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水回りに発生する白い汚れは、「水垢」と呼ばれるもの。しかし場所によっては水垢以外の複雑な汚れが混ざっていることもあり、掃除方法が異なります。自己流で削り取ったり強力な洗剤を使用したりすると、素材を変質させてしまう可能性があるため注意が必要。効果的な水垢落としには、汚れの原因を知ることが大切です。掃除研究科家・おそうじペコが解説します。
最初に、なぜ水垢ができてしまうのかを解説します。水垢は、水道水に含まれるミネラル成分が残留し、蓄積して固まったものです。なお、水道水中のミネラル含有量は地域によって違い、一般的に関西より関東が多いため関東の方が水垢がつきやすいと言われています。
水垢はアルカリ性の汚れです。食酢やクエン酸など酸性の洗剤やその他のアイテムで汚れを中和させ、じっくり緩めて落としていく方法が効果的です。
浴槽には水垢だけではなく、皮脂や湯垢など数種類の汚れが混ざっています。また、浴槽の材質によっては酸性やアルカリ性の洗剤で色が変わったり、コーティング加工が剥がれてしまうなど、変質してしまうことがあるため注意が必要。そのため、浴室用洗剤は「中性」タイプのものが主流になっているのです。
筆者がおすすめするのは脂肪酸ナトリウム98%以上の「純粉石けん」です。洗濯用として売られている商品を掃除に使っています。石けんは発泡力が強く、泡の力と界面活性剤の力で複雑な汚れを落としてくれるのが特徴。弱アルカリ性で素材を傷めにくいところもおすすめする理由の1つです。※デリケートな材質の浴槽は中性洗剤を使用ください。
純粉石けん 大さじ1 / 湯(30〜40度のぬるま湯) 1L
バススポンジ / 深型バケツ / ゴム手袋
※純粉石けんではなく浴室用中性洗剤を使う場合には、泡立ち加減をみながら適量使用する。
1. 純粉石けんを湯とともに深型バケツに入れる。ゴム手袋を装着した手で撹拌する。モコモコと泡が発生するまでよく混ぜる。
2. 泡をスポンジで浴槽内に塗布し、30分ほど放置する。湿布をするようにたくさんの泡を塗布しておくことで、汚れに浸透する。
3. 30分経ったら、スポンジを使って円を描くように浴槽内を擦り洗いする。四隅と湯を溜めたときに水際になる付近は汚れが溜まりやすいので、重点的に洗う。水で洗い流し、手で触ってザラザラしていたらまだ汚れがこびり付いているサインなので、再度擦り洗いする。ザラザラ感が無くなったら完了。
固くウロコ状になった鏡の水垢は、削り取ると鏡の表面を傷つけてしまう恐れがあります。水垢に効果のある酸性のクエン酸と、湯の力でじっくり汚れを緩めて落としていきます。
クエン酸 小さじ2〜3 / 湯(約40℃) 200ml
洗面器 / キッチンペーパー / ラップ / マイクロファイバー掃除手袋(マイクロファイバークロスでも可) / ビニール手袋ラップ
1. 洗面器で、湯とクエン酸を溶かした「ホットクエン酸液」を作る。まずクエン酸を湯を張った洗面器に入れ、軽く混ぜたら完成。
2. キッチンペーパーをクエン酸液に浸し、鏡に湿布してその上からラップを貼り付ける。この時、成分が薄まらないよう鏡の水気を拭き取ってからクエン酸液湿布するのがポイント。1時間ほど放置して水垢に浸透させる。
3. 1時間ほど経ったらクエン酸液パックを剥がし、掃除手袋で水垢部分を擦り落とす。マイクロファイバークロス素材の掃除手袋は、スポンジよりも汚れに密着して力を入れることができるため、頑固な水垢には特におすすめ。
酸性成分は金属を変質させるため。掃除後はしっかり洗い流してよく拭き取ること。
シンクの白い曇った汚れは、水垢以外に洗剤や石けんによる石けんカスも原因になっています。石けんカスにはいくつかの種類があり、酸性とアルカリ性の汚れがあります。重曹とクエン酸の2段階で掃除をすると効果的です。
重曹ペースト(重曹 大さじ2 / 水 大さじ1)
ホットクエン酸液(クエン酸 小さじ2〜3 / 湯(約40℃) 200ml)
掃除手袋(なければマイクロファイバークロス) / ビニール手袋 / キッチンペーパー / ラップ / タオル(水気拭き取り用)
1. 水垢を落とす前にまずシンク内の石鹸カスと食品による油汚れを落とす。重曹と水を溶かした重曹ペーストは、少し粉っぽさが残るくらいの濃度にするとクレンザー効果が上がるので頑固な汚れにはおすすめ。シンクに湿布し、シンクの目に沿って一定方向に掃除手袋でこする。
2. 重曹成分をよく洗い流した後、残った白い汚れにクエン酸パックする。湯にクエン酸を入れて作ったホットクエン酸液に浸したキッチンペーパーを汚れに湿布する。乾燥防止のためにさらにその上をラップで覆い、1時間ほど放置して水垢に浸透させる。
3. ラップとキッチンペーパーをを剥がした後、掃除手袋で水垢部分を擦り落とし、洗い流して水気を拭き取る。
傷がつきやすい素材やアルカリや酸に弱いシンク(大理石、琺瑯等)の場合は、取扱説明書のお手入れ方法に従ってください。
水回りの使用後はなるべく水気を残さないよう気を付けるなど、小まめなお手入れで汚れの蓄積を予防することも大切です。水垢は頑固な汚れです。1度で落ちない場合は何度か続けて掃除してみてください。