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新型コロナウイルスが世界的に注目され、その影響で国内ではマスクの買い占めが発生しています。それによって本当に必要な人に届かなくなることが危惧されています。今回は新型コロナウイルスの感染経路とマスクの必要性について解説します。
新型コロナウイルスへの不安から全国でマスクの買い占めが発生し、店舗では在庫がなくなるなど本当に必要な方へマスクが行き渡らないことが危惧されています。
マスクがなくなることに対して不安を覚えるかもしれませんが、厚生労働省と経済産業省が関係団体にマスク増産・安定供給を呼びかけており、現在毎週1億枚以上のマスクを供給できる体制が整っています(*1)。
多くの人が買い占めなければ、供給がストップしてマスクがなくなってしまうということは考えにくい状況です。実際に感染している疑いがある人や咳などの症状がある人以外は、必要以上に購入する必要はありません。
*1:消費者庁
厚生労働省によると、現時点で新型コロナウイルスの発生経路は「飛沫感染」と「接触感染」の2種類です。(*2)
飛沫感染は感染した患者のくしゃみや咳、唾による飛沫が原因で感染してしまうこと。現在多くの人が予防のためにマスクを装着していますが、マスクが最も効果を発揮するのは、自分が患者になった時です。
インフルエンザやコロナウイルスなど実際に感染している患者が一度くしゃみをすると数百万、咳でも数十万のウイルスが飛散するといわれていますが、マスクをすることで飛散するウイルスを大幅に減らすことができます。実際に感染している患者、またはその疑いがある人が咳をする時に、はじめてマスクの効果が最大限発揮されるのです。
*2:厚生労働省
マスクによる予防は効果がありそうな気がしますが、マスクと口の間から空気を吸うことにより感染する可能性は十分にあります。また、マスク着用による風邪の発生を減らすことはできないという論文(*3)も出ています。1%でも予防できる可能性があるならマスクをした方がいいというのは自然な考えではありますが、やはり感染者またはその疑いがある人にマスクが届かない方が明らかに感染拡大のリスクは大きいのです。
また、ウイルスの感染経路はくしゃみなどの飛沫だけでなく、接触によってもおきます。環境や衣類に付着したウイルスが無意識のうちに鼻や口に運ばれて感染することで感染する可能性が上がります。
人は1時間に23回も顔に触れる(*4)といわれています。マスクをして予防をしていたつもりでも、結局触れてしまえばあまり意味がありません。こまめに石鹸で手を洗い、アルコール消毒をすることではじめて予防につながります。
世界的なニュースにもなり不安になればどうしても「自分の家族分用に大量にストックしておかないと!」と思うのは自然な感情ですが、最も避けるべきはマスクをすべき人にマスクが行き渡らないことです。
冒頭にもあった通り、マスクが世界中から消滅するというようなことはなく、一週間で1億枚の供給体制が整っています。
焦らず、基本の手洗い・消毒を心がけて不要な接触を控えることで、予防しましょう。