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かつて砂糖やスパイスが貴重だった中世ヨーロッパにおいて、菓子技術の発展は修道院が中心になって担っていた。薬草による医療、農業や耕具、食などさまざまな分野での研究と技術向上が修道院で行われ、文化形成にあたって重要な役割を果たしてきた。
中でも地中海に突き出した半島であるイタリアは、紀元前から先進国だったアラブ世界や古代ギリシャとの交易も盛んだったため、いち早く新しい食材や菓子技術を得ることができたという。
同書は、現在にまで受け継がれる伝統的なイタリア菓子の中でも、そんな修道院発祥の菓子を紹介。発祥にまつわる由来や物語に加えレシピも掲載。粉のおいしさが伝わる素朴なものや、スパイスや果物の砂糖煮をふんだんに使った貴族由来のものまで約75種。また、レシピは伝統にのっとりながらも、日本でも再現できるように丁寧に解説している。
また、キリスト教のお膝元であるイタリアの修道院と菓子の歴史も解説した、今までにない資料性の高い保存版的な内容に仕上がっている。
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