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現代人が不足しがちな栄養素として『ビタミン B1』をメインで紹介したが、特定の栄養素ばかりを過剰に摂取してしまうと体に悪影響を及ぼす可能性がある。植物性食品、動物性食品ともにバランスよく摂取することが健康への近道だ。ここからは『ビタミン B1』以外でおすすめの栄養素と、それらの栄養素が摂取できる食材も紹介しよう。
『ビタミン D』は腸管からカルシウムやリンの吸収を促進する作用や、骨の成長を促す作用など重要な働きをもつ脂溶性のビタミン。さらに、ウイルスや細菌などの感染を予防する作用も確認されて、免疫機能を高める作用が注目されている。最近の報告では新型コロナウイルス感染リスクを低下させる効果も医学論文で報告されている。
<ビタミン D が取れる食材>
きくらげ/鶏卵(卵黄)/鮭(生)/まぐろ(トロ)/舞茸
エネルギー代謝の補酵素として重要なビタミン。特にタンパク質の分解を助けるため、摂取量が多い人ほど、『ビタミンB6』の必要量も多くなる。免疫機能の正常な働きの維持、皮膚の抵抗力の増進にも必要で、赤血球のヘモグロビンの合成にも欠かせない栄養素だ。
<ビタミン B6 が取れる食材>
赤身肉/豚肉/マグロ/バナナ/カツオ
栄養バランスのいい食事を摂ることが重要だが、栄養素の種類は複数あり、それぞれの栄養素が豊富な食品を意識して食べるというのも現実的には困難だろう。偏った食事をしない、同じものばかり食べない、できるだけ多様性を持たせていろんな種類の食品を食べることをまずは心掛けよう。また、食生活を見直しつつも、推奨量を摂取しにくい栄養素に関しては、サプリメントで補うのも一つの方法だ。現代人が不足しがちな栄養素を意識して、この機会に食生活を見直してみてはいかがだろうか。
静岡県立総合病院リサーチサポートセンター 臨床研究部長 田中清氏 プロフィール
~所属学会~
・日本病態栄養学会(学術評議員)
・日本ビタミン学会(理事)
・脂溶性ビタミン研究委員会(委員)
・ビタミン B 研究委員会(参与)
・日本栄養改善学会(評議員)
・日本骨粗鬆症学会(評議員)
~主な職歴~
・1977年:京都大学医学部卒業
・1977~1979:天理よろづ相談所病院 内科系研修医
・1983~京都大学医学部附属病院 医員
・1984~天理よろづ相談所病院 内分泌内科医員
・1984~1986:米国オレゴン大学医学部内分泌内科 Research Associate
・1986~1990:静岡県立総合病院 核医学科・内分泌内科 副医長 (1988 医長)
・1990~2000:京都大学放射性同位元素総合センター・京大病院 助手
・2000~2004::甲子園大学栄養学部 教授
・2004~2018:京都女子大学家政学部食物栄養学科 教授
・2018~:神戶学院大学栄養学部 教授
・2023~:静岡県立総合病院リサーチサポートセンター 臨床研究部長