補聴器とは異なる「聞こえづらさ」のサポートアイテムとして、昨今注目を集めている「オープンイヤー型集音器」。大手メーカーの本格参入が相次ぐ中、大人世代向け通販市場で支持を得ているユーキャンがこの度発売した新型集音器『テルマホン』は、特許申請中の独自構造とスマートフォンを必要としない簡単な操作性が特徴だ。発売日の9月3日、東京・代々木の同社ビルで実施されたプレス発表会では、同社担当者から製品のこだわりが語られたほか、開発者による詳しい技術説明も行われた。




高齢者から支持を集める「ユーキャンの通販」が、集音器の新モデルを投入




同社にとって、「ユーキャンの通販」ブランドで展開する通販事業は、通信教育と並ぶ主軸事業のひとつだ。ブランド全体のテーマは「暮らしいきいき、心わくわく」。大人世代の毎日の暮らしを豊かにする商品群を揃え、この日登壇した同社・ライフ&カルチャー事業本部の初野正幸執行役員によると、過去3年間に購入実績がある顧客の平均年齢は77.3歳だといい、シニア世代に圧倒的な支持を得ている。資格取得やリスキリングなど現役世代に需要が多い通信教育に対して顧客層が大きく異なることは、個人的に意外な点だった。







「今回私たちが着目したテーマが『聞こえ』です」と述べた初野氏。9月3日に発売された『テルマホン』は、15年以上にわたって“聞こえ”関連商品を提供してきた同社が「無理なく使い続けること」にこだわって開発したデジタル集音器で、「耳をふさがないオープンイヤー構造」「スマホいらずの簡単操作」「言葉のクリアさを追求した音響設計」を特徴としている。




テルマホン開発者が語る、「聞こえやすさの秘訣」とは




「聞こえづらさ」のサポートアイテムとして従来から知られる補聴器は、聞こえを補うことでユーザーの生活を豊かにしてきた。一方で、耳の中に機器を入れることへの抵抗感や、長時間装着しなければならない煩わしさなどから、継続して使うことにハードルを感じる人もいる。そう下中、『テルマホン』のように耳をふさがないオープンイヤー型集音器は、新たな選択肢の一つとなる。




ユーキャン社員による着用例





ただ、直接耳の中に入れないとなると、「しっかり音が聞こえるのか?」という疑問を抱く人も少なくないだろう。ユーキャンとともに本製品の開発に取り組んだテルマエンジニアリングの中島照正氏からは、そのあたりの不安を埋める説明が行われた。







日本で初めて耳に入れないイヤホンを商品化したという同氏は、「長年の自己研究の集大成」として、本製品に込めた技術を紹介。まずは加齢性難聴に多く見られる「子音の聞き取りづらさ」の原因として「3kHzから6kHzの高周波数を含む高音域の聴力低下」をあげ、テルマホンではこの音域を強化することで、聞き取りやすい音質を実現していると説明した。




続いて、「耳介(じかい)」「対珠(たいじゅ)」「耳珠(じじゅ)」という部位をあげ、耳介で周囲の音を受け止め、対珠や耳珠の凹凸が反射した音を耳の入り口に導くという、耳のメカニズムを説明。その上で「空気伝導」と「耳珠伝導」という2つの経路を組み合わせて音を届けるテルマホンの仕組みを解説した。







空気伝導とは、音の振動を、耳介を介して鼓膜に届ける一般的な伝達方法。一方、「耳珠伝導」は、耳珠を介して音の振動を鼓膜へ伝える技術で、集音器に取り入れるのは新しい発想だという。テルマホンでは、独自形状のサウンドフィルターを用いることで耳珠伝導を可能にしている。そして、この2つの経路で音を届けることにより、「明瞭で聞き取りやすく、聞く人に心地よい、集音器としてまったく新しい聞こえ方を実現しました」と同氏は語る。







同氏は併せて、チタン素材にゴム系のエラストマーを成型した耳掛けアームや、大きすぎず小さすぎない“ちょうどいい大きさ”にすることで紛失防止にも配慮した点も紹介。「高齢者が毎日安心して使い続けられることに重点を置き、聞こえやすさはもちろん、装着性と操作性にも徹底してこだわりました」と、その性能に強い自信をのぞかせた。




テルマホン、実際の使い心地は?




会場には、タッチ&トライのコーナーが用意され、実際の使い心地を試すことができた。







ケースから外して手のひらに乗せた本体は、まさに“大きくもなく、小さくもなく”というサイズ感。対応してくれたスタッフによれば、「厚みも高齢者が掴みやすいように設計した」といい、紛失の不安に配慮されていることがよく分かる。







そして装着してみると、スイッチなどで起動する必要なく、すぐに周囲の音がはっきりと聞こえてきた。筆者は日頃から、耳をふさぐイヤホンやヘッドホンを目的に合わせて使い分けているが、当然ながら耳を塞がれている感覚がなく、“生の音”がそのまま伝わってくるような印象があった。




音質については、年代的に高齢者ではないため、高周波数の音域は正直判断が難しかった。ただ、話し声ははっきりと聞こえる一方で、スタッフがテーブルを叩いたり金属を叩いたりした際の不快な音は抑えられて伝わり、設計全体に中島氏ら作り手のやさしさを感じた。




また、リモコン付きの充電ケースも、紛失に配慮した“ちょうどいい大きさ”だ。小さなケースを無くして本体自体が使えなくなる……というのはワイヤレスイヤホンでもよくあることだが、こちらの充電ケースはゲーム機のコントローラー程度のサイズで、細部に至るコンセプトの統一感が感じられた。







なお、音量の調節は本体だけでなく充電ケースからも可能で、障害物のない状態なら10m離れた場所からも操作できる。これは家族にも便利な機能といえそうだ。音量にもよるが、約3.5時間の充電で約10.5時間使用可能といい、着けっぱなしでも一日の活動時間に十分応える仕様となっている。







ユーキャンの新型集音器『テルマホン』は、同社の通販サイト「ユーキャンの通販」にて9月3日より販売開始。価格は本体、ケース込みで39,800円。カラーはブロンズゴールドとスマートグレーの2色展開となっている。



情報提供元: 舌肥
記事名:「 市場成長中のオープンイヤー型集音器市場にユーキャンが新モデル投入! スマホいらずの「テルマホン」で“自然な聞こえ”をサポート