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私達にとって身近な調味料「砂糖」。肥満の原因になるなど、近年はどちらかといえば悪者扱いされることが多い砂糖ですが、実は甘みをプラスする以外にも料理に嬉しい効果をもたらしてくれます。管理栄養士がそのおすすめポイントを解説します。
砂糖と言っても種類は様々。まずは代表的な砂糖について解説していきましょう。
原料であるサトウキビの絞り汁を煮詰めて作ったもので、ビタミンやミネラルを多く含む一方、苦味がありアクが強いのが難点です。
サトウキビの絞った汁から苦味やアクを取り除いた砂糖で、ミネラルを含んでいます。黒砂糖のような風味を感じるのが特徴。
てんさい糖はほかの砂糖とは原料が異なり、「さとう大根」から作られています。腸内環境を整えることで知られているオリゴ糖を含んでいます。
原料がサトウキビであることは黒砂糖やきび砂糖と同様ですが、精製して不純物を一切取り除いて作られた砂糖です。漂白することで白くなると思っている人もいるようですが、精製されたため白い色をしています。
茶色をしている他、価格も上白糖より高めであることから、なんとなく体に良さそうなイメージを持たれる三温糖。実は上白糖を作る際に出る液糖を煮詰めて作るものです。煮詰める間のカラメル化現象により色づくため、茶色に仕上がります(※カラメル色素を使用している三温糖もあります)。
栄養的には上白糖とほぼ変わりありませんが、カラメル化によって香ばしい香りがするため、料理に使うことで深みやコクを与えてくれます。
砂糖は肥満の原因など悪者扱いされることが多く、糖質ダイエットなどでは極端に糖質を制限している人もいるようですが、糖は全身の司令塔である脳のエネルギー源。極端に摂取を控えることは避けましょう。とはいえ、糖に限った話ではありませんが、摂りすぎには注意してくださいね。
さて、ここからは砂糖が本当の意味で買うべき食材である理由を見ていきましょう。
安売りになっていた牛肉。そのまま焼くとパサパサして硬くなってしまいそう。砂糖はそんなお悩みを解決してくれます。例えば焼肉なら、肉に醤油や酒、しょうがやにんにくで下味をつける際に砂糖をひとつまみ加えてください。砂糖にはたんぱく質と水分をくっつける保水性があるため、焼いても水分が逃げずにしっとりと仕上がります。加熱するとパサついてしまう肉の代表格・鶏むね肉にも有効です。ぜひお試しを。
煮物や照り焼きなど和食の甘辛味に欠かせない砂糖。普段上白糖を使っている人も多いと思いますが、黒砂糖の香りが残るきび砂糖や、カラメル化現象により芳ばしい三温糖の方が料理にコクや深みが増すのでおすすめです。
フルーツを砂糖で煮詰めるジャムや、砂糖を加えて作る佃煮。砂糖を使うことで菌の増殖をおさえることができ、保存性を高められるという効果があります。これにより、ジャムや佃煮は比較的長期で保存が可能になるというわけです。
甘みをプラスする以外にも嬉しい効果を発揮してくれる砂糖。上手に取り入れてみてくださいね。