2024年、日本の教育業界に大きな衝撃が走りました。文部科学省が発表した最新の調査によると、2023年度不登校中学生数が約30万人に達し、先比22.1%増ということでな上昇を示したのです。この数字は、教育関係者のみならず、社会全体に警鐘を鳴らすものとなっております。

そこで、フリースクールや通信制高校技能連携校を運営している浦和高等学園様へ取材させていただき、現在の中学生の不登校問題による原因や、教育現場の課題を紹介して行きたいと思います。

※浦和高等学園のご協力(取材・リサーチ)を得て、長期にわたりコラムとしてお届けいたします。

中学生が不登校となる原因とは?

不登校の主な原因は多岐にわたります。中学校では、公立・私立を問わず多くの校則が設けられており、これらが窮屈に感じられる生徒も少なくありません。個性重視の現代社会において、画一的な校則に違和感を覚える生徒が増えており、ルールへの反発が不登校のきっかけになることがあります。

また、学業の困難も大きな要因です。中学校では定期テストが導入され、成績による順位付けが行われるため、生徒たちにとって大きなプレッシャーとなります。学習内容についていけない、計画的に勉強することが苦手などの理由で学業不振に陥り、自信を失ってしまう生徒も少なくありません。

コミュニケーションの問題も深刻です。思春期は友人関係が非常に重要な時期であり、些細なきっかけで孤立したり、いじめの対象になることがあります。親の目の届かない場所で人間関係のトラブルが発生することが増え、問題を抱え込んでしまうケースも多いです。SNSの普及により、学校外でもいじめが継続することが懸念されています。

さらに、外見や学力、運動能力に対するコンプレックスから劣等感を抱き、自信を失ってしまう生徒もいます。その結果、無気力に陥り、学校に行く意欲を失うケースもあり、現代社会で言う「鬱」や「病んでいる」状態に近い心情を抱えている生徒も少なくありません。

学校外の問題として、家庭環境の問題も不登校の一因です。両親の不仲や離婚、経済的な問題など家庭環境の変化が学習意欲や対人関係に影響を与え、不登校につながることがあります。過保護な養育態度が自立心を阻害し、学校への適応を困難にすることもあります。

以上のように、多様な要因が絡み合い、不登校が生じるケースが増えています。専門家の指摘を受けながら、学校や家庭が協力して対応策を講じることが求められます。

中学生の不登校を解決するためのアプローチ

まず、お子様の現状を知り受け入れることが重要です。お子様と話しをし、苦しい気持ちを受け止めましょう。その際、親の価値観を押し付けず、固定観念を脇に置いて、率直な気持ちに耳を傾けてください。校則がネックになっている場合は、親が学校の先生に相談し、柔軟な対応を求めることが大切です。例えば、遅刻や早退を認める、週に何日かだけ登校する、保健室や別室に登校するなどの選択肢を検討しましょう。

次に、適した学び場所を提供することが大切です。学校の勉強が難しくてついていけない場合は、どの教科のどの部分でつまずいているのか、現状を把握しましょう。場合によっては、小学校レベルの内容を理解できていないこともあります。学習塾や個別指導塾、フリースクールなど、お子様に最適な学びの環境を探す努力を惜しまないようにしましょう。

対人関係に悩んで不登校になっている場合は、無理に学校に行かせようとせず、家族が一丸となってお子様の話を聞き、味方であることを伝えましょう。親が自身の恥ずかしい過去を話すことで、子供が相談しやすい環境を作ることも有効です。親御様だけで対処が難しい場合は、カウンセラーが在籍するフリースクールなどの機関に相談することも一つの方法です。

お子様が過度な劣等感を感じたり、無気力になっている場合は、親が感情的にならず冷静に見守ることが重要です。無気力な状態の子供を見ても、親の価値観を押し付けず、子供の悩みを理解しようと努めましょう。お子様を放置せず、向き合い、心に寄り添いながらしっかりと認めてあげることが大切です。

最後に、家庭環境を整え、親子関係を見直すことが必要です。両親の不仲や家庭内のストレスが不登校の原因になっている場合、家庭が安心して過ごせる場所になるように環境を整えることが大切です。親御様自身が心に余裕を持つために、夫婦間のコミュニケーションを積極的に図りましょう。家庭内での会話やお互いの気持ちを尊重する姿勢が重要です。どうしても解決が難しい場合は、専門のカウンセラーに相談することも一つの手段です。カウンセリングを通じて家庭内の問題を解消し、子供が安心できる環境を提供しましょう。親がリラックスしている姿を見せることが、子供の心の安定にも繋がります。

以上のアプローチを実践することで、中学生の不登校問題に効果的に対処することができるはずです。

未来の展望と社会全体での取り組み

30万人という数字は確かに衝撃的です。しかし、この危機を乗り越えて、日本の教育システムが大きく変わろうとしています。

不登校特例校の増額や、オンラインを活用した学習支援の充実、さらには地域社会と連携した体験学習の推進などを計画しています。

また、心理的支援の充実も重要な課題です。スクールカウンセラーの増員や、オンラインカウンセリングの導入など、生徒の心のケアにも力を入れているフリースクールも増えてきています。

不登校問題の解決には時間がかかります。しかし、教育現場の努力と社会全体の理解があれば、必ず道は開けるはずです。子どもたちが安心して学び、成長できる社会の実現に向けて、地域の学習支援ボランティアに参加したり、不登校のための学習会に参加したり始められるでしょう。

今こそ、子どもたちの未来のために、社会全体で知恵を絞り、行動を起こすべき時なのです。 不登校の問題は、学校や家庭の問題ではなく、社会全体で取り組むべき重要な課題であることを、私たちは本気で考えていく必要があります。

取材/リサーチ協力

浦和高等学園
不登校の小中学部を対象としたフリースクールや、高校部(通信制高校技能連携校)を運営。
※小中学部は小学生5年生から入学可能
フリースクールを、ただの「居場所」「遊び場所」といった、やりたい事、好きな事だけに時間を費やす場所ではなく、教員免許を持った教科指導経験のある教員が各教科学習に配置されているため、「学びの場」を用意しているフリースクール。
浦和高等学園HP:https://urazono.net/

written by : 祐紀(BIZNEWS365)

情報提供元: TREND NEWS CASTER
記事名:「 【専門家が伝授】中学生の不登校、30万人突破 – 教育現場の危機と新たな希望 コラム