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栄養豊富なイメージのあるアボカド。食べたあとに腹痛や胃痛など、気になる症状が出たことはありませんか?これはアレルギーなのかどうか、気になってしまいますよね。今回は、アボカドを食べたあとの気になる症状が起きた際に考えられる理由や対処法について、管理栄養士が解説します。
アボカドを食べたあとに起こる腹痛や胃痛などの気になる症状は「食物アレルギー」による可能性もありますが、ほかにも「食べ過ぎ」なども考えられます。
気になる症状の原因をはっきりさせるには、医療機関の受診が必要です。症状が続く場合や、強い症状がみられる場合は自己判断せずに医師の診察を受け、対処法について指示を仰ぐようにしましょう。
診療科は症状に応じて、内科、消化器科、アレルギー科、皮膚科などが考えられますが、近くの医療機関で診察してもらえるかどうか、事前に確認しておくとスムーズです。
アボカドは食物アレルギーを起こす可能性がある食べ物のひとつです。食物アレルギーの症状の多くはかゆみやじんましんなどの皮膚症状ですが、腹痛や下痢といった消化器症状を引き起こすこともあります。これらの症状は食後2時間以内にあらわれることが多いとされています。
アボカドアレルギーが疑われる場合、医療機関では問診とあわせて、血液検査、皮膚プリックテスト(皮膚を介したアレルギーテスト)、食物経口負荷試験(アレルギーが疑われる食品を摂取するなどして症状の有無を確認するテスト)などが必要に応じて行われます。
受診する際は、どのような症状があるのか、また食べたもの、時間などのメモを持参すると役立つでしょう。
ラテックス(天然ゴム)にアレルギーを持つ方が、アボカド、栗、バナナ、キウイフルーツなどを食べることで、口の中の違和感やじんましん、また場合によりアナフィラキシーショック(血圧低下や意識障害を伴う症状)という強い反応を生じることがあります。これは「ラテックスーフルーツ症候群」と呼ばれています。
ラテックスはゴム手袋によく使われる素材で、ラテックスアレルギーの症状の多くはじんましんやかゆみなどです。このラテックスアレルギーの方の30~50%が「ラテックスーフルーツ症候群」を発症するといわれています。
消費者庁、厚生労働省、経済産業省による「ラテックスアレルギーに関する注意喚起(平成29年)」では、ラテックスアレルギーと診断された方は、強い症状を引き起こす恐れがあるアボカド、栗、バナナ、キウイフルーツの摂取を控えることが勧められています。
ゴム手袋をしてかゆくなったことがある方など、疑わしい症状がある場合はアレルギー専門医などの医療機関を受診しておくと安心でしょう。
※参照:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル,消費者庁 厚生労働省 経済産業省「ラテックスアレルギーに関する注意喚起(平成29年)」
果物や野菜に含まれるセロトニンやヒスタミンといった仮性アレルゲン(薬理活性物質)という物質が原因で、じんましんなどのアレルギーに似た症状を引き起こすことがあります。
アボカドにはセロトニンが含まれるため、アレルギーでなくてもじんましんなどの症状が出る可能性があります。
アボカドを食べてじんましんやかゆみがある場合、仮性アレルゲンによるものなのか、または食物アレルギーによるものなのかどうかは自己判断せず、気になる症状が続くときは必ず医療機関を受診しましょう。
※参照:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル「「仮性アレルゲン」とはなんですか。」
アボカドは野菜や果物の中でも食物繊維や脂質が豊富なため、食べ過ぎると腹痛や下痢、胃痛や胃もたれなどの原因になることがあります。
アボカド1個(可食部140g)には脂質は24.5g、食物繊維は7.8g含まれます。これを分かりやすく例えると、油大さじ2杯ほど、レタス2.5玉分ほどにあたる量です。
毎日のように続けてたくさん食べるのは控え、1回あたり1/2個ほどにしておくと安心でしょう。それでも気になる症状が続く場合は別の原因が考えられることもあるため、一度医療機関を受診してください。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
気になる症状の原因がアレルギーの場合、対処の基本は「原因食物の除去」となるため、食べるのは控えておくことが勧められます。
しかしアレルギー症状の程度によっては量に気をつければ食べてよいと判断される場合もあります。自己判断は避け、医師の指示を仰いでください。
※参照:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル「食物アレルギー」
アボカドアレルギーはあまり耳慣れないかもしれませんが、アレルギーを起こす可能性のある食べ物のひとつです。症状がある際は自己判断は避け、医療機関を受診するなど適切に対処するようにしましょう。