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しかし、5月17日付けで、国民生活センターから衝撃の発表がなされた。
この中に、デキサメタゾンというステロイドの一種が混じっていたのだ。
デキサメタゾンは、5種類に分類されるステロイドの強さの中で、真ん中の強さのものだ。
医学的には、強力な吐き気止めや、関節リウマチなどの膠原病(こんげんびょう)、重症感染症などで使われる。
医療ではさまざまなステロイドを使うが、その中でも比較的強いステロイド、というイメージがある。
ステロイドの副作用として、高血圧、高血糖、不眠、体重増加、むくみ、白内障、うつ病、骨粗しょう症、胃潰瘍などがある。
また、摂取していたステロイドの量が多く、期間も長い場合に、急にステロイドの摂取をやめるとさまざまな症状が出てしまう。
身体のだるさ、頭痛、下痢、吐き気、発熱、血圧低下などがある。
場合によっては命に関わる場合もあるので、ステロイドを中止する際には慎重に量を減らしたりしていくことが重要だ。
国民生活センターの報告によると、1日1杯を表記通りに飲んだ場合、最大で145μgのデキサメタゾンを摂取することになるという。
これは、デキサメタゾンを治療で使う際の、大人で約3分の1の量、子どもでほぼ同じ量に相当する。
治療量は、有効性と副作用のバランスで決められる。
つまり、子どもや代謝が落ちた高齢者は特に副作用に注意が必要だ。
健康な大人でも、万が一1日3杯も常飲していればかなり危険だ。
もちろん治療量以下でも、副作用が発生するケースもある。
心配であれば医療機関に相談して欲しい。
健康を謳った商品は、非常に多くの種類の商品が販売されている。
すべてではないが、健康成分の他に有害な物質が混ざっていることも多い。
自分の身体を守れるのは自分だけだ。
妄信しすぎずに注意しながら、摂取することが大切だ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。