サントリー大阪工場で原料ハンドリングロボット導入 作業時間が3分の1に
サントリー株式会社は、サントリー大阪工場「スピリッツ・リキュール工房」の原料取り扱いエリアを自動化したと発表しました。
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歴史ある工場での大規模投資
サントリー大阪工場は、同社工場の中で最も歴史ある工場です。1919年に「築港工場」として建設された前身を持ちます。2024年から2025年にかけて、生産能力増強および美味品質向上に向け、55億円の設備投資を実施し、2025年6月に新たな「スピリッツ・リキュール工房」が竣工しました。
多様な原料に対応する自動化システム
「スピリッツ・リキュール工房」は多様な原料酒をつくる、同社スピリッツ・リキュール製造の要です。取り扱う原料は、冷凍・乾燥などさまざまで、これまでは人の手で原料投入までのプロセス(運搬・荷下ろし・開梱・計量・投入)を実施していました。
今回の自動化により、単調な繰り返し作業が大幅に減り、現場技術者が得た気づきを中味開発者と議論するなど、現場技術者が原料酒の「つくり込み」に今まで以上に関与することができます。現場技術者と中味開発者がさらに連携する開発生産一体型工場にすることで、さらなる美味品質の追求と生産性の向上を目指すとしています。
ロボット技術による効率化
株式会社安川電機などとの協業により、「スピリッツ・リキュール工房」内に原料運搬ロボット・原料ハンドリングロボットを導入しました。
倉庫から原料を運搬し投入するまでのプロセスが自動で対応でき、人の手による原料取り扱い業務の時間が3分の1となり、年間約2,000時間削減できる見込みです。
原料ハンドリングロボットの特徴
・さまざまな形態の原料に対応
「スピリッツ・リキュール工房」での多様な原料酒づくりに対応すべく、さまざまな形態の原料に対して、AIカメラで形態を把握し、ロボットが自動でハンドを持ち替え、荷下ろし・開梱などの作業を実行します。
対応する形態は、外装では段ボール・クラフト袋・バケツ、原料の状態では冷凍・乾燥他、縦・横・高さは30cm-50cm程度です。
・品質保証の仕組み深化
原料投入前には、自動で品質検査を実施。揮発物質から腐敗検知を実施するほか、AIカメラにより外観異常検知を行います。データを蓄積・活用することで、品質保証の仕組みの深化にチャレンジしています。
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