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コストコの『国産品さくらどり むね肉』(2.4kg / 1,258円)は、まとめ買いの定番品。低カロリーでヘルシーな鶏むね肉が安価でまとめ買いできると、人気です。とはいえ、脂肪が少なく水分を多く含む鶏むね肉は、加熱すると水分が抜けてバサバサした食感になりがち。お肉を美味しく食べきるため、インターネットで見かける「鶏むね肉を柔らかく食べる方法」のどの方法がベストなのか、検証しました!
焼き方のコツも、最後にご紹介しています。こちらも併せてチェックしてみてください。
タンパク質に働きかけ肉を柔らかくする効果のある炭酸水素ナトリウムを含む炭酸水に、肉を漬けるという方法です。
炭酸の効果なのでしょうか? 6時間経過した肉は、ちょっとアレな見た目に…。肉はデロ〜ンと伸びて元気がない印象になっています。これ、食べて大丈夫?と不安になるビジュアルになってしまいました。
……ところが! 焼いてみると、この通り。全体的にプリンプリンと膨れ上がり、先ほどまでデロ〜ンと伸びていたのが嘘のようです。
カットした肉も、このとおり。肉の繊維の間に水分が行き渡っているかのような、プリプリとした食感になりました。フワッとした柔らかさではなく、歯触りがサックリとした印象。力を入れなくても肉を噛み切れます。味に変化もないので、いろいろな料理に使えそう。
炭酸水と同じく、炭酸水素ナトリウムでお肉を柔らかくするという方法。重曹の他、肉を保湿する砂糖も使います。
6時間漬けたものが、こちら。肉が透き通って、ピカピカしています。手で触った感触も、肉が柔らかくトロ〜っとしています。これは、期待できそう!!重曹は独特のエグ味があるので、つけ汁は軽く洗い流してから調理します。
ソテーしたものが、こちら。炭酸水ほどではありませんが、ふっくらと身が膨らみました。
肉質は柔らかいのですが、筋繊維の束がしまっていて、ハムのような食感。肉の部分は好みが分かれそうな食感ですが、皮はプリンプリンに焼き上がり、ジューシー。絶品!です。
漬け時間が長い方が柔らかくなるそうなので、6時間ではちょっと早かったのかもしれません。ちなみに、漬け汁ごと冷凍保存もできるそうです。
保水効果が高い砂糖と、タンパク質を溶かしのり状にする塩の溶液に漬け込む方法です。
※美味しく漬け込む黄金比は、砂糖=お肉の重さの1%/塩=肉の重さの1%/水=肉の重さの10% です。
6時間漬け込んだものが、こちら。他の肉に比べ、だいぶペチャンコになっている印象。これ、大丈夫なんでしょうか…。ヌルヌルした漬け汁を洗い流し、ソテーしてみます。
心配をよそに、いい感じにふっくらしてきました。焼き加減を調べるために肉を押すと、とても柔らかく、焼き上がりの判断が難しいレベルです。
切って焼いても丸ごとソテーしても、バサバサせずしっとり焼き上がりました。ふんわりした食感は、鶏むね肉とは思えません。砂糖と塩のおかげで下味もしっかりついているため、他の方法に比べ臭みなく旨味がUPしています。
筋繊維を断ち切り肉を柔らかくする『叩く』という方法は、鶏むね肉には有効な方法。叩いて柔らかくした肉を、酸で肉を柔らかくし油分で表面をコーティングし水分を逃がさない調味料、マヨネーズに漬け込みます。
肉をビニール袋に入れ、上から押しつぶすように数回叩きます。瓶を振り上げてバチーン!と叩こうとすると、肉がツルンと滑ってしまい、危険です。近距離から、ゆっくり叩きましょう。トントントンといった感じで、ドンドン!とやる必要はありません。
ビニール袋に肉とマヨネーズを入れ、手で揉み込みます。塩をひとつまみ入れておくと下味もしっかりつくので、調理の際に便利です。
マヨネーズの油分があるので、冷たいフライパンにそのまま乗せて、弱火でじっくり焼き上げられます。低カロリーという個性はある程度失ってしまいますが、水分と油分を得た鶏むね肉の柔らかすぎる食感は、鶏もも肉以上です。最初は「マヨネーズ味の肉って、どうなのよ…」と不安になりましたが、マヨネーズの酸味は加熱されることで飛んでしまうため気になりません。醤油をかければ醤油マヨ味、味噌を加えれば味噌マヨ味になりますよ。
炭酸水、重曹水、塩と砂糖、そしてマヨネーズの4つの方法を検証してみた結果、いちばんやわらかくおいしくなる方法は、「ビンで叩いてマヨネーズに漬ける」方法になりました!
試食したスタッフも「空き瓶に水を入れたものでトントン叩いてマヨネーズ入りのビニール袋に入れるだけで、まさかの柔らかさ! マヨ好きじゃなくても食べられるコクのある鶏肉に変身する点が素晴らしい! ホントに鶏もも肉よりジューシーでおいしいかも!」と大絶賛でした。
ただし、カロリーの面ではマヨネーズはなかなかの高カロリー食品。低カロに抑えるには、炭酸水漬け込みや重曹水も捨てがたいです。塩と砂糖は、鶏ハムの仕込みと同じ方法なので、仕込み中にそのまま使える点と、下味が付いた状態になる利便性がおススメポイント。どの方法も、インターネットでおススメされるだけの実力を秘めていましたよ!
タンパク質を多く含む、鶏むね肉は、強火で焼き付けてから裏返して弱火でじっくり…という牛ステーキ風の焼き方ではなく、冷たいままのフライパンからじっくりと弱火で焼いた方が美味しくなるんです。その理由は、タンパク質の凝固作用にあります。
肉のタンパク質は、65度から凝固作用が始まります。肉が縮むことによって中の肉汁が流れ出て、水分の多い鶏むね肉はバサバサした食感になってしまうのです。そこでむねにくはできるだけ65度をキープすることを意識しながら焼くことで、中まで火が通っているのにしっとりした食感の鶏むね肉に仕上がるのです。
鶏むね肉を柔らかくする漬け込み方と、「肉に気づかれないうちに焼く」とも言われるこの方法で、まとめ買いした肉を美味しく食べきりましょう!