalのカロリーアップとなります。
そこで、缶詰のみかん:果肉(100g)+シロップ(大さじ1)と、生のみかん100gあたりのカロリーを比較してみましょう。
・みかん 生(100g)…49kcal
・みかん 缶詰(果肉100g+シロップ大さじ1)…72kcal
缶詰のみかんを食べた場合、生のみかんよりも23kcalほど多いカロリーを摂ることになります。「ダイエット中だからできるだけカロリーを抑えたい」という場合には、生のみかんを選ぶのがおすすめです。
もしも缶詰のみかんを食べるときには、とくにシロップの量が多くなりすぎないよう、また食べる頻度が高くなりすぎないように気を付けましょう。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
みかんの薄皮や白い筋には、「ペクチン」と呼ばれる食物繊維が多く含まれます。ペクチンは水に溶けやすい食物繊維で、血糖値の上昇をゆるやかにする効果が期待できます。
血糖値が急激に上がるとインスリンというホルモンが過剰に分泌され、身体に脂肪をため込みやすくしてしまいます。そのためダイエット中には、食後血糖値の急上昇を抑えてくれる食物繊維などをしっかりと摂ることがおすすめなのです。
またペクチンには腸内環境を整える効果ものぞまれるため、ダイエット中に気になりやすい便秘の予防・改善が期待できます。
食感が苦手でなければ、みかんは薄皮や筋ごと食べるようにしてみましょう。
みかんは甘みのある果物ですが、カロリーや糖質が特別に高いわけではありません。また、薄皮や白い筋も丸ごと食べれば、便通改善に役立つ食物繊維を摂ることもできます。食べすぎには注意が必要ですが、今回紹介したコツを参考にしながら、ぜひダイエット中にもみかんを楽しんでくださいね。