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心筋梗塞は、心臓を栄養する血管がつまることで、心臓の一部が動けなくなって発症する。
この血管は、身体の中でも最重要な血管のひとつだが、かなり細いためつまりやすい。
この血管は、コレステロールなどが血管の壁にひっつくとつまりやすい。
また、高血圧などでは大きな力が血管の壁に当たり続ける。
すると血管の壁が傷ついてしまって、そこから血栓ができて血管がつまりやすくなるのだ。
また、血がどろどろとしていてもつまりやすい。
つまり、血管がつまる原因は、高血圧やコレステロール異常症(脂質異常症)、糖尿病、高尿酸血症、肥満などである。
このような病気があれば、血管リスクが高い、と医療者は考える。
その他、一度心筋梗塞になったことがあることや、家族が心筋梗塞になったことがある、なども心筋梗塞発症のリスクだ。
血管リスクが高い方は、少しでも胸が痛かったり、呼吸が苦しかったり、むかむかしたりする場合、心筋梗塞になっている可能性がある。
現在、医療現場では、心筋梗塞を診断するのに心電図や心臓超音波検査、血液検査などを行う。
しかし実際問題として、専門医でも専門医以外でも、心電図や心臓超音波検査だけで心筋梗塞かどうか判断するのはかなり難しいことがある。
結果的に、患者がどれほど血管リスクが高いのかを重要な情報として考えている。
血管リスクが高い方ほど、症状がわずかであっても心筋梗塞を発症しているかもしれないのだ。
繰り返しになるが、心筋梗塞の原因は、高血圧や脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症、肥満である。
これらを予防・改善するためには、BMIは25未満にすること、塩分は1日6g未満までにすること、野菜や果物、魚を食べること、油っぽいものを取らないことなどが重要だ。
そのほかにも、食事は1日3回規則的にとること、お酒は1日日本酒1合未満かビール1〜2杯までにすること、タバコは吸わないこと、適度な運動をすることが大切だ。
血管リスクが高いと、心筋梗塞以外にも脳梗塞や脳出血などの脳内の血管や、腎臓にも悪影響を与えて腎臓の機能が悪くなってしまう。
最終的には、尿がでなくなり透析が必要になることもある。
日頃から気をつけて、血管リスクをできるだけ低くするのがおすすめだ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。