日本文化の魅力を国内外に発信する「PREMIUM JAPAN AWARD 2026」の授賞式が9月29日、東京・銀座の観世能楽堂で開催された。


初開催となった今回は、歌舞伎界を代表する人間国宝・坂東玉三郎氏、歌舞伎俳優・中村隼人氏をはじめ、伝統芸能、食、工芸、ファッション、旅、アート、ものづくりなど、幅広い分野から個人・団体・プロジェクトが選出された。


尾上菊之丞氏・茂山逸平氏の「三番三」で開幕




授賞式は、尾上菊之丞氏と茂山逸平氏による「三番三」で幕を開けた。「揉みの段」では力強い足拍子と舞を、「鈴の段」では鈴を手にした舞を披露した。





開会宣言には、9歳の日本舞踊家・尾上琴也氏が登壇。しっかりとした口調で式辞を読み上げた。



文化庁長官、観光庁長官が祝辞。日本文化の世界発信に期待



開会挨拶には、一般社団法人 日本文化発信機構の代表理事・齋藤峰明氏が登壇。「日々の暮らしに息づく日本人の美意識や伝統が、いま世界の人々によって新しい価値として注目されています」と述べ、日本文化の価値を世界へ発信していく意義を語った。




文化庁長官・伊藤学司氏は、日本文化が世界から高い評価を受けているとしたうえで、古くから伝わる伝統芸能だけでなく、現代の担い手によって新しく生み出された日本らしい文化にも注目が集まっていると説明。


「日本文化を通して世界の人々の心を掴みに行くことを目指し、日本の素晴らしい文化を創造し、より発展させていきたい」と話した。




続いて、観光庁長官・木村典央氏が登壇。「政府では、関係省庁が一体となってインバウンドの誘致を進めています」と述べ、外国人旅行者を引きつけるコンテンツを全国に整備していく重要性に言及した。


日本の文化を表彰し、海外へ発信する同アワードの取り組みについて、観光政策とも方向性が一致すると説明した。



人間国宝・坂東玉三郎氏、中村隼人氏ら16組が選出



授賞式では、「日本らしさを体現して顕著な貢献をした」として選出された16組が発表された。


受賞者には、プレゼンターからオリジナルトロフィーとロングスカーフが贈られ、それぞれが受賞の喜びや日本文化への思いを語った。


芸能分野では、歌舞伎俳優の中村隼人氏が「個人/団体賞」、坂東玉三郎氏の「坂東玉三郎 衣裳展」が「特定プロジェクト賞」を受賞した。


中村氏は歌舞伎俳優として舞台に立つほか、NHK大河ドラマ「べらぼう」にも出演。海外公演などを通じて歌舞伎の魅力を発信してきた活動が評価された。




尾上菊之丞氏からトロフィーを受け取ると、「歌舞伎の舞台でたびたびお世話になっている師匠のような方なので、このような形でご一緒できて大変光栄です」と笑顔を見せ、今後も日本の伝統文化を海外へ発信していきたいと語った。


坂東氏は、歌舞伎の舞台を彩る衣裳を美術工芸として紹介し、その背景にある職人の技術や日本独自の美意識を国内外に伝えてきた活動が評価された。




受賞にあたり「多くの職人さんに助けられて今日の素晴らしい衣装がある……本当にありがとうございました」と感謝を述べた。



大賞は日本料理アカデミー『日本料理大全』



授賞式の最後には、「PREMIUM JAPAN AWARD 2026」の大賞が発表された。


大賞に選ばれたのは、日本料理の技法や歴史、文化を体系的に記録し、世界へ伝える日本料理アカデミーの『日本料理大全』。料理人の経験や感覚によって受け継がれてきた技術を、科学的な視点から検証、体系化した取り組みなどが評価された。




特定非営利活動法人 日本料理アカデミー理事・川﨑寛也氏が代表して登壇し、一般社団法人 日本文化発信機構代表理事・齋藤峰明氏からトロフィーを受け取った。


川﨑氏は「私は、料理の科学者として、100年後残る本を創りたいという思いでこの本の執筆、研究に携わりました」と制作への思いを語った。


さらに、「日本料理人の技術と知識はすごいんです。それを世界に広めたいと思って、日本語版と英語版を同時に出しました」と説明。宗教との関わりや美意識から料理の技術まで幅広く扱い、自身は技術部分の科学的な解説を担当しているという。


「霜降り」という言葉を例に挙げ、「『霜』という自然現象を知らないと意味が分からない」と説明。「料理人が持っている感覚をどのように伝えるのか、その共通言語がサイエンスなので。できるだけつまびらかにしています」と話した。


『日本料理大全』は現在、第6巻、第7巻を制作しているという。





受賞者・団体の活動は、オンラインメディア「PREMIUM JAPAN」の特集記事を通じ、多言語で国内外に紹介される予定だ。





【PREMIUM JAPAN AWARD 2026 受賞者一覧(登壇順)】


特定プロジェクト賞:A-POC ABLE ISSEY MIYAKE デザイナー 宮前義之氏


個人/団体賞:彫刻家 樂雅臣氏


特別賞(株式会社星野リゾート):喜如嘉芭蕉布事業協同組合


特定プロジェクト賞:三郎丸蒸留所 若鶴酒造 副社長 岩渕一氏


プロデューサー・キュレーター賞:A Lighthouse called Kanata 代表取締役 青山和平氏


特別賞(株式会社和光):株式会社白岩 代表取締役 シャルル・アントワン・ピカール氏


個人/団体賞:歌舞伎俳優 中村隼人氏


個人/団体賞:SUZUSAN 代表取締役COO|最高執行責任者 村瀬史博氏


特別賞 (株式会社ひらまつ):御昆布司奥井海生堂 代表取締役 奥井隆氏


個人/団体賞:大蔵山スタジオ 代表取締役 山田能資氏


個人/団体賞:大谷山荘 代表取締役社長 大谷和弘氏


特別賞(株式会社ルミネ):杉原商店 社長・ソムリエ 杉原吉直氏


特定プロジェクト賞:シーベジタブル 共同代表 友廣裕一氏


特別賞(SAKE HUNDRED):ふしきの 代表取締役/女将 宮下幸子氏


特定プロジェクト賞:坂東玉三郎 衣裳展 坂東玉三郎


大賞:大賞:日本料理アカデミー「日本料理大全」 特定非営利活動法人日本料理アカデミー理事 川﨑寛也氏


情報提供元: TREND NEWS CASTER
記事名:「 「PREMIUM JAPAN AWARD 2026」初開催 坂東玉三郎、中村隼人ら受賞、大賞は『日本料理大全』 」