玉ねぎを使おうとしたら、中身に黒いカビらしきものを見つけたことはありませんか?取り除けば食べられるのか、ちょっと不安になってしまいますよね。そもそもカビが生えるのはなぜでしょう?予防法と、もしカビが生えたときの対処法を管理栄養士が解説します!


玉ねぎについてる黒いススのような汚れ、もしかしてカビ?


玉ねぎを料理しようとした時に、黒いススのような汚れがついていた…なんて経験ありませんか?実はこの正体、「黒カビ」が原因なのです。
基本的に外側の茶色い薄皮やそのすぐ下に発生し、白い食用部分にまで黒カビが侵食していることは非常に稀です。

この「黒カビ」、食べてしまっても問題ないのでしょうか。

黒カビは先述のとおり外側の皮の部分に発生していることが多いため、皮の部分を剥いてカビの部分を水洗いで落とせるようであれば、基本的には安全面に問題はないといわれています。ただし、皮の内側の白い食用部分にまで黒いカビが侵食している場合には、食べずに処分することをおすすめします。


玉ねぎに生えるカビの種類


食卓に並ぶことも多く、調理や保存する機会が多い玉ねぎですが、「黒カビ」以外に発生する可能性のあるカビは存在するのでしょうか。それぞれのカビの種類と原因について紹介します。


白カビ


玉ねぎの根の部分に白く綿のようなものがついている場合は、「フザリウムオキシスポルム f. sp.セペ」というカビの種類が原因で、「白カビ」が発生している可能性が高いです。
「タマネギ乾腐病」と呼ばれており、根から腐敗が全体に進み、食用部まで侵食します。


緑・青カビ


柑橘系の果物などでよく目にする青(緑)色のカビが玉ねぎにも発生することもあります。この場合、ペニシリウム属である「青カビ」の種類が原因である可能性が高いです。普段の生活の中で目にする機会も多いカビの一種です。

これらのカビの発生するための条件は、一般的に次の通りです。
①温度……25℃前後で活発
②水分……必要量はカビの種類によって異なる
③酸素……酸素がない状態では発育しない
④養分……適度な養分はカビのエネルギー源
ただし、玉ねぎを育てている土の中にも普通に存在するカビ菌なので、前もって予防することや、薬剤で防ぐことは難しいといわれています。



カビが生えた玉ねぎは、取り除けば食べられるの?


このカビが生えてしまった玉ねぎは、取り除けば食べることが出来るのでしょうか。
基本的には冒頭紹介した「黒カビ」と同様に、外側の皮や根元部分のカビを取り除く、または水洗いで落とすことが出来れば食べても問題はないといわれています。ただし、赤ちゃんや高齢の方は免疫の抵抗力が弱いため避けたほうが無難でしょう。
一方、白カビが原因で起きる「タマネギ乾腐病」に感染している玉ねぎは、根から腐敗が全体に進み、食用部まで侵食してしまいます。このように中身まで腐敗が進んでいる場合は、どんな種類のカビが発生している場合も、共通して食べずに処分するのがよいでしょう。


保管方法に注意


また、一度に大量に玉ねぎを購入した際、購入品の中にカビが生えた状態の玉ねぎがあると注意が必要です。周りの玉ねぎを押し潰して水分をだしてしまう上に、大量の玉ねぎが保管されていて通気性も悪いので、カビの発生しやすい環境になってしまいます。カビが生えた玉ねぎを発見した場合には、すぐに別の場所に移動させ早めに調理するようにしましょう。


カビが生えないように予防するには


玉ねぎは比較的に長期保存が出来る野菜ですが、保存方法によってはカビを繁殖させてしまう原因となります。玉ねぎのカビを繁殖させる原因のひとつが湿気です。この湿気を防ぐための方法をご紹介します。



風通しのいいところで保存


湿気を防ぐために、風通しが良く乾燥している常温の環境で保存するのが望ましいです。
ネットなどに入れて吊るすことが出来る環境であれば、吊るして保存するのもおすすめです。玉ねぎ同士が、なるべく当たらないように気を付けて保存してください。



新聞紙に包んで保存


新聞紙の湿気を吸い取る性質を利用し、玉ねぎを一つずつ新聞紙に包んで保存する方法もおすすめです。新聞紙に包んで箱やケースに入れる際は、隙間をあけて積み上げないように気を付けましょう。


カビが生えていても慌てないで。正しい保存方法を


いかがでしたでしょうか。玉ねぎにカビが生えていても、取り除ける程度であれば調理することは可能ですが、安心して美味しく食べるためにも保存方法を工夫することが重要です。
是非試してみてください。


情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 玉ねぎに生えたカビは取り除けば食べてOK?カビの対処と予防法を解説!