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新幹線ホームでの見送りや迎えなどの際に、「入場券」を買ったことがある人も多いのでは? 他にも、「駅ナカのお店で買い物をしたい」「近くに公衆トイレがなく、改札口の中のトイレを使いたい」といった際にも入場券を買って改札内に入ることができます。
入場券は、きっぷ販売機、または駅の窓口で買えます。無人駅以外のほとんどの駅では、きっぷの販売機の片隅に「入場券」というボタンがあります。料金は最も安い乗車券と同じです。ただし、Suica、PASMOなどIC乗車券には入場券の機能はありません。IC乗車券で改札機を通り、同じ駅で改札機を出ようとすると閉じられてしまいます。その場合は窓口へ行き、IC乗車券の入場情報を消去してもらった上で、入場料金を支払います。
「入場券」は古くからある仕組みです。当初は、鉄道で旅立つ人をお見送りする人のためにありました。また、駅の構内を通路代わりにする人も使います。駅ナカを通り抜けたほうが、踏切や歩道橋へ遠回りするより近い、という場合ですね。そんな人のためにJRでは「定期入場券」も販売しています。
最近は、鉄道会社が駅ナカのお店を充実させているため、買い物のためだけに駅に入るという人もいるそうです。電車好きの子どもが、もっと近くで電車を見たい、という時にも入場券は活躍しますね。
入場券を利用する場合は「時間制限」に気をつけましょう。JR東日本は入場券の発売から2時間まで有効です。改札を通った時刻ではなく、買った時刻から2時間です。2時間を過ぎて改札機を出ようとすると、改札機が閉まります。2時間を過ぎた場合、2時間ごとに入場料が必要です。JRグループではほかに、JR北海道・JR東海・JR西日本の全駅で2時間制限。JR九州は小倉駅と博多駅が2時間制限です。
関西大手私鉄の近畿日本鉄道・南海電気鉄道・京阪電気鉄道・阪急電鉄も2時間制限です。その他の鉄道会社は「当日有効」としています。しかし、だいたい1時間を経過すると改札機が閉まり、窓口で事情を尋ねられるようです。買い物や喫茶程度で長時間も過ごすことはないと思われますが、2時間という制度があること、「制度か無い場合も1時間程度の目安」と気にかけておきましょう。
小田急電鉄は2016年3月から、駅ナカを利用するためだけに入場券を使った人には入場料金を返金しています。いったん入場券を買って改札を通り、駅ナカのお店で食事や買い物をする場合に入場券を提示します。入場券に利用証明のスタンプが押され、駅の有人窓口で入場券を返すと料金が返却されます。実はこれ、小田急グループの「箱根そば」のファンに人気の制度です。コインロッカーを使う場合も、キーや領収証を提示すると返金されるそうです。
福岡県の西日本鉄道には入場券の制度そのものがありません。しかし、駅構内に入るだけなら無料です。「お見送り等の方は係員にお申し付けください」という表示があり、申し出ると「入場証」を貸してくれます。駅ナカの用事が済んだら、入場証を返却します。
東京メトロも入場券制度がありません。もともとお見送りや買い物の需要がなく「駅ナカの売店やトイレは電車を利用する人のためにある」という考え方のようです。最近は表参道駅や永田町駅などで駅ナカショップが充実しているので、入場券制度があったら良いな、と思います。しかし、今のところは入場券制度がないので、駅ナカ施設を利用したい場合は、隣の駅まで往復してくるか、乗り降り自由のフリーきっぷ「東京メトロ24時間」を使いましょう。