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日本ワインが世界に果敢にチャレンジしていき、国際的にも高い評価を得ているというお話をした前回。国際コンクールでの快挙は日本人としてとても誇らしいことです。ただ、受賞するワインはもともと生産本数も少なく高額であることがままあって、スーパーでお買い物ついでに、というわけにはなかなかいきません。
普段の食卓には、1回目の「国内製造ワイン」の回で紹介したような健康系デイリーワインが経済的かつお手軽ですね。でも、がんばった自分へのご褒美や家族の誕生日、ホームパーティーへのお呼ばれなど、ちょっと特別な日に「日本ワイン」を開けてみませんか。
実は500円程度で買える国内製造デイリーワインと1万円を超えるような高級日本ワインの間にこそ、バラエティー豊かな「日本ワイン」がたくさんあるのです。この価格帯の中には、日本固有の「甲州(白)」や、日本で開発された「マスカット・ベーリーA(赤)」など、この国が誇るべきブドウ品種で造られたワインがひしめき合っています。
そしてこれらのブドウ品種で造られたワインは、比較的リーズナブルな価格で買うことができるのです。中でもシャトー・メルシャンの「クオリティーシリーズ」やサントリー「ジャパンプレミアムシリーズ」は高いコストパフォーマンスに加え、大きなワイナリーならではの安定した供給ができるので(もちろん、ブドウは農作物ゆえ天候によっては不作になることも)比較的手に入りやすいのが嬉しいですね。
具体的に、2,000円以下の商品を紹介すると、シャトー・メルシャンの「山梨甲州」(白・1,976円)、甲州とシャルドネがブレンドされた「萌黄(もえぎ)」(白・1,944円)、マスカット・ベーリーAとメルローがブレンドされた「藍茜(あいあかね)」(赤・1,944円)(以上、すべて税込価格)。
そして、サントリーの「ジャパンプレミアム 甲州」(白)、「ジャパンプレミアム マスカット・ベーリーA」(赤)はともに参考価格が1,600円(税抜)で、2,000円でお釣りがきます。ボディも比較的ライトで、何と言っても食事に合わせやすいのが魅力です。これらはネット通販はもちろん、最近ではスーパーやコンビニなどに置かれているところも増えてきたので見つけてみてください。
ワインですから楽しみはもちろん「味わう」ことですが、ワイナリーに行って楽しむこともできるんですよ。全国に散らばるワイナリーには見学可能な所が増えています。前述の「シャトー・メルシャン」とサントリーの「登美の丘ワイナリー」は山梨にあり、都内近郊から日帰りができる場所にあります。新宿から特急「かいじ」を利用すれば、2時間ほどで着く距離です。
醸造施設やブドウ畑見学、テイスティングができるワイナリツアー(要予約・有料)の他、希少ワインの有料テイスティング、現存する日本最古の木造醸造所だった建物にあるワイン資料館を散策したり(シャトー・メルシャン)、展望台から富士山をはじめとするアルプスの大パノラマを見渡したり(登美の丘ワイナリー)と、大人の遠足を満喫してみましょう。
ちなみに、10月20日に公開された映画「ウスケボーイズ」(柿崎ゆうじ監督、渡辺大主演)は日本ワインを題材にした映画。7月に開催された「マドリード国際映画祭2018」では、最優秀外国語映画作品賞と最優秀外国語映画主演男優賞の2冠に輝きました。ムム、新たな日本ワインブームが巻き起こる予感がします。しかしながら、そんな映画の人気、日本ワイブームの前に「日本ワインを飲んで予習」を強くオススメします。