朝食やおやつなど、赤ちゃんから大人までさまざまな年代で親しまれているバナナ。バナナを食べたときに、じんましんやかゆみなどの気になる症状が出てしまうと、アレルギーなのかどうか気になってしまいますよね。この記事では、バナナを食べたときの気になる症状や対処法について、管理栄養士が解説します。

バナナを食べたときの気になる症状はアレルギー?

バナナを食べたときに起こる、じんましんやかゆみなどの気になる症状は「食物アレルギー」と「仮性アレルゲン」によるものが考えられます。仮性アレルゲンによる症状は、アレルギーと似ていますが全く別の反応です。こちらは後ほど詳しく解説します。

バナナアレルギーなのかどうか、またほかの原因が考えられるかどうかについては、医療機関の受診が必要です。自己判断はせず医師の診察を受け、対処法についても指示を仰ぎましょう。

バナナアレルギーの症状や対処法について

食物アレルギーの一種であるバナナアレルギーは、バナナが持つアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に、身体の免疫機能が過剰に反応してしまうことで症状が引き起こされます。

バナナアレルギーの症状や対処法にはどのようなものがあるのでしょうか?

バナナアレルギーの症状の一例

食物アレルギーの症状として、かゆみやじんましん、赤くなるなどの皮膚症状や、目のかゆみ、吐き気、腹痛などがあり、人によってさまざまな反応が現れます。

またバナナなどの果物には「口腔アレルギー症候群」といわれるものもあり、この場合は主に口や喉にかゆみや違和感をもたらします。

これらの症状は、食べてから2時間以内に出現することが多いといわれています。

注意したいのは、アナフィラキシー(じんましん、嘔吐や下痢、息苦しさなどの複数の症状が出る状態)という重い症状です。この場合は早急な対応が必要とされるため、体調に異変を感じたときはすぐに受診してください。

アレルギー検査にはどのようなものがある?

アレルギーかどうかの判断は、問診とあわせて、血液検査、皮膚プリックテスト(皮膚を介したアレルギーテスト)、食物経口負荷試験(アレルギーが疑われる食品を摂取するなどして症状の有無を確認するテスト)などが、必要に応じて行われます。

診療科はアレルギー科、内科、耳鼻咽喉科などがあります。近くの医療機関で検査してもらえるかどうかは、事前に確認しておくとスムーズです。

赤ちゃんや子どもに症状が出たら?

赤ちゃんや子どもの場合、初めて症状が出たときは早めに医療機関を受診しましょう。受診する際は、食べたものや時間、症状のメモや写真などを持参すると役立ちます。

赤ちゃんや子どもは自分の症状をうまく言葉にできないため、ぐったりしている、息苦しそうにしている、顔色が悪い、嘔吐などの異変がみられたときは、緊急性が高いと考えられるため早急に医療機関を受診してください。

※参照:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル「アレルギーについて」独立行政法人 環境再生保全機構「ぜん息予防のためのよくわかる食物アレルギー対応ガイドブック」

アレルギーだった場合のバナナとの付き合い方

アレルギーだった場合、バナナとどう付き合っていけばよいのでしょうか?基本は医師の指示に従いますが、付き合い方の一例を紹介します。

バナナは食べない方がいい?

食物アレルギーの対処の基本は「原因となる食物の除去」です。バナナを食べて症状が出てしまうのであれば、バナナを食べないことが勧められます。

ただし症状の程度によっては、少量であれば食べてよいと判断される場合もあります。どちらにせよ、自己判断は避け、医師の指示を仰いでください。

バナナを加熱すれば大丈夫?

口や喉のかゆみや違和感を起こす口腔アレルギー症候群の場合は、加熱すれば食べられることもあります。ですが果物アレルギーの場合は、加熱しても強い症状を引き起こすことがあるため「加熱すれば大丈夫」とはいえません。

加熱すれば食べてよいかどうかについても、医師の判断が必要です。自己判断しないようにしましょう。

加工食品にバナナが入っているかどうかはアレルギー表示があるの?

加工食品にはアレルギーに関連する特定原材料の表示が義務付けられています。卵や乳などに関しては「義務表示」ですが、バナナは「推奨表示」となるため、表示されているとは限りません。

バナナアレルギーの方は、バナナが入っている可能性がある加工食品については慎重に確認しましょう。

※参照:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル「食物アレルギー」消費者庁 食物アレルギー表示に関する情報

アレルギーではない「仮性アレルゲン」とは

食べ物に含まれるヒスタミンやセロトニンなどの仮性アレルゲン(薬理活性物質)が原因で、アレルギーに似た症状が出ることがあります。

バナナにはセロトニンが含まれ、かゆみやじんましんを引き起こすことがありますが、これはアレルギーではありません。

繰り返しになりますが、仮性アレルゲンによるものか、または食物アレルギーなのかどうかは自己判断せず、気になる症状が続く場合は医療機関を受診しましょう。

※参照:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル「「仮性アレルゲン」とはなんですか。」独立行政法人 環境再生保全機構「ぜん息予防のためのよくわかる食物アレルギー対応ガイドブック」

バナナアレルギーは慎重に対処しよう

バナナアレルギーの症状や程度は人によってさまざまです。バナナを食べたあとに気になる症状が続く場合は、一度医療機関を受診しましょう。

情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 バナナアレルギーとは?気になる症状や対処法まで管理栄養士が解説