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軽いものも含めると、日本人では500人に1人が口唇裂で産まれてくる。
だいたい中学や高校全体で1人くらいはいる、珍しくない病気だ。
人は母親のお腹の中で人の形ができていく。
唇や口の中の骨は、基本的に左右からできはじめ、顔の中心に向かって作られる。
最終的には左右から合わさって完成するが、うまくくっつかないと開いたままになる。
唇がうまくくっつかなかったのが、口唇裂なのだ。
そのため、哺乳瓶をうまくくわえにくい。
なぜうまくくっつかないのかは、多くの場合は遺伝は関係なく、原因不明である。
唇がうまくくっつかない時は、唇の下の筋肉などもうまく合わさっていないことが多い。
そのため鼻も変形してしまうのだ。
口唇裂を治すためには、手術するしかない。
簡単に言えば、唇を合わせつつ鼻の変形も修正していく。
また、一回だけでは治らないことが多い。
初回手術は、生後3ヶ月くらいにする。
子どもが成長するにつれて、口元の筋肉や皮膚も成長する。
人工的に合わせた唇や、修正した鼻は成長とともに少しいびつな形になってしまう。
その段階で再度手術が必要になり、最終的には15歳頃の思春期までかかることも多い。
口唇裂は珍しくない病気だ。
症状が軽いと見逃されてしまうこともある。
また、見た目もより良くできるような新たな治療が出てくるのを願うばかりだ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。