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スマートフォンゲームでよく見かける「アニメコラボイベント」といったいわゆるIPコラボは話題性の確保や既存ユーザーのエンゲージメント向上、新規ユーザーの獲得といった様々な利点が考えられる。ては、実際にどれくらいの効果があるのか?と疑問に思う人も多いのではないか。
ゲーム業界のマーケティング調査を行う株式会社ゲームエージ総研が、『コトダマン』が2021年に実施した「鬼滅の刃」「五等分の花嫁」「東京リベンジャーズ」コラボの効果を公表、本記事では公開された数値を紹介する。ゲーム関係者だけでなくスマホゲームに興味のあるユーザーも必見だ。
前述した通り、ゲームアプリの運営サービスにおいて異種IPとのコラボ施策は頻繁に行われる基本的なビジネスモデルとして有名である。
アプリによっては、年に10回以上コラボ施策を行うものもあり、IPコラボを行うメリットとして「人気IPや注目IPとコラボすることによって話題性が確保できる」ことや「既存ユーザーが興味のあるIPとコラボを行うことで更にエンゲージメントを高める」こと、「まだリーチできていない新規ユーザーを獲得する」ことなどが挙げられる。
以降、ゲームエイジ総研のアプリログ自動集計/分析システム【iGage】で調査したスマートフォン向けゲーム『コトダマン』のデータを紹介する。
【iGage】https://www.gameage.jp/igage/
2021年2月25日から3月22日まで行われた「鬼滅の刃」コラボでは、最も盛り上がる初週に8.4万人の新規ユーザーを獲得し、翌週にも7.7万人の新規ユーザーを獲得しており、2週合計で16.1万人の新規ユーザーを獲得した。
世代内訳を見てみると、10代から30代の男女はどの世代もアクティブユーザーが増加しており、特に30代のアクティブユーザーの増加率が目立ち、コラボ前と後で比較すると30代男性は2倍近く、30代女性は4倍以上に増加したとのこと。
2021年7月5日から7月19日まで開催された「5等分の花嫁」コラボではイベント初週で新規・復帰を合わせて5万人程度のユーザーを獲得した。「鬼滅の刃」コラボほど多くの新規・復帰ユーザーは無いが、ゲームジャンルとの相性やIP規模にも依存する。
世代内訳を見てみると、増加したユーザーの大多数は10代男性で、ゲームアプリのコラボ施策で極端に一部ユーザー層のみを獲得するということは珍しい事象だと同社は説明している。
「五等分の花嫁」は10代男性とのエンゲージメントが非常に高いIPであることがわかり、「五等分の花嫁」のアプリゲームである『五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。ごとぱず』もメインユーザー層は10代男性で構成されていることから、アニメといった異種IPでもゲーム展開がある場合はそのゲームのマーケティング調査を行うと効果的なプロモーションになることがわかる。
2021年8月27日から9月10日まで行われた「東京リベンジャーズ」コラボでは、イベント初週で新規・復帰を合わせて約8万人。翌週、翌々週と続けて3万人以上の新規ユーザーの獲得に成功した。
世代内訳では20代女性は2倍以上、10代女性は3倍以上に増加が確認され、「東京リベンジャーズ」の女性人気が反映されていることが推測される。
一連の調査に関し、ゲームエイジ総研は「モバイルゲームのビジネスにおいては、新規ユーザー層を獲得、継続ユーザーの満足度維持、離脱抑止、休眠・離脱ユーザーの復帰が重要なポイントとなる」と述べており、異種IPとのコラボの重要性や企画時の仮説検証を非常に大事であることがわかった。
情報提供: 株式会社ゲームエイジ総研
https://www.gameage.jp/igage/
photo by Onur Binay via Unsplash