秋が深まり、衣替えを始める家庭も増える10月。夏物の衣類を片付け、冬物のコートや寝具を取り出そうとしたものの、クローゼットに入りきらない。そんな収納の悩みを抱える人もいるだろう。


とくに住宅の広さに制約がある都市部では、衣類だけでなく、季節家電やアウトドア用品、思い出の品など、普段は使わない荷物の置き場所が問題になりやすい。


こうしたなか、自宅とは別の場所に荷物を保管するトランクルームも、収納方法の選択肢となっている。整理収納アドバイザーの資格を持ち、トランクルーム事業を手掛ける株式会社ストレージ王の坂上正洋氏に、収納の考え方や実際の利用状況について話を聞いた。



捨てる前に考えたい「使う頻度」


衣替えのたびに悩ましいのが、しばらく使っていない物をどうするかという問題だ。


冬物のコートや暖房器具は、必要な季節には欠かせない。一方、キャンプ用品や趣味の道具などは、年に数回しか使わないこともある。使用頻度が低いからといって、すぐに処分できるものばかりではない。


坂上氏は、収納を考える際に重要なのは、単純に物を減らすことだけではないと話す。


「『よく使う物』『時々使う物』『季節ごとに使う物』と、使用頻度に応じて置き場所を分けることが重要です」


例えば、毎日使う衣類や生活用品は手の届く場所に置き、季節限定で使う物は別の場所にまとめる。こうした整理によって、日常生活で使うスペースを確保しやすくなるという。


ただし、収納場所を増やすだけでは、物が増え続ける可能性もある。何を残し、何を手放すのか。外部の収納を利用する場合でも、まずは持ち物を見直すことが基本となる。



衣類は屋内型、キャンプ用品は屋外型? 用途で異なるトランクルーム


自宅以外に荷物を保管する方法として知られるトランクルーム。施設には大きく分けて屋内型と屋外型があり、保管する物によって使い分けられている。


ストレージ王によると、屋内型には空調・換気設備や防犯カメラなどを備えた施設があり、衣類や書籍などの保管に利用されることが多いという。ただし、設備は施設ごとに異なるため、保管する物に合った環境かどうかの確認が必要だ。


一方、屋外型のコンテナは、車を近くに停めて荷物を出し入れしやすい施設もあり、キャンプ用品や工具など、大きくて重い物の保管に向いている。


同社では、季節に応じて自宅とトランクルームの荷物を入れ替える使い方も紹介している。いわば、自宅の外にもう一つクローゼットを持つような考え方だ。


もっとも、利用には月額費用がかかる。広いスペースを借りれば、それだけ負担も大きくなりやすい。自宅からの距離や荷物を運ぶ手間も含め、利用目的に合っているかを考える必要がある。







引っ越しや趣味の道具の保管にも


実際には、どのような人が外部収納を利用しているのだろうか。


坂上氏によると、家族の引っ越しに伴う一時的な荷物の保管や、増え続ける衣類の置き場所として利用するケースがあるという。


利用者からは、荷物を自宅の外に移したことで「自宅のスペースをゆったりと使えるようになった」といった声も寄せられている。


また、キャンプ道具のうち、特定の場面でしか使わない物だけを外部に保管するケースもある。趣味を続けたいものの、道具をすべて自宅に置くのは難しい。そんな事情から、保管場所を分けている人もいるようだ。


思い出の品など、使う機会は少なくても手放したくない物もある。収納の問題は、必ずしも物の多さだけではなく、何を大切に残しておきたいかという判断にも関わってくる。


ただ、預けたまま何年も取り出さない荷物が増えれば、外部収納そのものが不要品の置き場所になりかねない。衣替えなどのタイミングで、保管している物を定期的に確認することも必要だろう。



「収納は物のため、住まいは人のため」


「収納は物のためにあるものですが、住まいは人が快適に暮らすための場所です」


坂上氏はこう話し、生活する空間と荷物を保管する空間を分けて考えることの大切さを説明する。


ストレージ王では、収納したい荷物の種類や数から必要な部屋の広さを概算できる無料の「収納シミュレーション」を提供している。また、整理収納アドバイザーの資格を持つオペレーターによる案内も行っているという。


もちろん、すべての家庭に外部収納が必要というわけではない。収納用品を見直したり、使わなくなった物を整理したりすることで、自宅のスペースを確保できる場合もある。


外部収納を使う場合も、保管料金に加え、荷物の運搬や出し入れにかかる時間を考慮したい。衣類や書籍などは、湿度や温度などの保管環境にも注意が必要になる。


衣替えは、普段あまり使っていない物を見直す機会でもある。捨てるか残すかだけでなく、どこに置いておくのが暮らしやすいのか。収納場所そのものを見直すことも、一つの方法といえそうだ。






【取材協力】
株式会社ストレージ王 経営企画室 坂上正洋氏(整理収納アドバイザー)


トランクルーム事業の経営企画として業界分析やサービス設計に携わる。収納改善や空間活用に関する専門知識を生かし、記事執筆やメディア監修なども担当している。サイト:https://www.storageoh.jp/


情報提供元: TREND NEWS CASTER
記事名:「 衣替えで困る「捨てられない荷物」 収納不足の都市部で広がる“第2のクローゼット”という選択肢 」