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19世紀半ばに生まれて以来、世界中のバーで愛されてきたウイスキーカクテル「オールドファッション」。今回はそんなオールドファッションの特徴や作り方、アレンジレシピなどについてご紹介します。
オールドファッション(オールドファッションド)は、バーボンウイスキーに角砂糖、アロマティックビターズ、オレンジやレモンなどの果物を加えたカクテルです。ウイスキーの風味と砂糖の優しい甘み、アロマティックビターズの大人な苦味、果物の瑞々しい味わいが混ざり合う、重厚な味わいが特徴。
バーボンウイスキーを使ったカクテルの代表格と言われており、Drinks International社が毎年実施している「世界で人気のクラシックカクテルベスト50」では、7年連続1位を獲得。店のアイデンティティを詰め込んだ、独自のオールドファッションがメニューにあるバーも多いのだそう。
直訳すると「古風」という意味になるオールドファッション。名前の由来は諸説ありますが、ウイスキーやスピリッツに砂糖を加えてから水で割った古風なカクテル「トディ」を参考に作られたことから、その名が付けられたと言われています。
オールドファッションが生まれたのは19世紀のアメリカケンタッキー州。当時、ケンタッキー州ルイビルの社交クラブ「ペンデニス・クラブ」のバーテンダーが、競馬ファンのために考案したと言われています。
競馬といえば、ケンタッキーダービーのオフィシャルドリンク「ミントジュレップ※」を想像する人も多いですが、実はオールドファッションも競馬とゆかりのあるカクテルなのです。
※バーボンウイスキーに砂糖やミント、氷を加えて作るカクテル
色男ジェイコブ・パーマーと出会った冴えない中年キャル・ウィーバーが、彼の教えを元に「イケオジ」へと生まれ変わり、数々の女性と関係を築きつつ、元妻への思いを断ち切れずに苦悩するロマンティック・コメディ映画「ラブ・アゲイン」。
劇中、色男ジェイコブ・パーマーが真剣に愛することを決めた女性ハンナにオールドファッションを作って手渡すシーンが出てきます。
あまりにも自然な手つきで、まるでCMのようだとも評されるこの場面。実はジェイコブを演じたライアン・ゴズリングが、「アメリカン バーテンダー オブ ザ イヤー」ファイナリストに輝いたエリック・アルペリン氏に教えを乞い、何百回も練習してから撮影に臨んでいたんですって!
■材料
・お好みのバーボンウイスキー:45ml
・アロマティックビターズ:1ダッシュ(ひと振り)
・角砂糖:1個
・氷:適量
・オレンジやレモンなどのお好みの果物:適量
■用意する器具
・ロックグラス:1個
・マドラー(なければスプーン):1本
■手順
1.ロックグラスに角砂糖を1個入れる
2.アロマティックビターズを角砂糖の上に1ダッシュ垂らす
3.グラスに氷を適量入れる
4.グラスにバーボンウイスキーを45ml注ぐ
5.お好みの果物を添える
6.マドラーで砂糖や果物を潰し、甘さを調整しながら飲む
■スコッチ・オールドファッション
バーボンウイスキーをスコッチウイスキーに変えたオールドファッション。スコッチ特有のスモーキーな風味が香る、リッチな1杯に。
■ラムオールドファッション
バーボンウイスキーをラムに変えたオールドファッション。ラムの甘い香りとキリッとしたお酒感が生きる1杯に。
■オールドファッション(ミストスタイル)
氷をクラッシュアイスに変えたオールドファッション。通常のものよりも氷が溶けやすいため、マイルドで清涼感のある味わいに。
■シナモンオールドファッション
果物をシナモンパウダーとシナモンスティックに変えたオールドファッション。シナモンとバーボンの風味が絶妙にマッチする1杯に。
■ハニーオールドファッション
角砂糖を蜂蜜20ccに変えたオールドファッション。蜂蜜の優しい甘みが楽しめる。
オールドファッションに使用される「アロマティックビターズ」は、スピリッツにアンゴスチュラの樹皮をはじめとする、10数種類の草根木皮を漬け込んで作ったお酒となります。
苦味が強いので、オールドファッションやマンハッタンといったカクテルに数滴垂らして使うのが一般的です。
アロマティックビターズの代表格として有名な「アンゴスチュラビターズ」。1824年、ベネズエラボリバル州の町「アンゴスチュラ」で、ベネズエラ解放軍の軍医ヨハン・ジーゲルト氏によって考案されたアロマティックビターズです。
リンドウからとれる苦味材「ジュンテァン」やハーブ、スパイスなどをラムに漬け込んで製造。オレンジの皮を思わせるほろ苦い風味が特徴となっています。
元は胃の治療薬として開発されたお酒で、当時はマラリアの予防薬や解熱剤としても利用されていたのだそう。
オールドファッションにかかせないのがトウモロコシを主原料としたアメリカ生まれのウイスキー「バーボンウイスキー」。この項目ではオールドファッションを作る際におすすめのバーボンウイスキーについてご紹介します!
七面鳥のラベルが目印の「ワイルドターキー」。1869年創業のリピー蒸留所(現・ワイルドターキー蒸留所)で造られている、伝統的なバーボンウイスキーです。名前は1940年の蒸留所オーナートーマス・マッカーシー氏の趣味が、七面鳥狩りであったのが由来なのだそう。
大麦・ライ麦を高めの比率で使用し、通常より低めの60~65度ほどのアルコール度数で蒸留しているのが特徴。穀物の風味が生きたスパイシーな味わいのウイスキーとなっています。
「誰でもおいしく飲めるバーボン」を目指して造られた「メーカーズマーク」。1951年、アメリカケンタッキー州で創業された小さな蒸留所「バークス・スプリング」が製造するバーボンウイスキーです。
通常バーボンウイスキーにはライ麦が用いられますが、メーカーズマークはマイナー品種の冬小麦「Soft red winter wheat」を原料に使用。そのため、なめらかな口当たりと風味豊かな味わいが楽しめるのだそう。癖がないため、ウイスキー初心者の方にもおすすめです!
1888年にアメリカケンタッキー州で生まれた「フォアローゼス」。華やかな香りとフルーティな味わいが特徴のバーボンウイスキーです。
名前やパッケージのデザインは、創始者のポール・ジョーンズJr.氏が一目惚れした女性にプロポーズをした際、女性から「返事は次の舞踏会まで待ってください。承諾する場合は、バラのコサージュを付けて来ます」と言われ、当日女性が4輪のバラのコサージュを付けて彼の前に現れたのが由来となっているのだそう。価格が1900円台~のため、気軽に購入しやすいも魅力。
1835年、ジェイムズ・クロウ医学博士によって造られた「オールド クロウ」。初めてサワーマッシュ製法※で造られたバーボンウイスキーとなります。
甘酸っぱい風味とさっぱりした味わいが特徴。日本では松田優作が愛飲したウイスキーとしても有名です。ちなみにパッケージのカラス(クロウ)は、創始者のクロウ氏の名前にちなんで後付けされたものなのだそう。
※蒸留残液の上澄みを仕込み水に約25%加えてから糖化させる製法。雑菌の繁殖を抑えたり風味を向上させたりする効果ががあると言われている。
粗悪なバーボンが多かった19世紀後半、品質にとことんこだわって造られた「I.W.ハーパー」。1885年にニューオリンズで開催された万国博覧会をはじめとする、様々な博覧会で金賞を受賞した実力派バーボンウイスキーです。
名前は創始者のアイザック・ウォルフ・バーンハイム氏のイニシャルと彼の親友とフランク・ハーパー氏が由来。トウモロコシ比率が86%と通常のバーボンよりも高めなのが特徴で、バニラやバナナを思わせる香りと、柔らかい甘みが楽しめるのだそう。
アメリカで19世紀半ばに生まれたクラシックカクテル「オールドファッション」。材料はウイスキーと砂糖、アロマティックビターズ、果物のみと至ってシンプル。アレンジの幅が広いため、お酒や果物の種類を変えれば、自分好みの1杯が作れますよ!
気になった方はぜひ、作って飲んでみてはいかがでしょうか?
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