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湿度たっぷりでカビやぬめりが発生しやすいお風呂場。毎日使うものだからこそ、いつも清潔にしていたいところですが、見えるところばかりキレイにしていると気づかぬところにカビがびっしり生えてしまうことも。
今回は、各種メディアでも活躍中の家事代行サービス「CaSy」の大人気キャスト、“汚れ落としのマツジュン”こと松浦純子が、お風呂掃除の基本から徹底解説します。
まずはお風呂場で発生しやすい汚れの種類について解説します。
カビは湿度、温度、カビの餌となる汚れの条件が揃うと発生します。黒カビが生えてしまうと、カビの撃退に加えて黒い着色汚れ対策も合わせて講じなければならず、生える前に対策するのがいちばんです。
水道水に含まれるカルキと呼ばれる石灰成分が鏡などに水滴として付着し、水分が蒸発することで水滴の周りの部分にカルキ残りが現れている状態のことです。このカルキ残りが、よく鏡などに白く残る「ウロコ汚れ」となっていきます。水滴のリングは一度ついたくらいならすぐにおとせますが、何度も濡れて乾いてを繰り返すうち、白いカルキ部分は鍾乳石のように硬くこびりつき、洗剤でも落としづらくなります。
「ピンクカビ」とも呼ばれていますが、その正体はカビではなく、実は「ロドトルラ」という酵母菌。水気のある場所に発生しやすく、床と壁の際や排水溝に多く見られます。こちらは黒カビより柔らかいので比較的落としやすいですが、カビよりも繁殖力が強く、どんなに気をつけていてもあっという間に増えてしまいがち。
湯船の中でも水面に近い場所によく付着します。文字通り、人の体から出る皮脂が汚れの元です。
石鹸の成分に皮脂や水道水中の成分などが混ざり合ったもの。洗面器やお風呂イスなどに白く付着しがちです。お風呂場の隅などにに石鹸の泡と一緒に留まり、カビのエサになります。
浴槽の外側の床に近い部分は、溝などに汚れが溜まりやすいわりに上からだと見えづらく、気づいたときには黒カビが生えてしまうことも。浴槽の中の排水溝にも埃や髪の毛が溜まって排水が遅くなってしまうことがあります。
またシャワーの水栓などにある金具の境目や、シャンプーボトルの底、ポンプ部分、浴槽と壁の境目など、溝や継ぎ目のある場所は水はけが悪く、カビが生えやすいので要注意です。
これらのカビや汚れをとるのに必要な洗剤や道具をご紹介します。
基本的には市販のお風呂用洗剤ひとつで十分。主なお風呂の汚れとなる水垢や皮脂は、市販のお風呂用洗剤でしっかり落とせます。私が愛用しているのは、ライオンの「ルックプラス バスタブクレンジング」。お風呂で発生する汚れはほとんどこれ一つで落とすことが可能です!本当に優秀なので、家事代行で伺うお客様にもオススメしているほど。
また、黒カビの着色汚れがなかなか落ちないとき用に、カビ取り剤もあるといいでしょう。カビ取り剤を使うときは換気を忘れずに。
道具は平らな面をこすり洗いするためのスポンジと、凸凹や溝がある床などを磨く用にブラシかたわしを用意してください。
また、お掃除後に水気を取るためのタオルか水切りもご準備を。水気をしっかり取ることがカビの防止につながります。
さらにカビ取り剤を使用するときにはゴム手袋が必要です。
カビ取り剤を使用するときには手袋と換気を忘れずに。
酸素系と塩素系の洗剤が混ざると、塩素系の有毒ガスが発生して危険です。
こうした危険を防ぐためにも、洗剤をたくさん使って一度に汚れを落とそうとするのではなく、小まめなお掃除を習慣づけることが大切です。
汚れは時間が経つと冷えて固まり、落としづらくなるため、やはりこまめなお掃除がキレイのいちばんのポイント。
毎日の汚れは、時間が経っていなければスポンジと市販のお風呂用洗剤で軽くこするだけで落とすことができます。汚れがひどいときは、洗剤をすぐに洗い流さずに数分から30分程度放っておくと、よく浸透して汚れが落ちやすくなりますよ。
またいくら体を洗うお風呂場であっても、水気には要注意。雑菌やカビの元になるので、お掃除終了後も濡れっぱなしにするのではなく、換気扇を回しよく水気を切っておくことが大切です。
それではお風呂掃除の具体的なやり方について解説していきます。
掃除をする順番は過度に気にしなくても大丈夫。気になった箇所から取り掛かっていきましょう。
いずれも基本的な掃除方法は同じです。
1)お風呂用洗剤を掃除したい面にかける。浴槽の外側や縁も忘れずに
2)汚れがひどい箇所は、こする前に1〜2分間放っておく
3)スポンジでこすり洗いをする。髪の毛やほこりはつまりの原因になるので流さずに取り除く
4)シャワーで流す
5)水気をタオルなどで取る
【適切な掃除頻度】
内側:毎日/外側:週1回程度
浴槽の内側は皮脂汚れがつきやすく、お湯のラインに沿って汚れの跡がついてしまうこともあるので、できれば毎日お掃除しましょう。外側はピンクの赤カビに注意。汚れが定着する前に、気づいたら落としましょう。
なかなか落ちないときは写真のように、洗剤を散布した後キッチンペーパーやラップなどで湿布をし、数分から30分程度放っておいてみてください。その後スポンジなどでこすると少し汚れが落ちやすくなります。
なお、エプロン部分は、新しいタイプは取り外しできないものが多くなってきています。取り外しできるタイプも、ご自宅でお掃除をしようとすると本当に大変なので、ハウスクリーニングに年に1度程度依頼されることをおすすめします。
【適切な掃除頻度】
・週1回程度
鏡や蛇口など光るべき箇所をきちんと光らせることで、よりキレイに見せることができます。
家事代行のお客様からも「どうしたら落ちるの?」と相談されることが多いのが鏡のウロコ。お悩みの方は非常に多いと思います。このしつこいウロコ汚れ、実は硬くこびりついてしまうと、どんな市販の洗剤を使っても落としづらくなってしまうのです。専用の道具や強めの洗剤を使って落とすハウスクリーニング業者に依頼する方法がありますが、お金もかかります。汚れがまだ定着しきる前に、こまめに対応することが何より大切です。毎日のお風呂の後に、鏡や蛇口部分の水気を拭き取っておくだけで、ぐっとリスクを抑えることができますよ。
【適切な掃除頻度】
・低い部分:週1回程度
・高い部分:月1回程度
壁は、おへその高さまでは小まめに水気を拭くだけでもキレイを維持出来ます。高い部分は月に1回程度、汚れが飛び散った部分を中心にお掃除します。壁の高い部分や天井は、目立つ汚れがある時や季節の変わり目ごとにお掃除すれば問題ありません。いずれも、汚れの原因となる水気をお掃除の後にしっかりと切っておくことが最も大切です。
お掃除後は乾拭きや水切りワイパーなどで水気を取り、換気扇を回しておくと確実です。
【適切な掃除頻度】
・排水溝のゴミ:毎日
・床・排水溝の部品:週1回
床は、お湯で柔らかくなった足裏の皮脂が付着して汚れやすい場所です。洗剤とブラシでこすりましょう。特に注意したいのが、排水溝。髪の毛や埃は毎日取り除きましょう。排水溝の部品は、週に1度は外して洗い、除菌するとキレイが維持できます。
洗剤をつけブラシで磨いただけでも随分きれいになります。
【適切な掃除頻度】
・週1回
お風呂の椅子や洗面器には石鹸カスなどが水滴の形に白く残ることがあります。スポンジなどでなかなか落とせないときには、使わなくなったプラスチック製のカードを使うとおもしろいように落とせるのでぜひやってみてください。ただし、鏡や金属部分についてしまったウロコの場合は、カードでは落とせません。傷の原因になるのでやめましょう。
気づかないうちに汚れることが多いので、週に1度はこすり洗いを。
どんなに気をつけていても、いつの間にか生えてしまうのが黒カビ。見つけたらカビ取り剤で対処しましょう。カビ取り剤には漂白効果も含まれているので、カビの撃退に加え、黒い着色汚れも漂白してくれます。
前述の通り、換気と手袋着用は必ずしてくださいね。
お風呂掃除は「やるぞ!」と一度にきれいにするより、毎日の習慣づけがキレイへのいちばんの近道です。汚れの大敵は、何よりもお風呂場に残った「水気」。お風呂から上がるときに水気を切る習慣づけをしておくと、カビや水垢などの汚れをかなり防ぐことができます。
お風呂上がりに、体を拭いたタオルで壁や鏡などの水気をさっと拭き取るのがおすすめ。タオルはそのまま洗濯機へ。お風呂場に水切りワイパーを常備しておき、お風呂から上がる人は必ず鏡や床の水気を切るようにするのもいいでしょう。
またお風呂から上がってすぐのまだ温かいうちなら、洗剤をつけずともスポンジなどで軽くこするだけで皮脂や石鹸カスも落とすことができます。入浴後は毎回、50度以上の熱いお湯を全体に回しかけることを習慣化することでも、カビ防止になりますよ。
「一度に掃除しよう!」と思うと大変ですが、お風呂の後に水気を切る習慣をつけるだけでも汚れづらくなり、お掃除の手間を劇的に解消することができます。毎日の少しずつの“こそうじ”と定期的なお風呂掃除で、手軽にキレイを実現しましょう!