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エビの天ぷらを家で作ると、身が丸まってしまい、衣もからりとしない……と、思うようにできないことが多いのではないでしょうか。今回は鮮魚店を営む「魚屋三代目」がエビ天の作り方をレクチャーします。 小さいエビを使っても立派な天ぷらを作れるワザも紹介します!
ちょっとしたコツをつかむと、簡単に理想のエビ天を作ることができます。今回は、衣が薄めで素材の味をしっかりと味わえるエビ天と、揚げ玉をまとわせた華やかなエビ天の2種類の揚げ方を紹介します。まずは作り方のポイントをチェックしておきましょう。
エビがくるっと丸まってしまわないように、エビの下処理時には筋をしっかりと断ち切り、身をまっすぐに伸ばしておくきましょう。
衣を混ぜすぎないことがサクサクなエビ天を作るポイント。混ぜる時には、薄力粉がダマになっていてもOK。混ぜすぎると粘り成分がでてしまい、揚げた時にサクサク感がなくなります。大きく切るように軽く混ぜるようにしましょう。また、衣に使う水とたまごをしっかり冷やすことでも粘り成分を抑えることが可能です。
衣を作ったらすぐに揚げはじめましょう。揚げるときの温度は175〜180度。温度を下げないようにするために、エビは少ない本数で揚げます。揚げはじめは触らないでじっくり待って。揚げあがってから油をきる時は、上に重ねず立てるように置くこともポイントです。
天ぷら用のエビ / 薄力粉 適量 / 揚げ油 適量
衣(薄力粉 100g / たまご 1個 / 冷水 200ml) ※たまご1個に対する配分
1. エビの殻をむき、背の中心に包丁を入れる(画像1)。すると背わたが見えるので水道水にさらして洗い流すようにして背わたを取り除く(画像2)。次にしっぽの尖った部分(けん先)を指でつまんで取り除き(画像3)、しっぽの先を包丁で落とす(画像4)。
2. 先端を切り落としたしっぽの中の水気を包丁でしごきとる(画像5)。しごくことにより、中にある水分や汚れなどを取り除き、油はねも防げる。次にエビの内側に包丁で筋を切るように切り込みを入れる(画像6)。切り込みを入れたあたりを背に向かって折るように手で伸ばし、エビをまっすぐに成形する(画像7)。
はじめに素材のそのものの味を堪能できる、衣薄めのエビ天の揚げ方を紹介します。簡単なので、まずはこの方法からチャレンジしてみてくださいね。
1.ボウルにたまごを割り入れて溶きほぐす。冷水を入れてよく混ぜ、薄力粉を振り入れる。薄力粉のダマが残る程度に軽く混ぜる。
2. 鍋に揚げ油を入れ、約180℃に熱する。 菜箸で衣を油に落とした時に衣が沈まず、パッと広がる状態が180℃前後のサイン。ちなみに衣が油の真ん中くらいまで沈みサッと浮いてくる温度は170〜175℃。
3. エビのしっぽを手に持ち、薄力粉を薄くまぶし、さらに衣をつける。
4. エビの内側部分を上に向け、手前から奥に向かって油の中へ優しく沈めていく。鍋に入れるエビの数を少なめにし、油の中に入れたらエビに触らないようにすることがポイント。
5. 1分30秒〜2分後にエビを返し、気泡が少なくなり、揚げている音がパチパチと高温になってきたら油から引きあげる。
続いて、「花揚げエビ天」という咲いた花を衣にまとわせたような華やかなエビ天の揚げ方を紹介します。これは専門店でよく作られるエビ天です。見た目に華やかなだけでなく、凹凸のある衣がしっかり付くことにより、タレや汁が衣によくからみ、おいしさが増します。なので、そばやうどんのトッピングや天丼にもぴったりの揚げ方です。
1. 175〜180℃に熱した油にパッと指で弾くように衣を落として揚げ玉を作る。
2. 揚げ玉がきつね色になったら油から取り出す。
3. エビに衣をつけ、その上から2の揚げ玉をまぶす。
4. 前述の「衣が薄めエビ天」と同じ要領で揚げる。
揚げあがってから油をきる時には、サクサクな衣を守るために上に重ねず、並べて立てるようにおきましょう。
左が、衣薄めのエビ天。エビそのものの味をしっかり感じられます。右が揚げ玉をまとわせた花揚げエビ天。天丼やエビ天そばなどに向いている揚げ方です。見た目もきれいですが、ボリューム感もありますね。プロが揚げる花揚げは経験が無いと少し難しいですが、今回のように揚げ玉を衣にしてしまえば簡単に作ることができますよ。エビ天の用途によって揚げ方を変えてみてくださいね。