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しかし、現在の病状にあまり関係がない話をされると、診察時間が延びて、他の患者への迷惑になってしまう。
例えば、風邪の診察の時に、数十年も前に手術をして合併症が起きて大変な思いをした、などの話はさすがに関係がない。
今現在悩んでいること、そして病状に関係しそうな話をするようにお願いしたい。
話にまとまりがなく、結局何に困っているのかが分からない患者も多い。
なかなか自分の病状を、説明するのは難しいと思う。
経過を言えば良いのだが、いつのことから言えばよいかわからないことも多いはず。
しかし、あまりにも話が飛び飛びになり「10分ほど話しても医師がよくわからない」ということはよくある。
その対策として、是非診察の前に、自分の悩み事を経過順に、紙に書いてみて欲しい。
前日のことならまだしも、数日前や1週間前のことなど聞かれても、誰もすぐに思い出せない。
診察をスムーズに行い、適切な診断や治療、お薬の処方をするのにも役にたつ。
患者側も、伝えたいことを忘れずに伝えられるのでおすすめだ。
時々、自分の考えた治療法や対応を、主張しすぎる患者がいる。
もちろん、自分の考えは大切で、どのように病気を考えているか、などは医師としても確認したいポイントだ。
その一方で、自分はこの病気を発症してるから、「この薬を出してくれ」と主張する方もいる。
その考えが、医学的に問題なければ良いのだが、実際は間違っていることもよくある。
そのような時に、医学の専門家である医師の意見を聞こうともしない患者には困ってしまうのだ。
病院に来る患者は誰でも、体調が悪いから来院している。
そんな中、自分のしんどさだけを考えて順番を早くして欲しい。
また、「その検査はやっても意味ないから受けません!」などと主張する方がいる。
病院のルールを守れない場合は、診察できずにお帰りいただくケースもある。
また、脅すような暴言や暴力があった際は、警察が介入する場合がある。
体調が悪くてしんどいのは、十分に良く分かる。
しかし、医療者も同じ人間なのだ。
最低限のルールやマナーを守って、診察を受けて欲しい。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。